会話2
やっぱり難しい………
「ヒーロー?」
「そぉだヒーローだ。やってみねぇか?」
龍一は混乱した
そりゃあそうだ いきなり黒い空間に連れてこられて、ヤクザ(神様)に拳銃で撃たれ、しかもそのヤクザ(神様)と殴り合いをし、その後にいきなり ‘ヒーローにならないか’なんて言われたんだ。混乱しないほうがおかしい
「……なんで俺?」
「そりゃあ おめぇ おじさん見てたもん。おめぇが女ぁ助けるために自分の身も省みず助けるの。 おじさん感動しちゃったよ 泣けたよ(泣)」
涙を流す(ふり)を見て、龍一はあのヤクザ(神様)をぶん殴りたくなった
「実はおじさん、世界滅ぼそうと思ってたんだよねぇ」
さらっと 言いやがった!!このヤクザ(神様or魔王)
「だってさぁ、人間ってうじゃうじゃいてさ、戦争とかさ訳わからんことばっかでさぁ、おじさんも頑張ったんだよぅ、でもさぁ結局あんま変わんなかったんだよねぇ」
ヤクザはタバコの煙をふぅーっとはき、次は真剣な口調で続けた
「でも、この世界バカな人間だけじゃないってこともわかってる。戦争を止めるために頑張っている人間もいる。関係ないのに戦争に巻き込まれて、必死に生きている人間もいる。そんな奴らもいる世界を滅ぼすなんてこたぁ、おれぁしたくない」
ヤクザは立ち上がり続ける
「そこで考えたんだよ、この世界にメチャクチャ強くてメチャクチャカッコイイヒーローが犯罪者や世界の裏で悪りぃことしている連中をばっさばっさと倒していったら、世界は少しは良くなんのかなぁって」
「……人を殺せっていうのか?」
「そこまでは言ってねぇよ、これは実験みてぇなもんだから そんなに気負わなくていい。そこはお前に任せる」
「どうだ?やってみねぇか、ヒーロー?」
龍一は考える
確かにこのまま普通に一生を過ごすより刺激的かもしれない
しかし…
「なあ、やっぱりヒーローって闘うわけだから怪我とかすんだよな?」
「そのへんはだぁいじょうぶぅ!!おじさん、ちゃぁんと考えてるから」
「……本当か?」
「だぁいじょうぶだって!!おじさんの95%は真実でできています」
……なんか、すごく不安が残る言い方だが… よし!!
「わかった、ヒーローやってるよ!!」
その言葉聞いてヤクザは 少しだけ微笑んだ
「よ〜し、そうと決まれば準備だ!!」
「準備?」
「おうよ!!やっばヒーローといやぁ最強じゃねぇといけねぇと思うわけよぅ!!というわけで、なにかほしい力はあるか?3つまでなら叶えてやる!」
なるほど、確かに弱いヒーローなんていやだな…
闘うところを想像してみる
相手は犯罪者とか危ない連中になるだろう。刃物や銃、爆弾だってあるかもしれない。だったら相手が攻撃する前に攻撃したい…
「……じゃあ、1つは身体能力強化で」
「それでいいのか?結構つれぇみたいだぞ?」
「なんでだ?」
「人間ってぇのは本当はもっと力があるんだが、脳でブレーキかけてんだよ。そのせいで全体の力の30%しか使ってねぇんだ」
「マジか?!」
「ああ、マジだ。 だからいきなり力を全開にすると筋肉やら腱やらちぎれて、さらに無理すると死ぬぞ」
「…………」
「まあ、徐々に馴らしていけば死ぬこたぁなくなるし、せいぜい筋肉痛ぐらいた。その力使うんなら常時使っとけ。そうすりゃあ体が馴れてくる」
「……わかった、そうするよ」
「わかった、1つは身体能力強化だな。あと2つはどうする?」
龍一は考える。考えたのだか…
結局決められなかった
「今は保留ってことはできないか?必要だと思ったら叶えるってことで」
「ああ構わねぇよ、必要になったら呼んでくれや。」
「……どうやって呼ぶんだよ」
「頭ん中で俺を呼んでくれりゃぁ話せるよ」
「………なんでもありだな」
「神様ですからぁ〜」
なんか腹立つなぁ〜
「とりあえず力は決まったからぁ……次は戦闘服だな」
「戦闘服?!!」
「やっばヒーローっていやぁ戦闘服だろ!!仮●ライ●ーとか全身戦闘服で覆って、あれ?誰が闘ってんの、みたいな感じでわかんねぇ〜だろ!!」
「そういう例えはやめたほうがいいぞ」
「そうか、すまねぇ。とりあえず2つ戦闘服準備したから、着てみてくれ。つーかこの2つのどちらかにしろ。」
「?なんでだ?」
「おじさんまた作るのいやだからさぁ〜」
「!!手作り?!!」
「そうだぞぉ〜ありがたく着ろよ〜」
(神だからなんでも作れるんじゃねーの?)
そんなことを思いながら戦闘服を着る龍一
…10分後
「おお〜、よく似合ってんじゃねぇか。おじさん手作りしたかいがあったわ〜うん。」
龍一の着た戦闘服はフード付きで全身を覆い長さが足のすねまである黒いコート
そして白い仮面っていうか髑髏の仮面
最後に柄の長さが2メートルあり、刃が1.5メートルある鎌
「つーかこれ…ヒーローじゃなくて…悪役じゃね? 死神じゃね?」
うん、もうバッチリ死神だった
「こんな格好でヒーローに見えるはずねぇぇぇだろがぁぁぁぁぁぁぁ!!おま、コレ助けられる側からみたら「あれ?悪い奴と悪い奴が闘ってる?あれ?結局おれら助かんねぇんじゃね?」みたいな感じになっちまうぞ(怒)!!」
「そこは優しさでカバーして」
「できるかぁぁぁぁぁぁ!!」
キレ気味にツッコむ龍一
「そんなに嫌だったら、もう1つのほう着てみろやぁ」
「言われなくて……も………」
もう1つをみたとき、龍一はどん引きした
もう1つのほうは、神々しく輝いているのだが………真っ白な全身タイツだった。しかも翼がついてある
「こっちも結構自信さk 「すいませんごめんなさい勘弁してくださいこっちでいいです死神でいいです」
土下座してお願いした
「そ〜か?そっちのほうがいいのか?もったいね〜な〜…」
しぶしぶ片付けるヤクザ
(そんなの着て助けに行ったら変質者じゃねーか!!助けて警察に捕まるなんて笑えねーんだよ!!)
そう思った龍一だが口にはださなかった