表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/31

第6話夜と朝のハイバーチューン その1

山羊肉を堪能した2人は、腹ごなしに散歩を。気になる市場の先には、ホテルにも通じるハイバーチューン通りにぶつかった。

夜と朝のハイバーチューン



ヤギ肉料理の店を出た店長と料理長は、腹ごなしに町歩きをする事にした。

店を出てしばらく歩くと、市場のような建物の前で、BUN―BO―HUEと書かれた看板の屋台が並んでいた。(後にこの市場は、タンディン市場と判明)まだ営業しているので非常に気になるものの、ヤギ肉を堪能した後だけにどうする事もできず、諦めて歩くと、大きな通りに遭遇した。


その通りの名前は、“ハイバーチューン通り”

ベトナムの各都市には、歴史上の英雄の名前を通りにすることが通例で、過去の王朝であるレ朝のレロイやレタントン、あるいは比較的新しいフエの阮朝のハムギー帝の名前などが良く使われている。

このハイバーチューンも元をただせば、古代(後漢時代)、中国支配からの脱却を図るために徴姉妹ハイバーチューンが反乱を起したことで、ベトナム人からは英雄視され、通りの名前にも使用されているのだった。(反乱の結果は失敗する)

この通りをまっすぐ進めば見慣れたホーチミン(HCM)の中心部に出る事がわかっていたので、体力が続く限り歩いてみようという事になった。

料理長は、中心部に近いレタントンの通りの方向を近くにいる人に尋ね、その方角に向かって歩き出す。

しばらく歩くと、バインセオ専門店の入口へ。

その方向へ向かい、バインセオの手つきを再確認しようと向かったが、店自体は営業していたものの、既に焼き終わっている様子だったので、確認できずに引き上げる事になった。


途中の裁縫屋さんに、料理長が日本から持ってきた服の修正を依頼したが、これはあっさり断られてしまった。アオザイは専門業者で無いと難しいらしい。

ハイバーチューン通りに戻って、再び歩き始める。右手に大聖堂が見え、やがてすぐ横は、大きな公園が目に入ってきた。

この公園は、さきほどタクシーで降りた、“レヴァンタム公園”この時間になると散歩をしている人が少なくなっていたが、かわりにバイクの上に跨っている多くのカップルの2人の世界に入っている光景が、嫌と言うほど目に焼きつくのだった。


公園からさらに歩き続けると、やがてネオンの光輝く建物が鳴りを潜め、やや薄暗い雰囲気になってきた。

その光景を見て「なんとなくもう近くかなあ」と店長は思ったが、これは、7・8回裏切られる結果となった。

ようやく馴染みのレタントン通りに到達するまで、結局30分以上かかった。

急ぎでは無いのでゆっくり歩いている事もあるものの、道路が以前よりは綺麗と言いながらも日本と比べると歩きにくい。

さらに、あちらこちらに障害物の存在も気になった。

障害物は駐車している車やバイクであったり、屋台や、そこに集う人達など様々・・・・。


その上、昼間より涼しくなったとはいえ、湿気の強い生ぬるい風が吹き付けると、自然と汗を体から放出させてしまい、どうしても歩くスピードが緩くなる。


とりあえず、レタントン通りの交差したところを左に曲がる。

昔は、このレタントン通りにあるミニホテル“DUDU”を定宿としていたため、どうしても馴染みがある。

しかし、前回くらいから宿のエリアが変わったが、やはり一度は様子を見てみたいという事で、日本人街ともいえるこの通りを歩くことにした。

しばらくして現れた日本料理のお店は、今までベトナムにあった店とは一味違っていた。

普通なら、日本人同士の接待や重要な商談などをするため?なのか、障子などをつかって、決して中の様子が見られなかった。

だが、この店はベトナムの日本料理店の常識を覆す、ガラス張りで全て中が見えるようになっていた。

一見、日本のどこにでもあるような居酒屋のような雰囲気に、時の流れを感じざるを得なかった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ