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A.S  作者: オーレリア解放同盟
序章
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STAGE3:ログアウト不能

「どうした?」


隣で歩く健介がメニュー画面を開いては閉じと意味のわからない行動を繰り返していた。


「いや、お前もメニュー画面開いてくれ」


「おう」


そう言うと俺は視界右下のボタンに触れメニュー画面を開く。


「メニュー画面を開いたがどうしたのだ?」


「セーブボタンがない」


「・・・・・ほんとだ」


「更に言わせてもらおう。ログイン・ログアウトボタンがない」


「・・・・どういうことだ?」


俺は今の現状を整理し始める。俺の視界の中には、アイテムとステータス、能力、装備、魔法と書かれたボタンが見える。だが、その中に本来ある筈のセーブ、ログイン、ログアウトのボタンがないのだ。


では、それらが無くなったらどうなるかということを考えてみよう。


まず一つ。セーブボタンがない。ではどうなるか?もし死んでしまったらセーブしたところからやり直しになるが、セーブができない以上俺はHPが無くなったらその場で消えるのか?


二つ目。ログインはしているのでいいだろう。ログアウト。ログアウトボタンがないということはログアウトできない。つまり現実世界に帰れないということだ。


「ちょっと待てええええええええ!!」


「お、おい・・・どうした?アスガ?」


「どうしたもこうしたもねえ!!俺はどうすれば帰れるんだ!!ログアウトできねえんだぞ?」


「システムの不調じゃないか?昨日までは確かにあったし」


そんな事を言っているとマドリードでも騒ぎが始まる。


「ログアウトできねえぞ!!」


「どうなっているんだ?」


「ロードもできないわよ」


この仮想世界A.Sには最大で70万人以上のユーザーがログインしている。だが、実質時間とか予定というのもあり平均的に言えば50万人前後だ。そのうちの数万人はほぼ24時間プレイ中である。


彼らにとってはどうでもいいことかもしれない。だが、完全に趣味でやっている者。家族がいる者。仕事がある者。色々いる。そのような人々にとってはかなり大迷惑なことだ


「おいおい、他の連中もそうだぜ?」


「まずい状況じゃねえの?」


俺と健介は全く同じ意見となった。


答えは会えて口に出さない。それは周りの人々がさらなるパニックを起こしかねないからである。


単刀直入に言おう。この仮想世界から脱出できない。


「・・・・どうする?俺はこのゲームを始めてまだ2時間もたっていないぞ?」


「対策もしておきたいところだが・・・どうすれば・・・」


もし本当に此処から出られないとなると何か対策をして生きながらえなければいけない。


しかし、その対策が解らないのだ。


さて、どうするか・・・


俺達は対策を考えながらも、宿泊施設へ泊って今日はログアウトできずに寝着いたのだった。


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