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初依頼は薬草採取? 6

 

 行ったな。

 倒してしまってはダメだが、ここまで鍛えた搦め手の数々を披露してやろう。

 感謝しろよアンタレス、お前が俺のはじめてだ。


「〈液状化(リクウィフェクション)〉」


 アンタレスの足元が液状化する。


 俺もニュースでしか見たことはないが、それでイメージは十分だ。

 埋め立て地とかで起こる現象だけど、まあそこは魔法の力ってやつ。

 世界の法則を無視できるから魔の法なんだ、そこら辺細かいことは魔法が解決してくれる。


 アンタレスは重心が傾き横転する。


 さてあと一押し。だてに地震の多い国の都会で過ごしてたわけじゃない。


「〈地盤沈下(サブシデンス)〉」


 アンタレスがいる場所が急に崩れ落ち、数メートルほど地下に落ちた。

 だいたい5メートルくらいに設定しといたから足止めとしては十分かな。


 どうだろうか、この地震災害シリーズ。

 〈土砂崩れ(ランドスライド)〉も残してあったんだけど、これ使うとトドメ刺しちゃうからな。

 まあ結果は上々。

 ハンスさんたちのところに行くか。



「いやー、なんとか足止めできました〜」


「うわー! すごいです!」


「よくやったわね、あれを相手に」


「よくやった」


「ハンスの言った通りだったな……疑ってすまなかった」


 みんながそれぞれ褒めてくれる。

 だが、ハンスだけはうしろを向いていた。


「ほらー、ハンス。お前の大事な後輩くんが戻ってきたぞー」


 ハンスが振り返り、そして、飛びついてきた。


「カズフミぃいいい! よく戻ってきたなあぁああ! よかったよぉおお!」


「せ、先輩!? どうしたんですか!?」


 バルドの話によると、ハンスは俺のことが心配でたまらなかったらしい。

 何度も助けに行こうとしたのをバルドや、ソリッドが抑え込むのが大変だったそうだ。


 ……こんないい先輩がいるだろうか。


「まあ、なんだ。みっともねえとこ見せちまったが、とりあえず、戻ってきてよかったぜ」


「ありがとうございます」


 フレイがこちらへやってきた。


「こっちも魔力の回復は終わったわ。ありがとね」


「それじゃあ行くとするか」


 バルドが宣言する。

 そして俺らは再びアンタレスのいる階層に戻った。



「あん? いなくなってるだと?」


 ソリッドの報告にバルドが眉をひそめる。

 もう一度解散してアンタレスを捜索したが、この階層にいる気配がない。


「知らないうちに結構削ってたのかもよ?」


「そうかもしれませんねー!」


 ………絶対俺のせいだぁぁぁ!


 ハンスとアイリスは呑気にそんなことを言っているのを尻目に、俺はやり過ぎたことを自覚していた。


 どうにかしないと怪しまれるな。

 ここはハンスとアイリスに便乗しておくべき。


「いやしかし、奴が後退するのは損傷がだいたいだが、70%以上になったときだ。さすがに俺らがそれだけのダメージを与えたとは……」


 くっそ、HPゲージもないくせにそういうシステム的なとこあるのかよ!


「と、とりあえず、アンタレスを倒してからってことでいいじゃないですか!」


「俺もそう思う」


 ただお茶を濁しただけなのになぜか、ソリッドを味方につけた。

 ラッキーなことがあるものだ。


「そうね、とりあえず次の階層に進みましょう」


 フレイもうんうんと、頷きながら同意する。

 それに合わせて、2つのお山もプルプルと同意する。

 君たちが味方してくれるなら百人力だよ。


「そうだぜバルド、次行こうぜ!」


「いや、それはいいんだが、次の階層から天然のトラップがフィールドに出現するんだよなあ。どうせならここで仕留めたかったな」


 トラップか。

 ダンジョンらしさがやっと出てくるわけだ。


「トラップってどんなのがあるんですか?」


「うーん、そうねえ。森だとだいたい踏んだら状態異常になるトラップとか、あとモンスターの巣を刺激するトラップとかかしらね」


「あーあと、踏んだら深層に転移するトラップがありますー!」


 話によると基本的にどのトラップも迷宮のものに比べると比較的安全で、即死する系のものはないらしい。ただ深層に転移するものは初心者にとっては命取りで深層にいくほどモンスターが強くなるので、それだけは気をつけた方がいいそうだ。


「まあアンタレスから逃げられたカズフミなら、深層でもやってけそうだけどな!」


 まあ別にやれるだろうけど、まだ群れでくるモンスターに遭遇していないからそこだけ心配だ。

 はやめにいろいろ経験を積んでおきたい。


 ところで、パーティで行動しているからあまり動けないが、アルエラ草の採取を忘れてはいけない。

 歩いてる途中にあったアルエラ草6本はちゃんと採取しておいた。



「さて、ここを抜ければ第5層。中間層に差し掛かるぞ」


「カズフミは中間層は初めてだったよな?」


「はい、そうです」


 まあそもそも自然のダンジョンが今日初めてなんだが、それを言ってもしょうがない。

 リジェルの作った人工ダンジョンはこんなにいろんな要素は詰め込まれてなかったから、俺は結構ワクワクしている。


「じゃあ進むぞ」


 俺らは中間層へ足を踏み入れた。




 ――――――――――――――――――――――――



 アルエラ草、目標まであと10本

 討伐対象、アンタレス1体


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