STAGE2:勘違いの多い人たち
「はぁ~」☚初めのため息
朝の寝起きが悪い。もともと良い方ではないのだが今日に至っては悪いではない。最悪だ。
「なんで・・・どうして・・・」
俺はなぜイリヤに嫌われたのか(とんだ勘違い)・・・・それが分からない。
「はあ・・・」←二回目のため息
そんなに俺はひどいことをしてきたのか・・・・
思い当たる節を探る。
まず、はじめに浮かんだのが、ギリギリになるまであいつの誘いを断っていたこと。
しかし、それで嫌いになるのだろうか?いや、イリヤのことだ。それで少し俺を嫌っていたのかもしれない。
二つ目。裸を見てしまったことだろうか?いやいや、あれはあいつから入ってきたことで・・・いや、それともその後のことを望んでいたのだろうか?でも、それに応えてやれない俺に嫌気がさして・・・・
ないな。
・・・・三つ目。助けに行くのが遅かった。やはり、思い当たる節としてはこれがでかいだろう。2週間も放置プレイさせていたのだ。
むか~し昔、ある王国に若い王様とお姫様がいました。
平和の日常が突如として崩れさり、お姫様が悪の大王にさらわれました。
王様は助けようとしましたが、危険だと言って助けに行くのをかなり後に行きました。
そしたら、祖国を失った兵士に助けられていました。
お姫様も無事で助かり、ある王国は平和になりましたとさ・・・
こんな話を聞いて、王様に好感がもてるだろうか。
むしろ、祖国を失った兵士に好感を持つだろう。
まてよ?
そういうことか・・・・
イリヤは俺ではなくウォルダーを・・・
まあ、ある意味で巣立った感じでいいことだが、それはそれで寂しいことだ。
しかし、それがイリヤの選んだ道ならばしょうがない。
「はあ~」(とてつもなく大きな勘違いをした王様の3度目のため息)
「食事をお持ちしましたって!!どうしたんですか!!」
「ああ?」
食事を持ってきたフィオナはアスガが横になっているベッドの周りを確認。
「ア、アスガ様・・・・その、イリヤ様は・・・どちらに?」
「扉をぶち破って出ていった」
「成程・・・そういうことですか。で、ベッドの周りを見て私が気付かないとでも?」
「なんのことだ?」
アスガはフィオナに言われたとおり自分の周りを見る。
俺の服装・・・パンツにシャツ。まあ、最初の頃はフィオナに文句を言われたが、向こうも慣れてしまった。
散らかった部屋。俺が所有していない荷物で、散らかっている。メモ、本、回復薬、剣、ランスなどの武器、防具。そして下着・・・
「これって・・・・イリヤのだよな・・・」
手でビヨーンと伸びして遊ぶアスガ。
裸で隣に入ってくることからバスローブを着ろと言いつけたが、着替えの際に下着をそこらへポイポイと捨てていく。
いつもは起きたらすぐに片付けていたが、今日ばかりはそこまで神経が回らなかった。
「とうとう・・・アスガ様は手をだしてしまったのですね。あ、あんな幼い子(体型)を・・・」
なに?
「ま、待て・・・話がつかめない。話には順序というのがあるだろう?そう。順序が大切じゃないか」
「痛い目に合わせませんでしたか?」
「へっ?」
全くの予想外の展開。てっきり、俺は自分のエクスカリバーが叩きおられるのではないかという心配をしていたのだが、全くの正反対の展開へと自体は進んでいった。
「あれでも繊細で神経質な人なので人肌が恋しくなったのかもしれませんが・・・」
「ちがああああああああううううううううう!!」
アガルタ城にアスガの嘆きの声が響いた。