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第21話 休日はタリンチャン水上マーケット その2

バスに乗る事40分でタリンチャン水上マーケットに到着。大都会バンコクからそんなに離れていないのにそこは、明らかに違う世界のように感じるのだった。


バス内の強力な冷房で、汗も収まり車窓から街の風景を眺める。

見慣れた風景から離れるものの、ローカルな市場のようなものを見つけるなど、見ているだけで飽きない。

しばらく進むと、チャオプラヤー川に近づいたのか大きなワットや政府関係の建物が見えてきた。

「カオサン通りの近くね」料理長がつぶやく。

そうしているうちに、チャオプラヤー川にかかる橋を渡り、トンブリー地区に到達した。

橋を渡っている間、店長は2日前に見た“ワットアルン”が見えるか探して見たが、これは都市部でも蛇行が激しい川の角度の関係で見る事ができなかった。

トンブリー地区に入り、徐々にローカルさが増してきた。バンコク市街ではまずお目にかかれない“ソンテウ(トラックの荷台に人が乗れるようになっているミニバス)”の姿が見られるようになってきた。


やがて、車掌が「タリンチャン!」と言う声が聞こえ、バスが止まった。

すると、この時、車内にいた大半のタイ人のほとんどがここで下車していく。

皆、タリンチャンに遊びに来ているのだった。


タイ人たちの後についていくと、両端にみやげ物屋や屋台が軒を連ねていて、既に気持ちが高揚し始めた。

水上マーケットの入口を少し進むと、運河沿いに簡易の食堂が出来ていて、そこでエビなどを食べている人たちで溢れかえっていた。

「先にボートのチケット売り場を探そう」

2人は、ここのボートのツアーが気になって、絶対にそれに乗ろうと心に決めていたので、チケット売り場を探すが良くわからない。

戻ってきたボートを岸に近づける作業をしている人に聞いて、ようやく売り場を見つけると、1人99バーツでチケットを購入。

約1時間30分後の12時30分出発のボートであった。

その間に、食事を採ろうということで、運河の食堂に向かった。

他のお客さんが食べているのを見ると、大きな手長エビと魚であったので、それを購入。

エビが数匹入っていて100B、魚は120Bであった。

テーブルに、「10B」と書かれてあり、席料が取られるのかと思ったが、どうやらここのものを注文すれば問題ないらしい。

ここは、エビと魚の食堂のようだったが、その他のおかずの食堂もあるので、持ち込んだりすると席料がかかるらしい。

魚は、“バイトゥーイ”という葉を魚の口から挟み込み、塩だけの味付けで焼いたもの。

バイトゥーイのせいなのか、臭みが全く無く、塩味が聞いて美味しい。

エビも同様に美味しく、思わず手の先の肉まで食べてしまった。

少しして落ち着くと、料理長が撮影を始めた。

テーブルは、岸に固定された金属の筏の中にあり、その周りに小船(これも固定)に乗っている料理人たちが料理を作り続け、注文が入ればそれを渡すような形式。

魚やエビのほかにカニや鶏肉を小さく焼いた焼鳥。あるいは麺を出しているところもあった。

しかし、どうやら魚が名物のようであった。

頭がなまずの形をしていて平べったいが、胴体は鯉か鮒のような形になっていた。

(いろいろ調べると、なまずの一種らしい)

この運河に生息する魚を焼いているようであった。

岸辺からパンのような餌を与えると、魚が異常なまでに競ってその餌を取り合う。あたかもバーゲンで服の取り合いをしているかのごとく・・・。


出発の時間が近づいてきたので、ボート乗り場の近くへ。かき氷が売られていたので、

それを食べながら待っていると、

突然大きな音が、上のほうから聞こえたかと思うと、斜め上の鉄橋に鉄道が走っていた。

位置的には、マレー鉄道に繋がっているところかもしれない。

もしそうだとしたら遠くシンガーポールまで繋がっているという事になり、想像するだけで楽しみが増大する。


しかしそんな事は恐らく知らないだろう。

鉄橋の下では、太いロープが吊るされ、地元の子供が、ロープで遊びながら川に飛び込んで水遊びを楽しんでいるのだった。


やがて、時間になりボートに乗り込む。

店長と料理長の2人は、定期運航しているボートにタイ人の方々と一緒に乗り込んだが、

欧米人は、そういう行動が嫌いなのか、ボートを貸し切る人が多い。

ファミリーで貸しきるならともかく、中には一人で貸し切る人もいて、文化の違いを強く感じるのだった。


ボートは動き出したかと思うと、全速で駆け抜けていく。

灼熱の暑さもこのスピードのおかげで風と水しぶきがあたって幾分か涼を感じる。

ボートには女性ガイドがいて、時折みんなの笑い声も聞こえるが、基本的にタイ語なので何を言っているのかまったくわからない。

ただ、ひたすら何かを説明し続けているが、2人は、ボートから見える両岸の生活臭が漂う家々を見るだけで十分であった。

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