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第22話 休日はタリンチャン水上マーケット その3

タリンチャン水上マーケットのボートツアーには

日本語が少しわかるガイドが乗っていた。

ボートは、細い運河の中にも入って行き、ジャングルのようなところもあるのだった。


最初は、新鮮なのでいろいろ見渡したが、

やがて、飽きと食後の満腹感から思わず睡魔が襲ってきた。

ウトウト眠るのもまた休日らしくて楽しい。


30分位して、最初の休憩ポイントに到着。

直前に、日本人がいる事にガイドが気づいたらしく、突然知っているだけの日本語を浴びせてきた。2人は笑うしかなかったが、

ガイドは待ち時間の事が気になったのだろう。

ボートから降りたばかりの店長の腕をいきなりつかむと、時計を見せながら、「ハイ、コノジカンマデネ」と念を押されてしまった。


他の観光客とは違うトイレに向かう2人。

その為、途中から迷ってしまった。

後から、オーキッド(蘭)ファームがあったようだったが、とにかく食べ物しか興味の無い料理長はどうでも良かったようだ。

それよりも、食堂と屋台があったので、そちらのほうがとにかく気になるらしい。

店長は、それよりも暑かったので、コーラを飲む事にした。

コーラは瓶詰めであるが、これぞ“アジア”という形で、ビニール袋に細かい氷を詰め、コーラをそこに入れ、ストローをさして渡された。

早くしないと袋が破れて漏れそうだったので、店長はやや急いで飲むのだった。


休憩も終わり、ボートに再び乗り込むと、

しばらくして動き出した。

今度は目も完全に覚めていた。

このあたりは、ややジャングルのようになっていて、小さな運河が細かく張り巡らされていた。


思わず、7年位前にベトナムで体験した、“メコンデルタ”ツアーを思い出す。

確かに似ているが、大きく違うのは、水の色だった。

メコンのほうは赤茶色してにごっているのに対してこちらは無色透明であった。


それでも、地元の人が小さな船で行きかったり、子供が水遊びをするのを見ると、大都会バンコクの近くにまだこんなところがあるんだなと感心してしまった。


やがて、船は次のところへ到着。

ここは、ワットがあり目の前に寺院もあった。

料理長はタイ式に拝みたいという事で、

一人試みたが、なにぶん体が固くてぎこちなく見えてしまった。


トイレがあったので、ここでもトイレ休憩。

ふと横に目をやると、黒い犬が昼寝を楽しんでいた。

暑いためか?全く動かないが、よく見ると横隔膜が動いていて明らかに呼吸をしているので、生きているのは間違いない。

恐らく夕方になると活動を開始するのだろうが・・・。

ボートのほうに戻ろうとすると、とある屋台の前でガイドと遭遇。

屋台の人と知り合いなのか、ここのものを買えという。

2人は余り興味が無かったので、笑顔で誤魔かしたが、突然「チョットマテ」と言い出した。

よく覚えられている日本語であるが、その直後に屋台の人が「チョットマッテクダサイ」と丁寧語調で言ってきた。

どうやら屋台の人のほうが、日本語が出来るように感じた。


時間が来たので、ガイドと一緒にボートに戻る。

このときは、少し遅れてくる人もいたが、やがて予定通りにボートが動き出す。

女性ガイドは盛り上げるためか、タイの歌を歌いだしたりしていた。

10分ほどでボートが止まった。

ガイドが「プラープラー」と叫んでいた。その後は日本語で「サカナ、テラ、サカナ」と言う。

良くわからなかったが、ここで降りるわけではなかったらしい。

岸辺からパンのようなものを持ってきたかと思うと、他の乗船客がこぞって20B程度で買っていく。

するといっせいにそのパンをちぎって川に投げると、先ほどの、なまずの頭をした魚が、いきなり争奪戦を開始。

身近で見る事ができたので迫力満点。

この時、先ほどは「バーゲン」を連想したが、どうやら違っていた。

恐らく、節分などで、壇上から有名人が投げるものを皆が競って取り合う光景に近いような気がするのだった。

餌やりも一通り終わると、ボートは再び動き出す。もう一度別の場所に止まった。


そこでは、竹筒に入ったごはんのようなものが売られていて、何人かの乗船客が買うのだった。


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