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勇者諜報員(仮)の黙示録  作者:
第1章 勇者誕生
33/135

暗黒世界事情

 場所は飛んで暗黒世界の話となります。

 ルーシュ周りの話から一転して、ダンタリウス周りの話となります。基本はルーシュ周り(諜報員の黙示録なので)ですが、今後はこういうケースも増えるかと。

 暗黒世界の中央に聳える魔王城。

 ルーシュによって書かれた報告書はダンタリウスによって届けられていた。

 届けられた先は魔王ルシフォーンの妹であり、暗黒世界における宰相を務めるメリッサ・ルシフォーン。ルーシュの実の母である。

 宰相といっても大きい仕事があるわけではない。基本的に魔王は政治が出来ないのだから、暗黒世界の最高管理職と言った方が正しい。運営に問題のある領地には直接赴いて指導をしたり、困った領主の相談に乗ったりといった所である。魔公の独立分離性が強い為、宰相という立場は代表者としては大きいが、権力を振りかざさなければ閑職でもある。


 宮廷にある宰相の執務室にいるメリッサは、ダンタリウスから届けられた報告書を読む。長く伸ばした黒い髪と漆黒の瞳、魔族としては珍しくも白磁のような美しい肌を持つ、暗黒世界一とも呼ばれる絶世の美女である。

 部屋には魔族らしくなくラベンダーの花が置いてあり、ほんのりと花の香りが鼻腔をくすぐる。この女性は魔族の頂点に立つと同時に、女性としても魔族の頂点に立っていた女性である。

 弱点を挙げるとしたら元夫が失踪中で、息子が暗黒世界の一のアンタッチャブルと呼ばれている事くらいだろうか。



「ねえ、ダンタリウス卿?」

 メリッサは執務室に待機していたダンタリウスに声をかける。ダンタリウスは報告書を届けた後、すぐにメリッサが読み始めたので、質問に答えるべく部屋に残って控えていた。

「何でしょうか?」

 メリッサは報告書に自身の判を押して、魔王への回覧する棚へ放り込む。

「これ、全部ルーシュが向こうに行った為に発生した出来事のように見えたのだけれど」

「半分は。ですが、それを指示したのはメリッサ殿下では?」

 ダンタリウスは目の前の美女の様子に困ったように呻く。

 今回、ルーシュが諜報員として活動するに至った仕掛け人はルーシュの母親でもあるメリッサ・ルシフォーンの策略であった。

 だが、ルーシュがイヴェールに行ったから、モンスターが大量に移動し、その噂を聞きつけた勇者が、その異常現象の尻馬に乗って火山探索に行くという口実を作らせてしまったのだった。

「でも、仕方ないでしょう?あの子、頭は悪いけど、天然で優秀だから。あまりに上手くやりすぎて、バエゼルブ領に大量の敵を作ってしまったわ。あの子、もう12回も暗殺未遂されているのよ。しかも、それにさえ気づいていないのだもの」

 困ったようにメリッサは右手を頬にあってて大きく溜息をつく。

「ルーシュ殿下のような方が統治してくれればバエゼルブ領は安泰なのでしょう」

「魔公貴族達は単純じゃないわ。民をちゃんと見てるような連中だったら、私だって苦労しないもの。バエゼルブ家の自己本位な所と陰険さは筆舌しがたい」

 メリッサは遠い目で外の景色を見る。南側の山々の方角、そちらはバエゼルブ領のある方角でもある。

「暗黒世界より離すしか無かったという事でしょうか?」

 ダンタリウスはメリッサに訊ねる。メリッサも苦笑を見せる。

「暗黒世界から一度離さないと危険な状態になっていたでしょうね。外に出す理由は何でも良かった。勇者の預言に乗っけただけよ。諜報員なんてただの仮の姿でしかないのだから。まあ、あの子はおバカさんだから真面目にその任務を遂行しようとしているのでしょうけど。精々、諜報員(仮)って所よね」

 メリッサは愉快そうに笑う。愛すべきおバカな息子の事を思い出す。

「私はバエゼルブ領に関してはあまり理解がないので分からないのですが、バエゼルブ家はそこまで危険なのでしょうか?」

「バエラス2世は無能の振りをし続けて、私は城にいられないからずっと別居していたのよ。ルーシュはあいつらの傀儡となって適当にやってれば良かったのよ。ただ、あの子は上手くやり過ぎて、バエゼルブ家を敵に回してしまった」

「上手くやったのに……ですか?」

 ダンタリウスは少しだけ不思議そうにする。

「彼らは自分達の栄華しか見ていないもの。だからルーシュがベーリオルト卿を何度となく退ける事に関しては問題なかった。バエゼルブ領が栄え始めた事に関しても最初は良かった。だけど…人心はルーシュに移っていた。他の魔公たちもバエゼルブよりルーシュを優先し出した。それは流石に許容できないみたい」

「魔王家の方に求心力で勝つ気があるバエゼルブの連中の方がよほど許容できませんがね、私は」

 ダンタリウスは少し苛立たしげに口にする。ダンタリウスは魔王家に忠誠を誓っており、シャイターンより魔公に任じられた24魔族の1人である。

 その為か、魔公は同格ではなく、知り合いの末裔程度にしか思っていない。

「ルーシュは確かに問題行動ばかりを起こして、特にバエラスにとってマイナスな事ばかりしてきた。目先だけならともかく、先々を考えれば多くの人心を掴む行動をするルーシュは、選択を誤まってない」

「その点であれば、ルーシュ殿下は人心を大きく掴むでしょうな。弱者のために体を張ることを当然のように考えているようなお方です。魔王教育もしかと受けていましたし」

「ベーリオルト卿に匹敵するカリスマになりつつあった。内心、ベーリオルト卿も苦虫を噛み潰しているのでしょうね。自分の息子は、たった一人の民を救うべく大きい散財をするルーシュを馬鹿にしていたけど、民からすれば、自分達1人1人を大切にしてくれる領主を選ぶに決まっている」

「元々、ベーリオルト卿こそが、そういう行動によって多くの魔族から求心を得ていたのですから。なるほど、ベーリオルト卿も歯痒いわけですか」

 ベーリオルトとバエゼルブは昔から仲が悪いという話はあるが、ベーリオルトとルーシュも政敵としてにらみ合っている話は有名である。

「嫉妬…なのでしょうね」

 自分の息子は自身の後継を任せられない程の男なのに、ライバルの息子はあっさりと収まり、民衆の心をつかんでいる。

「ですが、ルーシュ様の不在は旧主派を勢いづかせませんか?」

 ダンタリウスの質問にメリッサは意外そうな表情を見せる。

「あら、ダンタリウス卿が穏健派の心配をしてくれるなんて。中立派を装っていても内心では旧主派のくせに」

 メリッサの指摘は正しいもので、考えを見透かされているダンタリウスは顔をこわばらせる。


 暗黒世界における派閥は旧主派、穏健派、中立派の3派がある。

 旧主派はかつての魔王を殺した人間達と最後まで戦って、地上界<グランクラブ>の領土を獲得すべきだという一派。穏健派は現状暗黒世界は平穏なのだから事を構えるのはやめて平和な暗黒世界を保とうと一派。中立派はどちらにもつかない一派。

 その為、暗黒世界の魔族は、地上界<グランクラブ>にいる奴隷にされているような同胞を救う活動を行なっているが、その際に穏健派と旧主派は多種族への対応で隔たりが出るので、中立派がそれらの救助活動を行なっている。そして中立派は旧主派に鞍替えするケースが多い。


「24魔公の数少ない生き残りである私は、ただ魔王様に忠を尽くすのみです」

「別に怒らないわよ。それに旧主派を勢い付かす事はあっても、急に発生するような問題はそれこそありえない。ベーリオルト卿は分かっているはずよ。戦うにせよ、魔族達はそもそも戦う準備なんてほとんどしていないという事実を。準備に何年もかかるわ。人間を許さないなんて今更再燃させるのに思考をそちらに向ける準備をするにしても1~2年は掛かるわ。ルーシュをそこまで野放しにさせる積もりもないわよ」

「なるほど」

「それに……私だって旧主派の気持ちは分かる。ううん、穏健派の多くは既得権益と戦争被害の阻止の為に立ち位置をそこにしているだけであって、旧主派の気持ちを分かってない者は少ないわ」

「それは…そうでしょう。メリッサ殿下や魔王陛下は、ルシフォーン陛下に誰よりも懐いていらっしゃった。敬愛するルシフォーン陛下を失ったお気持ちは他人である我々以上に、痛ましい事とは分かってます」

「時間と言う意味では、数年の付き合いの私より、数百年と共に過ごしたあなた達のほうがよほど痛ましいのだから、その痛みを理解できる…というのは、私の方こそおこがましいかもしれない。ただ、戦後生まれの若い魔公達は戦争の実感もない位よ」

「まあ、ルーシュ殿下はあまり人間への恨みを持ってはいないようでしたが」

 ダンタリウスは少し釈然としない顔でぼやく。ダンタリウスは、ルーシュは確かに王に相応しい器を持っていると考えているが、200年前の歴史に全く興味を持っていない事に不満がある。魔王の非業の死、残虐な人間達の行いを知らないにしてもだ。どうして人間と仲良くやろうとしているのかは、未だに理解に苦しんでいる部分もあった。

「あら、ダンタリウス卿。貴方は忘れているわ。移民のチェックは地平山を所有しているバエラス家の仕事よ。奴隷として生きてきた魔族達が、人間にどのように扱われていたか、その被害にあった形跡を余す事無くあの子は見ている」

「!」

 ダンタリウスはメリッサの言葉に雷を打たれたような衝撃を受けて目を大きく開いて絶句する。ルーシュが奴隷達の受け入れにかかわっていたという事実は初耳だったからだ。ならば、どうして人間を受け入れられるのか理解できなかった。

「まあ、光の魔法を身につけてからは、あの子はそんな魔族達を治してしまうから、バエゼルブ領での支持を集めたのだけれど」

 メリッサの言葉にダンタリウスは冷たい汗をダラダラと流す。

 移民魔族の多くは、奴隷として人間に弄ばれ、体のあちこちを傷つけられ、長い道のりを魔公たちに付いて暗黒世界に逃げて来た者達だ。地上に絶望して暗闇の世界でも希望を求めて逃げて来た者たちだ。

 彼らを見て、何も思わなかったのか?

 そんな思いに駆られるダンタリウスは複雑な表情を浮かべていた。

「優しいあの子がそれを見て、本当に何も思わないと?あの子はちゃんと見てますよ。ベーリオルト卿が何で自分を憎んでいるのか、その思いを理解しているからこそ、決して彼を悪人だとは思っていないでしょう」

 メリッサは魔族の痛みを理解する様に目を閉じて淡々と話す。

 ダンタリウスはルーシュの行ないを振り返り、ルーシュの奔放さの裏にはちゃんと魔族のことを考えているのだと納得する。

「以前、聞いた時は…『ベーリオルトさんは良い人』だと。そうですか、殿下は全部分かった上で……………全部分かった上であの天然なんですか!?」

 納得するが、やはり納得できないものがたくさんあったようだ。


「いや、そこを突っ込まれても困るけどね」

 メリッサは若き日は氷の美姫とも呼ばれた女性であるが、珍しくコロコロと笑っていた。

「ま、まあ、魔王家は昔からそういう所がありましたね。ただ、メリッサ殿下は何故、私に隠していたのですか?私は今回、ルーシュ様と同行するまで、ルーシュ様の能力がシャイターン様とここまで酷似していたとは知りませんでした」

 ダンタリウスはメリッサへ責めるような視線を向ける。ダンタリウスは中立派でもトップクラスの地位にいるにも関わらずルーシュの情報を正しく伝えられていなかった。ルーシュの能力は魔王に比肩する。ただの魔公王子なんてとんでもない嘘だ。

「元より、ルーシュは預言の御子の可能性があるといわれているのですよ。魔神聖下の再来などと呼ばれて困るのはあの子です。……全てを知っているのは家族以外では、兄とリズ婆とアシュタール卿くらいです。無論、政敵のベーリオルト卿、ルーシュと仲の良いレヴィア卿、魔法や体術の訓練師範だったアーメイム卿は察しているでしょうが」

「バエゼルブ家は知らないのですか?おなじ城ですよね?」

「バエラス二世や私が、あの古狸達にそんな重要事項を教えるとでも?ルーシュも勘が良いのか、城を出て城の隣に自分の家を建てて、そこで生活してますし」

 メリッサのあっさりした返答にダンタリウスは顔を顰める。


 歴史を紐解けば、バエゼルブ領は初代バエゼルブが起こした領で、シャイターン没後は戦争や内戦を何度となく繰り返してきた。その中で、バエゼルブの子孫の中から、初代に匹敵する魔公が誕生した。それが初代バエラスである。初代バエラスは多くの魔公を傘下に治めてバエゼルブ領に一大勢力を築き上げ筆頭領主となった。現在のバエゼルブ連邦領の誕生である。

 とはいえ、当時は乱世となっており、他の領土はは酷くすさんでいた。それを正そうと立ち上がったのが、初代ルシフォーン、またの名をシャイターン3世。

 バエラスは魔神信仰者で、すぐさまルシフォーンの臣下となり、すべての戦争の終結に協力した。

 ルシフォーンは暗黒世界の国境線を取り払い、全てをルシフォーン魔王領とし、領民に対して大幅な自由を与え、領主は公僕とならなければならなくなった。

 元より公僕だった魔公達は特に問題は無かったが、プライドの高い魔公達にとってはまさに敗戦国の領主状態で不満を募らせていた。バエゼルブは後者にある家である。だが永遠に近い時間を生きる魔族にとって最大権力者が強くて頭がよく民を大事にする者になった事で、戦争は終わった。

 食糧問題が発生しなければだが。

 ルシフォーン亡き今、バエゼルブ家は実権を取り返すべく様々な画策を練っている。


 閑話休題、ダンタリウスはそんなバエゼルブの恐ろしさをある程度は知っているので、メリッサがルーシュをどこか遠ざけていたのは理解するしかなかった。

「ですが、ルーシュ殿下はメリッサ殿下を恐れています。あの寂しがりなルーシュ様が、母親に気を遣うような態度を見るに、母親に疎んじられていると感じているように見受けられます」

「………」

「ルーシュ殿下への命令の書を出すならば、母親としての手紙も添えては頂けないでしょうか?」

「先生は相変わらずですね」

 メリッサは困ったような表情で、ダンタリウスを見る。

 ルーシュ達に歴史を教えたように、メリッサも子供の頃はダンタリウスに歴史を教わっている。自分の魔力との付き合いで一杯一杯だった兄に代わって、この暗黒世界をよりよくする為に政治家を志したメリッサは、ダンタリウスの直弟子に当たる。

 王家に忠誠を誓っているダンタリウスは、実は他の魔族にはかなり手厳しいのだが、あれこれと王家に世話を焼く男でもある。

「分かりました。次の命令書と手紙を送ります。レヴィア様が怒ってましたよ。ジジイばかり美味しい思いをしてずるいのだと」

「そういえば、レヴィア様はルーシュ殿下と仲が良かったとか」

「同じ精霊を見ることの出来る目を持ってますし、あの家…というよりあの方だけは別格ですから」


 一通りの報告を終えて、ダンタリウスは執務室を出る。

 魔王城の一角にある各事務官が詰める執務室や会議室が並ぶ場所は、多くの魔公達に出会う事になる。


 通路を歩いていると書類の山がやって来る。否、書類の山を持ったシホ・ルシフォーン5世殿下がやってきていた。

「殿下。そのようなものは下のものが」

 ダンタリウスは慌てて道を明けつつシホに声を掛ける。

「何を言う。……妾はまだルー兄や父上と違って魔力管理が下手じゃから、下々を近寄らせることは出来ぬのじゃ。2人のいない場所で下々とは近寄れぬ。故に、これもまた修行と仕事なのじゃ」

 自分の背よりも高い書類の束を持って歩くシホ、齢10歳にも満たないが暗黒世界を取り仕切ろうとしている天才少女である。

「それに、此れを見せて青褪める父上の顔を見るのが楽しみでの」

「自分の父親を虐めて遊ぶのはやめてください、殿下」

「何を言っている。……本来ならばルー兄を弄るところなのに、外にやったのはお前達だろう」

 珍しく年相応の膨れっ面を見せるシホの姿に、ダンタリウスは抗議し難くなる。

 魔王家は力が強すぎて、近付く人間を間違えて殺してしまう。

 シホは頭が良く、非常に優秀だと聞いていたし、学校でもどこか抜けてるルーシュよりしっかりした印象を受けていた。魔力制御がまだまだだという話は謙遜だとばかり思っていたが、そうではないらしい。ルーシュは頻繁に領土の地図を書き換えさせる失態をやっていて魔力制御が出来てないとは理解していたが。

「ルー兄は元気にしているかの。いつもみたいに寂しがってないのか?」

「レナがいるのでまだましかと。あと神狼の子供がついていきましたし」

「ふむ。そうか。とすると…妾が一番寂しいのう」

「先程、メリッサ殿下に聞きましたが、何年も歩かせるつもりはないとの事です。ご安心を」

「当然じゃろう。そんな事されたら妾が寂しくて死んでしまう。いや、まあ、妾はそう簡単に死ねぬのじゃが。ああ、そうじゃ、それとダンタリウスよ」

「何でしょうか?」

「先程、レヴィアたんには教えたのじゃがな。どうもグランクラブの魔族の間にきな臭い噂が流れておる。お主らも気をつけると良い」

「気をつける?我々がですか?」

 ダンタリウスは目を丸くして書類に隠れるシホを見る。魔公に勝てるような存在は皆無といえるだろう。

「どうもな、妾が聞いた話だと、正体不明の魔公だそうじゃ。200年も時が経っているが、隔世遺伝でグランクラブにも魔公が生まれたのかも知れぬ。用心して欲しいのじゃ」

「……それはメリッサ殿下にも致しましたか?」

「まだなのじゃ。中立派の外に出る魔族には内密に教えてるのじゃ。すれ違って、知らずに襲われても困るじゃろう?」

「ルーシュ様は…知らないでしょうね」

「ルー兄は、その内、うっかり間違って神界にお邪魔して、ミシェロスあたりを間違えて地に落としそうだから大丈夫」

「………」

 冗談に聞こえないから怖かった。

「天然ですもんね」

「だから…寂しいけど暗黒世界は妾が頑張って守るのじゃ」

「ご立派です」

 幼くして次期魔王である魔王の娘は非常に立派だった。


 誰かと違って。


 ルーシュが追い出された理由が明らかに。

 諜報員(仮)扱いしているのは実の母だったりします。


 ちなみに、魔王やシホにも本当の理由を教えてはいません。彼らは家族以外に寄る辺がないので、ルーシュに害なす魔公を許しません。ですが、バエゼルブ本家は、穏健派に属しており、メリッサからすれば、滅ばれても困るのです。


 さて、過去に、ルーシュ曰く、自分が仕事をしなくても良いように調整した、というと仕事ができないから逃げたように聞こえたかもしれません。

 ですが、現実として、管理職が自分の仕事をほとんどしなくても、仕事が回るというのは、凄まじく出来る人間なのです。基本、管理職は会議と調整業務で1日が終わり、残業して自分のすべき仕事を行なうケースが多いのです(よくある一般論としてですが)。つまり、そういう問題が起こらないように管理手法を変えていたという罠。

 ルーシュのスペックが実はこっちの分野に関してハイスペックだった事が発覚。天然のおバカさんでなければ、『魔公王子の華麗なる魔族復興記』みたいなものだったかもしれません。

 どうしてこうなった!?

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