表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

1・世界一の船長

 巨大な肉まんの形をした島に、れみは住んでいる。巨大といっても、普通の肉まん百個分なので、島としてはあまり大きくない。できることといえば、尖った頂上で逆立ちをしてバランスを取るか、斜面を滑り落ちないように気をつけながら歌謡曲を歌うことくらいだった。


 周りは海に囲まれており、海水はお茶でできている。茶しぶだらけになってしまうので、本土から船を出す人はほとんどいない。ただし、戸松号の船長だけは別だ。


「俺は出航回数世界一を目指している。そして今日は記念すべき千回目!」


 戸松船長とれみは、肉まんの皮をちぎって食べ、お祝いをした。船長はとにかく大きな数字が好きなので、巨大な肉まんをとても気に入っていた。


「なあれみ、俺の船とこの島を交換しないか?」


 船長は来るたびに言った。本土の港には同じ船が百艘あるので、一つくらい手放しても困らないのだ。


「そうね。一万艘なら考えてもいいわ」

「わかった。次は用意してくる」


 船長は帰り際、れみに土産の桃まんじゅうを渡して言った。


「九千九百九十九艘じゃだめか? 俺はでかい数字が好きだが、ぞろ目はもっと好きなんだ」


 れみは桃まんじゅうを一口で食べ、口の周りをなめた。


「これと同じのを六兆六百六十六万六千六百六十六個つけてくれたらいいわ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ