Paralyze Conte
「ときに蓮田先輩」
「なんじゃ藪からスティックに」
「……人が真面目な話をしようとしてるのにルー語はやめてください。古いです」
「古くないわい! ……とも言い切れないのう。よい、申してみよ、岡本少年」
「今度は急に最近ですね。まあいいです。で、本題ですけど。もし僕が蓮田先輩に『好きです! 付き合ってください!』って女声で告白したら、どうします?」
「……それ、本当に真面目な話かのう?」
「いえ、ただの興味本位ですけど」
「真面目な話はどこ行ったのじゃ! ルー語対応で十分な案件ではないか!」
「で、どうなんですか?」
「食い下がってくるんかい! おぬしなんかアレじゃ、よくてキープじゃ! たまに会話する分には面白いからよいが、ずっと一緒ではツッコミ疲れで喉が死ぬわ!」
「先輩が激しくツッコみ過ぎなだけだと思いますが」
「わしは正常じゃ! おぬしのボケの量がおかしいのじゃ!」
「スルーしたらいいじゃないですか」
「避けようのないビーンボールばかり放るくせに何を言うか!」
「あ、すいません、ちょっと何言ってるかわかんないです」
「とみざわぁ!!」
「まあ、ありがとうございます。今後の参考にします」
「今の会話のどこに参考にできる要素があったのじゃ……」
「あと、ついでにもう一ついいですか?」
「……正直全然よくはないが……断っても勝手に話すのじゃろう?」
「of course」
「……申してみよ」
「例えばそこにシュクレンペットがあったとして、蓮田先輩ならどうしますか?」
「…………………………え、ごめん。なんて?」
「だから、例えばそこにシャリオールを持ったカリオロイドがいたとして、蓮田先輩ならどうしますか?」
「うん、違うな! 一回目と二回目で内容が全っっっっ然違うな! なんじゃその無作為に文字を並べて偶然生み出されてしまった意味の通らない単語のパラダイスは! 何一つとして理解できんのじゃが!」
「いや、なんかこう……突然神の天啓が降ってきまして」
「意味被っとる! 神の神のお告げになっとる! 冷たい冷水みたいになっとる!」
「……普通その例え使います? 頭痛が痛いとかの方が有名じゃないですか?」
「うるさい! そこまで気が回るような精神状態じゃないのじゃ! なんとなく伝わればよかろう!」
「じゃあまあ、そういうことにしておきますけど。で、どうですか? そこにケテロボエロにされたルクドニアベロールのベリーロールがあったとして、蓮田先輩ならどうしますか?」
「またなんか変わっとる! これ以上新種の単語を出してこの空間をカオスにするのはやめてくれ! あとベリーロールの違和感のなさ凄いな! 危うく騙されるところだったわ!」
「え、ベリーロールって実在するんですか?」
「知らずに言ってたのか!? 逆にミラクルじゃな! ちゃんと実在するじゃろ、ほら……アレじゃ、走り高跳びの……背面跳びの対義語じゃ!」
「説明どえらい下手くそですね」
「うるさい! わしだってベリーロールに詳しくはないのじゃ! それよりも、余計な単語を増やしてないで最初のやつについて説明せい! それともアレか、適当に言ったからなんと発言したのか覚えとらんのか、ええ!? そうなんじゃろ!?」
「シュクレンペットのことですか?」
「バッチリ覚えとるんかい! 忘れとる流れじゃないんかい!」
「当然ですよ。僕が一晩考えて作ったんですから」
「何に一晩使っとるのじゃ! もう少しまともな使い方があるじゃろ!」
「僕の一晩が無駄だと言うんですか」
「そりゃそうじゃ! こんな訳の分からん単語を生み出す為に一晩も使いおって! 今のところの成果はわしが困惑しただけじゃぞ!」
「正直それだけが目的なので、既に十分な成果ですね」
「貴様いつか絶対潰す!」
「とはいえ、せっかく考えたので考察してあげたいですよね」
「何を!?」
「そりゃあ、シュクレンペットとシャリオールとカリオロイドとケテロボエロとルクドニアベロールとベリーロールについてですよ」
「多いわ! それ全部やっとったら日付が変わるのじゃ! あと、ベリーロールは考察せんでよい! 後でウィ○ペディアでも見とけ!」
「仕方ないですね……じゃあ、二歩譲ってベリーロールは後で調べましょう」
「ちいとも譲っとらんではないか! ……まあよい。部活の終了時間までには間に合わせるのじゃぞ」
「……先輩ってなんだかんだで付き合いいいですよね」
「う、うるさい! やるならさっさと始めるのじゃ!」
「了解です。じゃあ、メインディッシュは後に回してシャリオールあたりから攻めましょうか」
「なんじゃメインディッシュて。どれがメインディッシュじゃ」
「そりゃあシュクレンペットですよ。決まってるじゃないですか」
「基準がまったくわからんわ!」
「じゃあシャリオールから始めますよ。僕が思うに、区切るとしたらシャリ・オールだと思うんですよね」
「思うも何もお主が生み出したワードじゃろうが」
「で、それぞれの言葉について考えると、やっぱりシャリは酢飯のことだと思うんですよね」
「え、考察ってそういう感じで進めていくの? 想像以上に真面目でわしビックリしとるんじゃけど」
「問題はオールが何を指すかですけど……ALLではさすがにありきたりですよね」
「うむ、さてはお主わしの話聞いとらんな?」
「of course」
「それ死ぬほど腹立つからやめろぉ!」
「先輩の見解はどうです?」
「正直引くほど興味がないんじゃが……ALLでよいのではないか?」
「つまりシャリオールは、ネタの形に整えたシャリをシャリの上に乗せた寿司のことだと」
「別にシャリでネタの形再現しなくてよくない!? ネタ抜きの酢飯オンリーのつもりで言ったんじゃけど!?」
「それじゃあシャリオンリーじゃないですか」
「そここだわるの!?」
「あっ、オールって言ったらアレですよ、ボートとか漕ぐときに使うやつ。おまえが消えて喜ぶ者に任せちゃいけないやつです」
「うん、その辺ちょっとデリケートだからやめようか! ボート漕ぐやつで普通に伝わるから!」
「そのオールがシャリでできてたら、これはもう完全にシャリオールですよね」
「ボートちっとも進まんがな! それどころか手はベッチャベチャだし池や川はおかゆ状態じゃがな! そもそもの話、酢飯はオールの形に成形できるのか!?」
「こまけぇこたぁいいんだよ」
「うわっ、某アスキーアートそっくりの顔しとる! 殴りたい!」
「じゃあ、シャリオールについての見解は『酢飯でできた櫂』で満場一致ってことで」
「満場一致っていう日本語の意味知っとる!? と声を大にしてツッコみたいのは山々じゃが、これ以上訳のわからん造語の考察が長引いても面倒じゃし、わしが大人になって黙ってやり過ごそう」
「先輩、脳内がダダ漏れですよ」
「……聞かなかったことにしてくれ」
「大胆な要求ですね……まあいいでしょう。あんパン1.5個で手を打ちます」
「テンゴってなんじゃテンゴって!」
「急に日○ネタぶち込まれましても……」
「おぬしが変なボケかますからじゃろ! なんじゃ1.5個って! そのテンゴはどう渡せばいいのじゃ! 半分こか!?」
「皮だけ渡してくれればいいですよ」
「逆に面倒くさいわ! というか、そこはせめてあんこの方じゃろ!?」
「だって、あんこだけ持ったら手がベッチャベチャになるじゃないですか」
「おぬしに皮だけ渡したわしの手もあんこでベッチャベチャになるんじゃが!?」
「さて。次の単語の考察に行きましょうか」
「おいこら変なとこで話切んな」
「次は順番的にカリオロイドですね」
「無視かい。一応わし先輩じゃぞ」
「この場合切り方はカリ・オ・ロイドだと思うんですよね」
「妙にフランス語っぽくなったのう」
「確かにカフェ・オ・レ感ありますね」
「いやわしにはちっとも感じられんが……」
「そうですか? カリオ・ロイドとかの方がしっくりきます?」
「正直に言うならもうカリオロイド自体がしっくりこない」
「なるほど……じゃあ、カリオ・ロイドで考えてみましょうか」
「何がなるほどだったのじゃ!?」
「カリオ……髭の配管工の親戚ですかね」
「確かに音は似とるが……人のもの借りパクしていきそうな嫌な名前じゃな」
「借り男……いや、ただのゲ○の常連客の可能性もありますよ」
「いや別にそこは重要ではないのじゃが!」
「となるとロイドが重要になりますね。ロイド……パッと思いつくのは人名ですかね」
「○オ常連客のロイドさんということか!?」
「うーん……面白みに欠けますね。考え直しましょう」
「ええ!? そういうシステムなのか!? 死ぬほど面倒くさい!」
「ところで、カリオロイドってなんとなくカリオストロに似てますよね」
「とんでもないものを盗んでいくのか!?」
「あなたのあんパンです」
「残った貴重な0.5個が盗まれた! でも別にとんでもないものではないしそのセリフでは感動できん!」
「怪盗というより窃盗ですしね」
「そんなル○ンは嫌じゃ!」
「そんなことよりカリオロイドですよ」
「気のせいじゃなければおぬしから始めた話題じゃったと思うが!?」
「カリオはやっぱりゲ○の常連客よりもツタ○の常連客の方がインパクトありますよね」
「え、ごめん、両者の違いが分からん」
「あ、いっそのことカリカリ梅偏愛男とかでもいいですよね」
「急にぶっ飛びすぎじゃ! しかも何故偏愛! 大好きとかではいかんのか!?」
「偏愛の方がインパクトあるじゃないですか」
「それは確かに!」
「きっと一日四食カリカリ梅なんですよ」
「一食どこから湧いてきた! おやつか、おやつなのか!?」
「おやつが一食に入るわけないじゃないですかJK」
「じゃあ夜食か!」
「夜食にカリカリ梅食べる人がいるわけないじゃないですかJK」
「それは人によるじゃろ!? あとさっきから語尾にJKつけるのやめろ! 人のことを属性で呼ぶな!」
「いえ、それは常識的に考えての意味で付け足したのであって、別に先輩のことを指してJKと言っていたわけではないのですが」
「紛らわしいわ! リアルJKの前でJKって連呼すんな!」
「僕は一体なんで怒られてるんでしょう……」
「そんなことよりさっさと考察を終わらせるのじゃ! 二ワード目でこの調子じゃと余裕で下校時間に間に合わん!」
「それは確かにそうですね。こんな馬鹿らしいことで帰るのが遅くなったらアホらしいですもんね」
「誰のせいでその馬鹿らしい会話が始まったと思っとる!」
「やっぱり問題はロイドですよね……人名以外だと、なんとなくロボットのイメージがあるのは僕だけですかね?」
「……それはもしかしなくてもド○イドのせいじゃないかの」
「なるほど確かに。じゃあ、カリオロイドのロイドはロボットを指してるってことでいいですかね」
「適当になってきたな……まあよい。その方が早く終わるじゃろうし」
「まとめると、カリオロイドは『カリカリ梅偏愛男のコピーロボット』といった感じですかね」
「あらゆるロボットの中で群を抜いて需要がないじゃろうな!」
「繋げて考えると、『シャリオールを持ったカリオロイド』は『酢飯でできた櫂を持ったカリカリ梅偏愛男のコピーロボット』になるわけですね」
「どんな絵師にいくら積んでも描いてもらえそうにないカオスな絵面じゃな!」
「僕なら一万円で請け負いますが、どうしますか?」
「いらんわ! そんなバケモノのイラスト化など望んどらんし、おぬしのマエケン並の画力に一万円は払わん!」
「マエケンを馬鹿にしないでください。良い曲たくさん作ってるんですよ」
「マエケン違いじゃ! わしが言っとるのはメジャーリーガーの方じゃ! あと、その人をマエケンと呼ぶ人はあまり見ないぞ!」
「じゃあ次、ケテロボエロいきますか」
「どの流れで先に進んどるのじゃ! ぶった切り過ぎじゃろ!」
「いつものように区切るとするならケテ・ロボ・エロですかね」
「なんか嫌な区切り方じゃな」
「じゃあ、ケ・テロ・ボ・エロですか?」
「そんな細切れにせんでも!」
「そうするとケテロボ・エロになりますけど」
「絶対エロ使いたいんか!? 頑なにそこ譲らないんか!?」
「え? なんのことですか?」
「いやとぼけてもバレバレじゃからな!?」
「文句ばっかり言って……。じゃあ、先輩ならどう区切るんですか?」
「えぇっ? 興味ないから微塵も考えてなかったのじゃ……」
「もっと真剣にやってくださいよ。これが終わらないと今日帰れないんですよ?」
「だから誰のせいじゃと!」
「仕方ないのでもう最初に言ったケテ・ロボ・エロで考えますよ」
「もうなんでもよいから早く終わらせてくれ」
「じゃあケテからですね。……ケテってなんですか?」
「知るかヴォケ! おぬしがそう区切ったんじゃろうが!」
「今ググったら、十三世紀にチンギス・ハンに仕えた人がケテって言うらしいです」
「じゃから!? その情報なにかに使えるのか!?」
「いえ全く。見つけたので言ってみただけです」
「そういう時間の無駄やめい!」
「ケテ、ケテ……蹴って、って感じですかね?」
「急にドM!?」
「ロボと繋げると、ドMロボということに……」
「その後さらにエロがつくんじゃが!?」
「変態ドMロボですか」
「やべえもんできあがっちまったな!」
「さっきまでとは違うシンプルなヤバさですね」
「やべえもん生み出してる自覚はあったんじゃな!」
「こうなってくるとルクドニアベロールは大事ですよ」
「変態ドMロボにされてしまっとるからな! 既に悲惨な運命が定められてしまっとるからな!」
「区切る場所はルクドニア・ベロールで異存ないですね?」
「……まあ、区切るならそこが一番しっくりはくるかの」
「ならまずはルクドニアですね」
「過去最高に意味がわからんな」
「なんかヨーロッパあたりにありそうな国名ですよね」
「ちょっと否定できない!」
「実は本当にあったりして」
「え。どうなんじゃろ……わしは世界地図には弱いのでわからん」
「じゃあ、ヨーロッパの首都ってどこだかわかります?」
「あー、なんじゃったっけ……ええと、ほらアレじゃ。バ◯テスで同じ問題を見たはずなのじゃ」
「正解はヨーロッパなんて国はないので首都なんかねえよヴォケ、です」
「っっっっっ!!! わわ、わかっとったし! ここここの後そうノリツッコミする予定じゃったし! というか口悪いな! わし先輩じゃぞ!」
「ヨーロッパの首都も即答できない人を先輩とは、ちょっと見れないです」
「正論を述べるな! 確かに、ってなっちゃうじゃろ! それより結局ルクドニアはどう解釈するのじゃ!?」
「勢いで誤魔化そうとしてるんですか?」
「それがわかっとるならごまかされとけ! わしの傷口をこれ以上えぐるな! 後であんぱん奢るから!」
「ルクドニアはヨーロッパとかにありそうな架空の国ということにしましょう」
「言っといてなんじゃが、おぬしあんぱんに弱すぎでは!? そんなにあんぱん好きなのか!?」
「毎週アンパ◯マン見る度に、無性に食べたくなるんですよね」
「それ見てあんぱん食いたくなるとか残酷じゃな! というかおぬし、その歳で毎週ア◯パンマン見とるのか!?」
「毎週リアルタイムのガチ勢ですよ」
「ある意味凄いな! ……いやちょっと待て、今のアン◯ンマンの放送時間って金曜の11時とかじゃなかったか!? 思いっきり平日の昼間じゃがどうやってリアルタイムで!? 授業はどうした!?」
「……気付いてしまいましたか、そのパラドックスに」
「なに横文字にして格好つけとるのじゃ! ただのサボりじゃろうが!」
「実を言うと録画したのを見てるので、リアタイガチ勢ではないんですよ。なので授業は受けてます。夢の中で」
「結局サボっとる! まだアンパンマ◯見てた方が幾分かマシだったかもしれん!」
「じゃあ来週からはアンパン◯ン見ますね」
「そういうことじゃないわ! 授業受けろ!」
「そんなお米食べろ、みたいに言われましても」
「偶然の一致じゃ! 存在するだけで日本の気温を上げる男のことなど微塵も意識しとらんわ!」
「それだけ否定を重ねるとツンデレみたいですよ」
「誰がCV釘宮◯恵じゃ!」
「その等式は極端じゃないですか? 確かに多いですが」
「というか、どこまで脱線する気じゃ! いよいよ本当に帰れなくなるわ!」
「先輩があんぱんの話題を広げたのがきっかけだったと思いますが」
「……(思い出し中)……あ、ホントじゃ。すまん」
「まったくもう。しっかりしてくださいよ」
「(おぬしに言われる筋合いは全くない、と言いたいが言うとまた面倒なことになるので必死に耐えている、の顔)」
「どうしたんですか先輩。そんな、カボチャを丸かじりしたら前歯が2、3本逝ったみたいな顔して」
「それは一体どんな顔じゃ! とりあえず今のわしの顔の比喩としては絶対間違っとると思うぞ!」
「じゃあ、残ったベロールについて考えますか」
「じゃから! 毎回! どんな流れで!」
「たまには先輩が先に意見出してくださいよ」
「えぇっ? 今世紀最大の無茶振りじゃ……」
「まだあと80年あるんであっさり更新されますよ」
「そういう問題ではないのじゃ!」
「ほら、早くしてくださいよ。この後にはシュクレンペット様が控えてるんですから」
「様ってなんじゃ!? おぬしの中でシュクレンペットはどういう存在なのじゃ!?」
「嫉妬ですか?」
「全っっっ然違うけど!? シュクレンペットとかいうわけわからんものに対する嫉妬なんて微塵も感じないけど!?」
「で、何か思いつきましたか? 時間はあげましたよ」
「ツッコまされてたせいでなんにも考えられてないんじゃが!?」
「そういう言い訳はいいので」
「言い訳じゃなくて事実じゃ! ええとほら、アレじゃ……ベロの長いモンスターみたいな! ベロール伯爵みたいな!」
「先輩…………」
「な、なんじゃ?」
「素晴らしいセンスじゃないですか」
「え、正解!? 今の正解じゃったの!? てっきり馬鹿にされる流れかと!」
「して欲しかったんですか?」
「違うわ! わしはドMではないわ!」
「ソフトMですか?」
「だからそういうことではない!」
「まあ、先輩の癖は置いておくとして」
「置いとくでない! きちんと否定しとるじゃろうが!」
「ベロールについては先輩の案を採用しましょう。なんかのRPGとかに出てそうですもんね、ベロール伯爵」
「う、うむ…………でも、変態ドMロボにされてしまうんじゃろ?」
「そうですね……あれは悲しい事件でした」
「まるで探偵かなにかのように呟いとるが、犯人はおぬしじゃからな!?」
「ということで、ルクドニアベロールは『ヨーロッパとかにありそうな架空の国に生息するベロの長いモンスターの伯爵』になりました」
「長っ! あと、別に伯爵は残さなくてもよくない!?」
「繋げると、『ケテロボエロにされたルクドニアベロールのベリーロール』は『変態ドMロボにされたヨーロッパとかにありそうな架空の国に生息するベロの長いモンスターの伯爵のベリーロール』という解釈になりました」
「もうとっちらかり過ぎてて意味がわからん! 大多数の脳細胞がエラーを起こして想像することさえ拒否しとる!」
「僕が文字に起こしましょうか?」
「文字に起こしてどうする! ただの奇怪な文章ができあがるだけじゃろうが! せめて絵に起こせ! いややっぱ起こさんでよい! SA○値が下がる!」
「伏せ字の位置が悪くてソー○アート・オンラインみたいになってますよ」
「なんの話じゃ!?」
「残すはシュクレンペット様だけですね、という話です」
「全然そんな話はしとらんかった気がするが!?」
「ところで、メインディッシュを頂く前に一つ聞いてもいいですか?」
「メイ……いや、もうツッコむまい。なんじゃ?」
「先輩って、なんか変わった話し方しますよね」
「……………………え、今!? おぬしと出会ってからもう一年以上経つけど、えっ、今更!?」
「やっぱりイ○ニア先生を意識してのことですか?」
「イー○ア先生はこんなにのじゃのじゃ言わんじゃろ!? ちょっと話し方の雰囲気が似とるだけで話し方自体は全然違うわ! というか、このネタ誰に通じるのじゃ!?」
「僕の先輩3人くらいには多分通じます」
「恐ろしくピンポイントじゃな! そんな狭いゾーン狙ってどうする! ミートGの強振か!」
「……え、ごめんなさい。どういう意味です?」
「なんでおぬしには野球ネタがことごとく通じんのじゃ!」
「そりゃあ、野球よりもクリケット派なので」
「クリケット!? 確かに野球と似とるし世界ではポピュラーなスポーツじゃが、日本ではマイナーじゃぞ!? ある意味すごいな!」
「当然です。英国紳士としてはね」
「うわ全然似とらん! 今すぐ謝れ、なんとか曜どうでしょうの人に謝れ!」
「もしかして先輩、曜日わからないんですか? 八曜のどれかなので、八択ですよ」
「いつの間に一週間は八日になった! わしの知らない間に何が足された!」
「日月火水木金土日雑ですよ。知らないんですか?」
「雑!? 雑ってなんじゃ!? 正真正銘初耳じゃぞ!?」
「だってほら、サンデーがあるならマガジンもないとダメじゃないですか」
「……雑誌!? もしかして雑誌の「雑」なのか!? ボケだとしても死ぬほどわかりづらいわ! あと、もしそれを当てはめた場合「雑用どうでしょう」になってしまうぞ!」
「急に面白くなさそうな番組になりましたね」
「というか脱線が激しすぎじゃ! 戻せ戻せ!」
「それもそうですね。というわけでクリケットの試合をよく見るんですけど、大体英語なので英語の勉強になるんですよ」
「中途半端なところに戻すな!」
「おかげでこの間の英語のテストも26点でした」
「ひっく! 全然英語できとらんではないか!」
「でも教室中の爆笑はかっさらいましたよ?」
「自慢げに言うところではないわ! どんな珍回答したんじゃ、おぬしは!」
「『Because he was so shame,he comes far.』っていう英文の和訳だったんですけどね」
「え、なにその構文。本当に高校レベルか? というか、英文としてあっとるのか?」
「僕の回答は『彼はとても写メだったので、たくさんのお米をコートのファーにくっつけた』だったんですけど、何故か教室中に晒されまして」
「それだけおたんちんな回答すればそりゃ晒されるわ! なんじゃそのツッコみどころしかない珍回答は! 日本語としてだいぶおかしいことに気付け!」
「いやでも、そういう英文だったので」
「違うわ! 写メも米もファーも出てこないわ! 安直な読み方すんな!」
「じゃあ、小休止も済んだのでそろそろメインディッシュを頂きましょう」
「今ののどこが小休止じゃ! わしずっと叫んどったぞ!? 微塵も休めてないんじゃが!?」
「シュクレンペットも今までに倣って区切って考えますか。区切るなら……シュクレ・ンペットですかね」
「急に区切るのド下手くそか! なんじゃンペットって! ンから始まる単語に区切るやつがあるか!」
「ンジャメナを馬鹿にするんですか?」
「チャドの首都を馬鹿にした覚えはない! 常識的に考えてその区切り方はないじゃろという話じゃ! おぬし、ンペットって単語の説明できるのか!?」
「別の区切り方に変えましょうか」
「手のひら返すの早いな!」
「候補としては、シュクレン・ペットか、シュク・レン・ペットあたりですかね」
「妥当な線じゃな」
「シュクレンよりはシュク・レンの方が考えやすいですか?」
「え、しらん」
「もっと協力的になってくださいよ」
「無茶を言うな! わしのやる気はもうとっくにゼロじゃ!」
「次回、蓮田沈没」
「そこは死すじゃないのか!? いやわし別に死なないけど! 沈没だと埼玉県某所が沈没するみたいで失礼じゃぞ! あと先輩のことを急に呼び捨てにするな!」
「ツッコミが渋滞してますよ」
「誰のせいじゃ誰の!」
「じゃあまあ、シュク・レン・ペットということで話を進めますよ」
「なんでもいいからわしを早くこの地獄から解放してくれ」
「まずはシュクからですね。無難なのは祝とか宿、あるいは縮あたりですかね」
「お祝いか、なんか宿ってるか、あるいは縮んどるかじゃな」
「祝。レンちゃんがペットに」
「レンちゃん誰!? ペットにされてしまった可哀想なレンちゃんは誰じゃ!? 鏡音か!?」
「蓮田の蓮って、レンって読みますよね」
「…………え、わし!? レンちゃんわしなの!? レンちゃんとか言われたの生まれて初めてなんじゃが!? というか誰がペットになるか!」
「お手」
「ワン! って誰がやるか!」
「我が右腕に宿りし煉獄の炎をペッと吐き出してくれよう」
「だっさい! 途中までいい感じの中二病だったのに最後が壊滅的にだっさい!」
「縮んだレンコンってペッと吐き出したくなりますよね」
「急に会話口調! しかもペットがさっきのやつと被っとる!」
「この三つならどれがしっくりきました?」
「え、どれも酷すぎて選べない」
「選んでください」
「えぇー……強いてあげるなら二番目かのう。最後ペッと吐き出さなければそれなりにまとまっとった気はするのじゃ」
「ペッと吐き出したら駄目ですか?」
「なんか汚いじゃろ! 普通に煉獄の炎をその身に宿したペットのケルベロスとかでよいではないか!」
「あ、格好いい。中二心に刺さります。それで行きましょう。シュクレンペットは『煉獄の炎をその身に宿したペットのケルベロス』ということで」
「こんなんでよいのか……? まあ、終わるならなんでもよいか」
「じゃあ改めて先輩。そこにシュクレンペットがあったとして、先輩ならどうしますか?」
「持て余すな! ケルベロスってだけでも持て余すのに、煉獄の炎を宿して口からボーボー炎を放たれたらとてつもなく持て余すな! 民間人の手に負える案件じゃないのじゃ! とりあえず保健所に電話じゃ!」
「連絡先そこであってます? 保健所の人も持て余しそうですけど」
「うるさい! 今日はもう終わりじゃろ! 無駄でカオスな時間を過ごさせおって! さっさと帰るのじゃ!」
「それもそうですね。じゃあ、明日はクシャノダンゲルオンに乗ったヴォロイヴァタコのキュケオーンについて考えましょう」
「もう堪忍して!!」