VS 不良
そんなこんなで、PV600突破
ありがとうございます
教室に戻ってきたが、途中で片付けから抜け出してきたので俺1人だ
(どうすっかな……)
いろいろ考えてみたら、ふと思いついた
(髑髏の仮面の声の高低、調節しねーとな……)
バックからネックレスを出し、髑髏の指輪を触ったら、本当に仮面になった
まじまじ見てみると本当にリアルだ
(こんなの被ってたら、誰も助けにきたなんて思わねえよな……)
とりあえず仮面の裏のボタンで調節し始めた
+ボタンを連打して喋ってみる
「『助けに来たぞ』」(おし●●ジリ虫調)
ヒーローでも悪役の声でもない
どんどん下げてみる
「『助けにきたぞ』」(ミッキーマ●ス調
「『助けに来たぞ』」(自分の声)
「『助けに来たぞ』」(ケン●ロウ調)
いろいろやってみたが調節するのがダルくなってきたので−ボタンを連打しまくって、映像をスロー再生した時の声にした
……ますます悪役みたいになった
そうこうしてるうちにクラスの奴らが戻ってきた
すぐに指輪に戻し、バックに戻した
トラが話し掛けてくる
「リュウ!!さっきあの子と何を話したんだ?!あの子、今年の1年の中じゃかなりかわいいぞ!!確か名前は………そうだ鶴本彩華だ!!3組の」
「なんで名前知ってんだ?!!」
「あの子だけじゃなくて全校生徒の女子の名前と顔、全部覚えたぞ!!」
「お前……ストーカーして調べたんじゃないよな?……」
「人聞きの悪いこというな!!人とか噂とかでだいたいわかるんだよ!!」
(なんでそれで顔と名前が分かるんだよ……)
あまりの詳しさに呆れる
「そんで、何の話だったんだ?」
「別に…、なんか知らないうちに助けてたみたいだ」
「よかったじゃねーか!!これがきっかけであのお嬢様と付き合えるかもしれーぞ!!」
「馬鹿言え、3組だろ?もう会うことねーよ」
「あの子わざわざ自分からお礼言いに来たんだろ?結局お前、あの子から逃げたみてーだし。またお前に言いに来るって!!」
「……………」
トラと話していると吹越が入ってきた
「姫山龍一!!あんた何勝手にサボってるよ!!」
「いや……あれは……」
「問答無用!!あんた今日1人残って教室の掃除!!」
「え……マジで……」
「マジよ!!」
「…………はぁ………」
本日二度目のため息
入学式が終わったら2、3年生は帰るだけだ。だから2、3年生の校舎には誰も残らない
その校舎で俺は1人で教室の掃除
普通7、8人でやることを1人でやるのでかなり時間がかかった
「………やっと終わった…」
「あら、思ってたより早く終わったわね」
廊下から吹越が入ってきた
「………お前がやらせたんだろうが」
「サボったあんたが悪いんでしょ。それにあんた、またサボって帰ると思ってたから意外だったわ」
「……俺がサボったら、お前が1人でやってたろ」
吹越が驚いた顔でこっちを向いた
「………どうして、そう思ったの」
「いつもお前から注意されてたら、お前が真面目だってことイヤでもわかるよ」
なぜか吹越の顔が赤くなっている
「……きっ今日はもう帰っていいわよ////」
「お前はどうすんだ?」
「私はまだやることがあるのよ。だからあんたは早く帰りなさい!!」
「……わかった、あんま無理すんなよ。じゃあな」
バックを持って吹越の横を通るとき、まだあいつの顔は赤かった
自宅に帰り着いて時計を見てみると、もう5時だった。
(吹越の奴、なにが早く終わっただ。かなり時間かかってるじゃねぇか!!)
掃除の疲れと、足の筋肉痛で買い物に行く気にならない
(今日はインスタントだな……)
夕食を食べ終わった頃には、7時になっていた
インスタントだったので時間もかからなかった
(風呂に入るか……)
風呂場に行って、準備しようとしたとき
「うぎゃぁぁあぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁ」
Σ「うをっ」
すぐに部屋に戻って、声のするほうに近づいてみると、あの髑髏レーダーが鳴っていた
「……来たか」
俺はすぐネックレスから髑髏の指輪と黒い指輪を触り、仮面を被り、黒いコートを着た
鎌の指輪は鎌にすると邪魔になりそうだったので、指輪のままにして指にはめた
玄関から出て誰かに見られるのはまずいので、窓から外に飛び出すことにした
飛び出す前に鏡で自分の姿を確認してみる
(………やっぱ、ヒーローには見えねーな……)
俺は窓から飛び出した
吹越澪は薄暗い道を歩いていた
クラス委員の仕事が思っていたより時間がかかり、遅くなってしまったのだ
(……あいつが変なコト言うから…)
龍一からの意外な気遣いのせいで吹越は仕事が進まなかった
終わった頃には外は薄暗く慌てて学校を出た
今、吹越は 住宅街の公園の近くを歩いる
電柱の上についている街灯が道を照らしている。周りに人は1人も居ない
(………気味が悪いわね…)
そう思っている吹越の後ろから人が近づいてくる
3人の男だ
気づかれないように足音をたてず 、近寄っていく
そして。1人の男が吹越の口を抑えた
(えっ!!)
吹越は状況が理解できなかった
理解できないうちに残りの2人は吹越の体を抑える
あっという間に口にガムテープを巻かれた
「おお!!いい女じゃねぇか!!」
「今日は楽しめるな!!」
吹越は直感でわかった
(このままじゃ、なにされるかわからない!!!)
吹越は激しく体を動かし、暴れた
「ん〜〜〜〜!!ん〜〜!!」
「うるせぇ!!!じっとしてろ!!」
ドゴ!
「ん!!!!」
腹を殴られた
吹越はそれから逃げるのを諦めた
「そーだよ、じっとしてりゃいいだよ」
「やさしくしてやるからさ!!ギャハハハハハハ!!!」
「おい、あそこに連れて行くぞ」
吹越は近くにある公園に引きずられていった
公園は薄暗く人気がない
助けてを呼んでもきそうにない
公園にあるトイレの裏にまで引きずられた
吹越の顔は明らかに怯えていて、目からは涙を流していた
(誰か助けて助けて助けて助けて助けて助けて嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ)
しかし、誰も来る気配がない
「誰が最初??」
「おっ!!じゃ、俺が一番♪」
男は吹越の襟首を掴み、服を引き裂いた
(誰か………助けて……)
男の1人が吹越の胸に触れかけた、そのとき…
ドゴ!!
「ゴハッ」
男が吹っ飛んでいった
「「!!!!!」」
吹っ飛んだ男意外の全員が声が出なかった
男の1人を吹っ飛ばしたのは、全身真っ黒でフードを被り、フードの奥には髑髏が見える
………死神だった
「なんだ、テメェ……」
「………………」
男が言っても死神は答えない
さっき吹っ飛んだ男が立ち上がり
「なにやってんだ!!!さっさと殺せ!!」
それを合図に男達は懐からナイフを出し、死神に襲いかかった
しかし、そこからはあっという間だった
1人がナイフを突き立てて突っ込んだ
死神はそれを回転しながら避け、その勢いのまま男の顔面に裏拳を叩き込んだ
しかし男はその場に倒れるのではなく、5メートルぐらい吹っ飛ぶ
もう1人はナイフを右から左に振ったが、死神はしゃがんで難なく避け、男の顎にアッパーを当てた
男は上に3メートルほど飛び、地面に叩きつけられた
「………なんなんだ、お前……」
「…………………」
男が話し掛ける
しかし、死神は喋らない
「…何なんだって聞いてんだろぉぉぉがぁぁぁぁぁ!!」
男は叫びながら右手を首の後ろにもっていった
すると、金属がこすれる音がして、長さ70センチほどの大振りの刃物を向けてきた
背中に仕込んでいたのだろうか
「『………お前、それ使うのか?』」
死神が始めて喋った、その声はとても低く、映像をスロー再生したときのような声だ
「だったら何だってんだ?!!」
「『………俺も使わせてもらう』」
死神は右手の指を触った
すると死神の左手に鎌が現れた
死神にふさわしい大振りの鎌
死神は鎌を両手に持ち、相手に突っ込むように足を構え、鎌を横に構えた
「……ひぃ!!」
男は武器を捨て、後ろに全力疾走で走った
(こっ殺される!!!)
男は走った、全力で、前だけを見て必死に走った
しかし
「『逃がすと思うか?』」
頭のすぐ後ろであの声がした
すぐに後ろを振り向く
どアップで髑髏が見えた
「うわぁぁぁぁあぁぁあぁぁ!!!」
男は叫んだか、もう遅い
死神は鎌の刃の反対側を男の横腹に叩きつけ、振り抜いた
男はそのまま20メートル吹っ飛んび、地面に転がった。そのまま男は動かなかった
吹越は今の光景を見ていた
男3人が死神に倒された
(私は、助かったのかな?…………)
そう思っていたら死神が近づいてきた
「ひぃ!!」
(殺される!!)
吹越は目をつぶった
足音がどんどん近づいくる
そして、自分の前で止まった
死神は言った
「『携帯』」
「えっ?!」
「『警察に通報しろ』」
吹越は驚いた。死神が思ってもみないことを言ったからだ
吹越は言われた通りに、警察に電話をかけ、ここに来てもらう言った
「……………」
「『………………』」
警察が来るまでの間、死神は吹越の隣に立ち続けていた
やがてパトカーの音が聞こえてきたときに死神が吹越に話しかけた
「『もう、大丈夫か?』」
「え…ええ……大丈夫よ」
嘘だった。さっきの恐怖はまだ完全に消えていない。ただの強がりだ
「『………そうか』」
死神は吹越に近づいた
吹越は下を向いている。怖くて顔を上げられないからだ。そして、吹越は頭に何か置かれたことに気づく。
手だ、私の頭を撫でている
そして死神は言った
「『あんま、無理すんなよ』」
「え?」
顔を上げた時には死神は走り出していた
そして、地面を蹴り、電柱や、家の壁、屋根などを乗り移りながら夜の闇に消えていった