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第14話 「新旧市場対決」その1

バンコクの2日目は、朝から卸市場のクロントゥーイへ。バンコクの胃袋と言えるところに向かった。


翌日も早朝から行動を開始した。

6時20分起床。30分後には宿を出発。

この日は、この研修の中でも重要なミッションである“買い付け”の日であった。


まだ、朝の7時なのに宿の近くのプラトゥーナム市場周辺には、多くの服を販売する屋台が出回っていた。

屋台の服を見ながら、小腹が空いたので売られていたおやつを購入。中々美味であった。

そのまま、BTSのチットロム駅まで歩き、BTS乗り込んで、プロンポン駅まで行ってから、タクシーに乗り込んだ。

目的は、クロントゥーイ市場。

バンコクの胃袋を支える卸売市場で、その市場の先には港(海ではなくチャオプラヤー川沿い)もある食材の集積基地ともいえるところであった。

しかし、ここでも運転手に上手く伝わらない。

ひたすら首をかしげて戸惑う運転手に、料理長が5分くらい格闘して、ようやく地下鉄の駅名である“クロントゥーイ”のタイ語表記を見せると、ようやくわかってくれたらしく、

運転手の晴れやかな表情のごとく軽快に車が走り出した。

クロントゥーイのアクセントが違ったのが原因であるが、やはりタイ語の勉強をもっとしないといけないものだとつくづく感じてしまう。


10数分で、市場の前に到着。

陸橋を越え、中に入っていくと、多くの人とたくさんの店が賑やかに生鮮の販売をしていた。

ベトナムのタンディン市場の生鮮売り場もすごかったが、ここは規模が違う。

一つ一つ見出すとキリがないので、適当に飛ばしながら歩いていく。

生鮮は魚介類をはじめ、多くの野菜類が売られていたが、普段高く買っているタイ食材がどれも異常に安い。

当たり前といえばそれまでであるが、それを買うこともできず、ただ見るだけの辛さは、いつも考えさせられてしまう。


床が水浸しだらけの、生鮮売り場を一通り

見学を終えると、市場内の食堂で朝食をとることになった。


どの店がいいのか迷ったが、ここは料理長の直感が活きる。

なにしろ料理長のうまいものを見つける能力は、単なる「いやしい」とかそんなレベルではない。

たとえ有名なガイドブックやグルメ雑誌に載っている店でも、あまり乗り気ではない店に入ると、予想通り期待はずれの結果に終わる。


逆に、そのようなものに紹介されなくても、料理長にしかわからない“匂い”を感じるお店にいくと、非常に高い確率でヒットする事が多く、満足して帰る事が多い。


本人曰く「自分で不味い者は食べることができないので、美味いものしか作らない」とのこと。

それが実現できるのも素晴らしいが、

あるTV関係者からは、「黄金の舌」などとも評されるほどであった。


その料理長の“直感”で入ったところは、

内臓料理を出すお店。

注文したのは、モツのスープであったが、一つは、上手く通じなかったのか、モツのお粥が登場した。

まあ、おなかが空いていたので、深く考えずに頂く。

沢山の部位のモツが、一緒に来た“蓮華”よりもはるかに大きいサイズで入っている。

香草が入っているためか、臭みも感じることはなかった。

味は、空腹のせいもあるのだろうか、とにかく美味い。

特にお粥のほうは無意識のうちに、どんどん口から胃を目指して食材を流し込む作業を繰り返してしまった。

少しして、ようやく落ち着くと、料理長は「もつ料理を増やすために仕入先を考えないと」とつぶやいた。

昨日のフォー麺にせよ、昨夜のカオマンガイにせよ、こんなに内臓を使った料理が実は屋台料理では豊富にあることに気づいたわけである。

「だが、果たしてそのままこれをメニューに加えて、お客さんがどう反応するだろうか・・・?」店長は少し考え込んだ。


「もつ鍋が再び脚光を浴びてきているので、面白いかもしれないよ」料理長は乗り気であった。


きれいに完食して、お金を払うと

2つで80B(240円)やはり安い!

腹ごしらえを終え、別のエリアを歩くと、厨房機器が売られているお店があった。

いろいろなものが揃っていたが、この後、買い付けの本番が待ち構えているので、ここでは見るだけということで、最終日の朝にもう一度来る事とし、店のネームカードだけ頂いた。

中華系の方が経営されているらしく、表と裏はそれぞれ漢字表記とタイ語表記。

特にタイ語表記のほうは、タクシーの運転手に見せる事ができるので、なんとなく嬉しかった。


道路を隔てた反対側も賑わっているようであったが、時間の関係で、最終日に行く事とし、次の目的地である、ハイパーマーケット“マクロ”に向かう事になった。


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