第27話 最終日の楽しみはお買い物 その2
タイでの最後の買い付けはやはりビックC
あれだけたくさん買い込んだのにも関わらず
やはりたらないものが出てくる。
しかし、タイムリミットが来て、いよいよ空港に
向けて出発するのだった。
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2人が普段拠点としている日本の大阪でも、大国町駅前にある木津卸市場内にあるカレーうどんのお店は、味・ボリュームとも満点で、年に1・2度はそれを食べるために休日早起きをする事もあるくらいの旨さである。
昨年、東京の築地市場で食べた定食も美味しかったし、数年前に大阪の中央市場でも、まだ、日が暗いうちに食べた定食の味も忘れられない。
それだけ、大きな市場には旨いものが揃っているんだと、国を問わずして感じた瞬間でもあった。
あっという間に平らげ、ふと前を見ると、寸胴鍋のおかずが半分を切る位にまで減っていたが、すぐにどこからか追加され、また量が増えて言った。
それを見ている間も、ひたすら料理を提供する従業員たち。
最終日にタイの屋台料理の原点を見た気分になるのだった。
清算も100Bを切る値段で安心したが、どうやら金額が間違っていたらしく、清算をした若者を先ほどの責任者の方が叱っていた。
すると、申し訳なさそうにもう少し釣りが帰ってきた。
外国人相手なら、ぼったくりは当たり前なのに、逆に釣りを返してれるという行為に少し感動してしまうのだった。
店長を店の前の邪魔にならないところに立たせて、料理長は写真を取り捲る。
10分くらい取り捲って、今後の料理を作る上での勉強になるということで、満足状態で時計を見ると午前10時少し前。
「ちょうどいい時間だ」と2人はタクシーを拾い、いつも歩いたBTSチットロム駅近くのスーパーマーケット“ビックC”を目指した。
タクシーは、一方通行の関係か、渋滞の関係か、果てまた外国人から少し料金を巻き上げようと思ったのか、少し大回りしているように感じた。
だが、もはや怒りは無かった。むしろ、ファランボーン駅(タイ国鉄のバンコク中央駅)近くの古い街並みが見れたり、今までの定宿で今回は行く事がなかったMBKというショッピングセンターの前を通る事ができ、
今回は「見るだけ」ということで勝手に納得し、BTSチットロムの駅前にタクシーは止まった。
陸橋を越え、“ビックC”の中に入った。
このスーパーマーケットは研修の最終日に必ずと言っていいほど立ち寄るところで、今までの買付けでは買えなかったものを、まとめてここで買って帰るのであった。
2階と3階が売り場になっていて、まずは3階から攻める。結局見つからなかった飾り切りの包丁はここであっさり見つかり、気になるCDも漁る。今回は今までと違いタイTVを普段見ているので、CDの選び方も一味違う。
次に、2階に行き調味料類などを見て回る。
必要なものは次々とカートに入れ、気が付いた時にはカートの中にたくさんのものが入ってあった。
あれだけいろいろ買付けをしても、まだ買い足りないものがある。
そういう意味でもこの“ビックC”の存在は非常に大きいのであった。
清算をクレジットカードであっさり済ませると、宿に戻る。
荷物が多いのでタクシーを使い、宿に戻ったかと思うと、すぐに部屋に入って荷造りを行う。
飾り切り包丁などを買ったので、機内に預ける荷物と持ち込む荷物を分類に余念が無い。
タイムリミットが来てしまった。
ついにタイを離れる時が来て少し寂しいがやむをえない。
チェックアウト時にちょっとしたトラブルがあった。実は枕カバーが汚れているという事で、別途請求が回ってきたのであった。
今までそのような経験が皆無だっただけにその紙を見た昨夜は怒りを感じたが、それ以上にシャワーがうまく使えないというトラブルがあって、2回も直しに着てもらっていたこともあったので、その事をクレームとして伝えた。
結果として、支払ったものの、非常に後味が悪い結果となり、ツアー利用の場合のややこしさを感じてしまうのだった。
(後日、ツアー会社にクレームをつける)
チェックアウトを終えると、お迎えのガイドが待っていた。行きの人とは全く別の人であった。
そつなく荷物を入れ、宿を後にして特に何事も無かったかのごとく車が空港へ突き進む。
空港到着後、チケットのチェックインをしてもらうと、ほとんど会話も無いままにガイドと別れるのだった。