ME SO SHE LOOSE(『味噌汁's』名義)
レビュー執筆日:2019/8/22
●ユーモアを徹底的に追求した傑作。単なる「お遊び」だと思うなかれ。
【収録曲】
1.OKAN GOMEN
2.にっぽんぽん
3.TENDON
4.友達の友達
5.お年玉 ~TOUDAIMOTOKURASHI~
6.ふうてん
7.ジェニファー山田さん
8.HENJIN2
9.B.Q.B
10.神様の鼻笑い
11.HENJIN
12.柿ピー
13.ミソシレ
14.ジェニファー山田さん (piano ver.)
※『HENJIN2』と『HENJIN』の位置が逆に見えるかもしれませんが、これで正しい曲順です。
RADWIMPSの変名バンド、味噌汁`sのデビューアルバム。(設定上は「よく似た別人」のようですが)聴く前は「お遊びのバンドだろう」と少し高をくくっていたところもあったのですが、実際に聴いてみると、インパクトとユーモアが満載の傑作に仕上がっていて驚きました。このアルバムがリリースされた2014年は、RADWIMPSが落ち着いた作風に変わっていった時期でもあり、その反動でこういう出来になったのかもしれません。
このアルバムを聴いて最初に印象に残るのが、良い意味で「下らない」歌詞でしょう。『お年玉 ~TOUDAIMOTOKURASHI~』は「親に預けたお年玉が返ってこない」という「あるあるネタ」を全力で歌うという所に面白さを感じますし、『柿ピー』は「僕が柿を食べるから 君がピーを食べてよ」という冒頭から、最終的にやけにスケールの大きい歌詞に繋がるという展開が笑いを誘います。また、『HENJIN』や『ミソシレ』のように特に意味の無いであろうフレーズを繰り返す曲もあり、耳に残りやすいこともあって絶大なインパクトを醸し出しています。
曲調に関しては、2ビートのパンクチューンを基調としていますが、そんな中でも様々なジャンルを取り入れているという点は彼ららしいと言えるでしょう。『B.Q.B』はどこかゴスペルチックですし、最後にはピアノ弾き語りでアレンジした『ジェニファー山田さん』が収録されています。(しかも、意外とマッチしているのがまた面白いところ)
全力でふざけ倒し、ユーモアというものを徹底的に追求した本作。「こんなアルバムも作れるのか」と彼らの底の知れなさを実感した作品でした。
評価:★★★★★




