第23話 休日はタリンチャン水上マーケット その4
夕方になり、タリンチャン水上マーケットからバンコク市内に戻る。宿の近くにありながら、今まで素通りだった、インドラスクエアにも立ち寄るのだった。
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ボートは猛スピードをあげ、元の船着場に戻ってきた。
下船後、先ほどのガイドさんと記念撮影。
その後、船着場の人から最初に2人を撮った記念の写真盾を99Bで売ってきた。
記念になるのでそれも購入。
帰る前に一息つこうということで、ビールを飲む。店員は大学生あたりのアルバイトが数人いて、客がいない時は楽しそうに遊んでいた。
最後に料理長がトイレに行ったので、店長が待っていると、どこかで聞いたことのある曲が流れる。
そこまでは今までよくあることなので気にならなかったが、歌い始めた声が子供だったので、思わずそちらのほうに目をやると、小学生くらい子供が一人で、ステージ上で歌っていた。
さらに、それを見た何人かのお客さんが、
20B紙幣をその子供に手渡していく。
その光景は、日本で見ているタイの歌謡番組で、歌手がファンからいろいろなものを貰う情景そっくりだったので、「小さいうちからやるなあ」と感心してしまった。
その子供はもう1曲。これも馴染みの曲で同じようにお金が手渡されていった。
その曲が終わって子供がステージから去っていくのを見届けると、タリンチャン水上マーケットを後にするのだった。
バス乗り場は、比較的わかりやすかった。
既に待っている人が、何人かいたからであった。
5分ほど待っていたが、その間でも赤いソンテウがうろうろと走っていた。
「近いけど、バンコクとは違うね」
料理長はそうつぶやいた。
やがてバスが到着。
帰り際に「イセタン」と言ったが、車掌は意味がわからず「ハア?」と言う表情。
しばらくの押し問答の後、「ビックC」と言うと、ようやくわかったらしく。
行きと同じ1人18Bの切符を渡してくれるのだった。
バスは来た道を軽快に走り、チャオプラヤー川の橋を渡っていく。
ところが、中心部に近づくに従いバスの動きが鈍くなる。
バンコク名物の渋滞のようであった。
「ここはゆっくり帰れればいい」と店長は思ったが、料理長は横で居眠りをしていた。
予定より、10分程度の遅れで無事にビックCの道路を挟んだ前である、行きと同じイセタンの前へ。
土曜日の夕方のためか、特設ステージで何かを始めるらしく、芸能人のような男性が中継で何かをしゃべっていた。
その隣では栄養ドリンクの無料の試飲の提供があったのでそれを貰って飲む。
ついでに少しイセタンも見学するのだった。
ホテルへの戻り際、今まで入る機会が無かったインドラスクエアへ。
ここは、老舗の“インドラリージェントホテル バンコク”併設のショッピングセンターで、今回の宿に向かうための目印になるところだったので気になったものの、今まで入る機会に恵まれなかった。
最初は間違えて、ホテルの入口に入ってしまったが、一旦外に出て入りなおすと、プラトゥーナムとは一味違ったお店が並んでいた。
何店かを見学し、店長のズボンを購入。
そのまま、一旦宿に戻るのだった。