表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

会話が見えない勇者召喚

くそ、勇者です

掲載日:2026/04/30

二代目勇者。

勇者として召喚されたが、どうしても認めたくない。

白い床に立っていた。たぶん召喚された。


「勇者様!」


「違います!」


「では勇者様ですね!」


「くそ……」


それから、たぶん何日か。


逃げた。

とにかく逃げた。


「勇者様こちらです!」


「行かない!」


「ではこちらですね!」


「だから行かないって!」


走る。曲がる。誰かが増える。


「勇者様!」


「違う!」


「はい勇者様!」


「くそ!」


もう嫌だ。


適当に歩いて、適当に隠れて、適当にやり過ごして。

気づいたら、人の少ない場所に出ていた。


「……はー……」


やっと、静かだ。


「落ち着いたかい」


声がした。


振り向くと、老人が立っていた。


普通の人間だ。

たぶん。


「……はい」


通じた。


「ここは、どこですか」


「村の外れだよ」


通じてる。


「俺、帰りたいんですけど」


「そうか」


会話が、成立している。


思わず座り込む。


「やっと、話が通じる人に会えた……」


老人は静かに頷いた。


「それは良かった」


涙が出そうになる。


しばらくして、老人が何かを取り出した。


古びた装飾のついた、小さな印。


「最後の頼みだ。これを受け取ってくれ」


「……何ですか、それ」


「勇者の証しだ」


固まる。


「……は?」


遠くから声がする。


「勇者様ー!」


「違うって言ってるだろ!!」


老人は微笑む。


「では、よろしく頼むよ」


「頼まれてない!」


声が近づく。


人影が増える。


「勇者様!」


「だから違うって!」


誰かが叫ぶ。


「勇者様が見つかったぞ!」


「くそ、勇者です」


気づけば、手の中にそれがあった。

読んでくれてありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ