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A.S  作者: オーレリア解放同盟
序章
2/71

STAGE1:後の祭り

ミラージュプログラム。通称MPが出来たのはつい最近だ。


蜃気楼――――

このシャンバラと呼ばれる地球と酷似した世界には1万と1千年前に起こった大戦争で魔法粒子、略称MET(メット)と呼ばれる粒子に覆われるようになった。


昔は攻撃、治癒、防御、精霊化等の様々な魔法を行使するために。


現在は自動車、携帯、パソコンなど、様々な電子機器を動かすのに必要な粒子である。


蜃気楼とは大気中のMETが地上や水上の物体として一時的に具現化される現象。大気MET現象と呼ばれる。


ミラージュとは今となっては使えない魔法の呪文で蜃気楼を意味する。


ミラージュプログラムとは、蜃気楼と呼ばれるこの具現化現象を人間の手で強制的に起こさせ、今いる空間とは別に空間を作りそこで暴れまくって軍事訓練を行うために作られたものである。


だが、つい最近ゲーム技術が大幅に向上し、ついには民間用MPが発売されるようになった。


子供たちは体感型ゲームができるとして飛びついたがさすがに虫がよすぎると言ったところか?子供たちが望むようなゲームはできなかった。


そこで、売上不調の民間用MP用ソフトとして世界一の軍事国家日本の軍事産業を担う世界最大の売上高を誇る企業高須ホールディングスによる10億を投入した一大プロジェクト。


1千年以上前の世界を元にして作られたMMOARPG[Auralisia(オーレリシア)Story(ストーリー)]

通称A.Sが発売された。


値段は3万5千とそこらの携帯ゲーム機、いや、家庭用据え置きゲーム機とさほど変わらない値段だったが2日限定の体験版により売り上げはあれだけの高価格なのにもかかわらず発売1週間で50万本を売り上げた。


だが、これが発売した当初はまさか、俺がこんなゲームに閉じ込められるなどと誰が想像しただろうか?


始まりは俺の友達が原因だった。


「お願いだ!!」


「は?」


「このとおり。お金は2万5千俺が出す。だからこのソフト買ってくれ」


俺は一番の親友である志太川健介(しだがわけんすけ)。おっと、俺の名前が遅れたな。朱澄凌雅(あかすみりょうが)。年齢は二人とも16歳だ。


「今日は部活もなく非凡な日だと思ったらゲームをして暇をつぶせと」


「だってさ、俺らのパーティに近接戦闘してくれる前衛がいないんだ」


「自分でやれ。」


「無理だって。おれ狙撃手だもん」


意味解らん。取りあえずこいつは先程説明した「Auralisia Story」略称A.Sというゲームをやってほしいというのだ。


彼の言い分はこうだ。元々軍用として作られたMP。ゲームシステムはそれと同様に、現実世界でのステータスがゲームでのステータスと比例する。つまり、現実世界で力が強かったり足が速かったりするとA.S内でも力が強かったり足が速かったりする。


更に言えばゲームを構成する上でモンスターを倒したり、やはりアクションRPGなのでそれなりの事が出来ないとつまらないということで、現実世界よりもステータスが3倍になるという設定だ。


アクションゲームなのにジャンプしても高さが現実世界と一緒ではつまらないだろう?


だが、考えてみよう。本来握力が30の人と70の人がこのゲームをしたら90と210になる。

確かに割合は変わらない。だが、その差は明らかに開いている。元々40kgの差がいつのまにか120になっている。


と言うことはゲームを進めて行く上で現実世界で運動ができるやつや筋力が強い奴の方が有利になるのだ。


攻撃のモーションなどは基本プログラムが完全にサポートしてくれるAutoモードと半分サポートのhalfモード。完全に自分で動かすselfモードの三つに分かれる。Autoやhalfの場合は装備する武器系列独自の能力(アビリティ)を習得する事が出来る。


だが、元々剣道や武道をやっていた人たちの技術に比べればチャッチイものである。


俺は小学生時代に合気道をしていた父に合気道を教えられ、剣術や、柔道をやらされた。

中学に入ってからは別のスポーツがしたいというが、球技はからっきしダメで出来るスポーツが陸上ぐらいしかなく、仕方なく流れで入ったのが功をなした。


中三では全国大会に進み中学生で100m10秒台という記録をだした。


高一の今では1年なのに県で1位である。


だからこいつは俺にゲームを薦めたのだろう。


「仕方ない。親の稽古用として買った民間型MPがあるから、買うよ」


「ホントか!?嘘じゃないよな?」


「嘘は突いていない」


「ひゃっほーい」


この時。友人の言葉を聞いた俺が間違いだったとは、後の祭りである。


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