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ラブコメって!パラレルった?コスプレ部☆  作者: フォーシーズンス
 第四章 〜【冬コス】異世界からの訪問者編
64/102

 二十☆【前編(上)】ねむりひめ……。

 第四章OP詩  Present


この両手に抱えきれない‬

君の何かがあったとしても‬


たった一つの大切なモノを贈るよ‬


空いた隙間から零れないように‬

それで塞いでほしいんだ‬


きっと結構心地いいモノだと思うんだ‬




どうして私達は言葉を優先してしまうんだろう

笑顔を作ることを慣れているから?


会話でもなく目にも見えないモノで

伝え合えないものかな


君も私も直ぐに強がってしまうから




君の両手に抱えきれない

私の何かがあったとしたら


君は離れて行ってしまうかな…


だから隙間から零れないように

私達は本音を塞ぐんだ

でも君となら上手くやって行けると……


そう思えるんだ



どこかで拾った素敵なそれは‬

君に贈る為の物だったと‬……


今ならそう思えるんだ‬

 柚葉の眠る病室にて……。


 柚葉が倒れてからコウは柚葉が入院をしている病院へ毎日足を運んだ。原因不明と診察されてからずっと引っかかっていることがあった。柚葉が倒れる前に何か違和感がなかったか、なゆりに聞いたが、特に気付いたことはなかったようだ。柚葉が倒れ、なゆりは自分を責め始めていた。柚葉が入院している部屋のベッドの側にいるコウとなゆり。


「私……どうしたらいいんだろう。折角仲良くなれたと思っていたのに……しおんは無理をしていたのかな。苦しかったのかな……ねえ。桐宮くん……」

「きっと無理なんかしていなかった。だから柊は自分を責めることはない」

「でも、じゃあどうして起きてくれないの?」

「今、色々と考えていたところだ。何か理由がありそうだな……」


 コンコンとノックをする音が聞こえた。「どうぞ」と答えたコウ。扉を開き泰斗が「よう」と簡単に挨拶をして入ってきた。泰斗がどちらともなく声を掛ける。


「柚葉はまだ起きないのか?」

「ああ」

「もう四日目か……」

「ねえ。泰斗くん」

「ん?」

「このまましおん起きなかったら私……」

「そんなわけないだろう。寝すぎだ。そんなのは俺が許さない」

「でも……これってただ寝てるだけではないよね?四日なんておかしいよ!」

「ああ……わかってる」


 泰斗がパイプ椅子の背もたれに向かい座る。背もたれに顎を乗せ柚葉を見ながら考えている……

 しばらくの間沈黙が続いた後、泰斗がコウを呼んだ。


「おいコウ。ちょっと外へいかないか?」

「ああ。ちょうど何か飲みたかったところだ。柊は何かいるか?」

「私は大丈夫……」

「わかった。柊。自分を責めるなよ。おれ達が必ずなんとかするから。大丈夫だ」

「うん……」


 そう言って部屋を出て階段を降り、病院の自動扉を越え外に出た。喫煙所に並ぶ自動販売機の前に来た二人。コウが泰斗へ本音を漏らす。


「とは言っても手がかりなしじゃなぁ。どうしよ。まじで……」

「だな」

「気持ちをリフレッシュさせないといい案も浮かばんだろ」


 コウが飲み物を選んでいるその時、泰斗は目の前の光景を疑った……


 小さめだがコウモリのような翼を持ち、人の形をしているがその体長は人の手の平程の大きさで約二十センチと言ったところだろうか。ゆるくパーマのかかったピンク色の髪に尻尾を生やし黒い服を着た生物。性別があるとしたら女性のようだ。そんな小さな生物が腰に手を当てちょっとオコでこっちを見ている。

 泰斗はこのあり得ない光景を確認し始めた。


「おいコウ。おれの目の前にある自販機の辺りに何か気になる物とかないか?」

「なんだその回りくどいと言うか意味深な言い回しは。自販機?あー。見たこと無いデザインのジュースでもあったのか?」


 コウの目の前をパタパタと浮かんでいるその生物越しに、コウが自販機の飲み物を色々と見定めている。泰斗の憶測が確信に変わったその時。


「ルシー様っ!こんなあほあほ人間なんかと一緒に何をされてるのですかぁ!あんまり放置されたらいっくら心の広い大人女子代表のこのリーシャも怒りますわよっ!一刻も早く戻らねば魔界の門も閉じてしまうやも知れません……ですのでできる子のリーシャはルシー様が監視をしていたあのにっくき女が危険を犯す前に眠らせておきました!なのでいい子いい子をして褒めて頂くレベルだと思います。聞いているのですか?ルシー様っ!!」

「何だ?お前?喋れるのか?女……?」


 泰斗は小さな生物が話し掛けてきたことに驚き、泰斗はびっくり顔でその生物を見つめながら告げた。その生物の後ろにいたコウが応える。コウにはその生物の声が聞こえていないようだ。


「おい!びっくり顔で寄り目になったとしてもおれの心は泰斗なんかにキュン死なないし、喋れるも何も今まで何度も何度も面白トークをお前に浴びせてきただろ?……因みにおれはかわいいかもしれんが女ではない」


 多少面白い返しをした感でどや顔のコウ。自信が無いのか自画自賛でうんうんと頷いている。だが泰斗はその黒い生物の言葉を脳裏に繰り返し、その言葉の意味を深く考えていた為にコウは放置されている状態になる。


「ルシー様っ!散々一緒に語り尽くせぬ夜を過ごしてきたではないですか!あーっ!!さてはそうやって!女の子の気を引く作戦ですね!お戯れが過ぎますっ!城へ戻りましょう!ルシー様っ!!」

「やかましいな。城とはどこのことだ?」

「いつもの根城ですっ!私達の愛の巣ですぅ!森の中のあの古城のことに決まってますぅー!」


「ぬおおおぉぉ!泰斗がぁ!泰斗がぁ……」


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