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A.S  作者: オーレリア解放同盟
第一章 国家改造
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STAGE3:決闘

「ア、アスガ様・・・・本当にフィオナと勝負するのですか?」


「ああ。その予定だが・・・」


「フィ、フィオナは強いですよ」


「そうか、それは楽しみだな」


「き、昨日の剣士よりもずっと強いですよ」


「成程。それが仲間になるなら心強いな」


「そうじゃなくて」


「なら何を言いたいんだ?」


「は、話し合いで認めさせるってのは・・・」


「お前・・・この俺が負けるとでも」


「い、いや、そ、そんな事は、全然・・・こ、これっぽち・・・も・・・」


成程。信用しているけど、俺が負ける可能性が少なからず持っているということか・・・


「自身満々に言おう。俺はこのゲーム内で最強レベルを誇るプレイヤーだ。その俺が負けるとでも?」


アスガのこの気迫に押し切られたのか、イリヤはアスガがフィオナに負けるという考えを捨てざるを得なかった。


「わ、わかりました。そこまで言うのならいいでしょう」






――――アガルタ共和国軍兵舎

「フィ、フィオナ殿・・・・」


「ん?ユーマか。こんな遅くにどうした?」


「あ、あの、本当にアスガ様と決闘を?」


「当り前だ。それとも、お前は私が負けるとでも思っているのか?」


「もちろ・・・」


勿論!!と胸を張って堂々と言うつもりだったが首筋にあてられたその鋭い刃に言葉を失った。


「ほぅ・・・・いい度胸だな。この私が負ける?よほどの自信家だなユーマは」


「あなたに言われるほど自信家ではありませんが」


「ユーマが言うほど強いというのだ。明日の決闘が楽しみだ」


「人の話聞いてねえし・・・」


そこには明日の試合を楽しむフィオナと傍目で呆れるユーマの姿があった。


そして国民の英雄フィオナと国民の希望の星アスガの決闘が明日のアガルタ城正面広場で行われるということが国民中広まり、軍内部ではどちらに賭けるなどと言ったギャンブルまで行われていた。


アスガは知らないがフィオナも相当な実力者でそれを知るイリヤ、ソーマ等の兵士、国民はどちらが勝つなどとは断言できない。


出来る者はフィオナのステータス、レベルとアスガのレベル、ステータスを知っているユーマだけだ。




――――翌朝 アガルタ城正面広場

まだ朝の7時だというのにもかかわらず国民のほとんどがアスガVSフィオナの決闘を我先にと見に来ていた。


「ふぁぁ~」


「遅い。なんだこの体たらくは!!それでもこの国のトップとして居座るものの態度か?」


朝からいちいちうるさい奴だな。アスガはさりげなくスルー・・・・


「無視をするな!!」


「はいはい。ったく元気があっていいことで。で、勝負とやらは?」


「この木刀で行う」


「ほぅ」


ってきりこういうタイプは真剣で戦うのかと思った。


「真剣ではないのか?」


取りあえず素に思った事を聞いてみる。


「真剣でやって人を怪我させるのもどうかと思うからな。さすがに、間違えて切り殺してしまったら大変だ」


「成程。そうだな、これから俺の部下になる奴を斬るのも王様としてどうかと思うからな」


「ふ、ふふははは」


「はっはっは」


((絶対殺す!!))


「勝負の合図は・・・・俺の・・・空砲で」


「ああ。頼む」


ソーマは合図係をやりたかったようですぐさまにボルトアクションライフルを空へと向ける。


「両者・・・・構え・・・・」


ソーマの言葉と同時にアスガ、フィオナ両者は木刀を構える。


「3.2.1.」


パァン


その銃声が両者の攻撃合図だった。


カンと乾いた音が鳴る。


所詮は木刀。誰もがそう思っていた。だが、その考えは甘いとすぐに気付かされる。


二人の剣筋が再びぶつかり合う時、今度はバキィと言う音が聞こえた。


「あちゃ~これじゃ・・・勝負にならん」


その音は二人の木刀が同時に折れた音だった。


「これだけの実力者なら真剣で勝負するのもどうだ?」


「その提案俺も乗るぜ」


両者は今度は自分の愛用の武器を手にし再び構える。そして


カキィン


と甲高い音が響く。


「そう。正にこの感覚。この感覚を私は待っていた。私と同等に戦える人を!!」


「久しぶりにこれだけの実力者と戦うことを俺は誇りに思える」


両者は戦いのさなかに笑っていた。だが、その微笑みはふざけた笑みではない。互いの実力を認め、そしてこの勝負を楽しんでいる。


「はあ!!」


「フン」


フィオナの剣筋を軽くあしらい突きの構え。


だが、その突きは軽快によけられる。避けたと同時にアスガの脇を狙って剣をふるうフィオナ。アスガは剣を持つ右手を折り返してそれを防ぐ。


一進一退の攻防。どちらが勝つなどと本当に誰も断言できない闘いとなっていた。


この中に割り込める人間がアガルタ管理局内にすらいないだろう。誰もがそう思っていた。


だが、この世界には息をのむような戦いを妨害するイベントが必ずしもあるのだと・・・


「た、大変ですうううううう!!」


「ん?」


「戦いの最中によそ見か?」


その声に気になった俺をフィオナはたしなめる。


「待て」


俺はそのフィオナに言葉をかけ止めさせる。


「君は誰だ?」


「き、北村の者です。む、村がドラゴンに襲撃されて大変なことに」


「マジか・・・・決闘は一時中断。ドラゴン退治に向かう!!」


「了解だ」


事情を飲み込んだのか、フィオナは言うことを聞いて俺に着いてきた。


よりによってこんな時にドラゴンか・・・


ドラゴンといっても奥深く下げればかなりの種類がいるが一番弱いドラゴンでも最低レベル100は必要とゲーム内最強モンスターと言っても過言ではない。


そんな最強モンスターがこんな辺境に?いや、むしろこんな辺境だからこそいるのかもしれない。俺はまだ3回しか倒した事がない。さらに種類は様々。俺でも倒せないドラゴンがいるかもしれない。手に汗を握りながら俺達は北へと向かった。


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