第4話 妹の初指揮
探索者ギルド。
掲示板の前に、
人だかり。
新しい任務票。
【郊外工業地帯
残滓掃討】
あみは、
じっと見ている。
「リーダー、
葛城あみ」
自分の名前。
胸が、
少しだけ
重くなる。
松岡優子が、
声をかける。
「初指揮、
ですね」
「はい」
「無理は
しないで」
「しません」
即答。
部隊。
三人。
前衛の剣士。
後衛の銃士。
そして、
あみ。
「基本は
索敵優先」
「敵を見つけたら
数を確認」
「多ければ
撤退」
二人は、
頷く。
工業地帯。
壊れた
工場。
錆びた
配管。
静か。
静かすぎる。
銃士が、
小声。
「気配、
ある」
あみは、
手で合図。
止まれ。
影。
人型。
だが、
顔がない。
「一体……」
前衛が、
近づく。
突然。
影が、
分裂。
二体。
「しまっ――」
前衛が、
斬る。
一体は、
倒れる。
もう一体。
背後へ。
銃士が、
撃つ。
弾かれる。
あみが、
光弾。
命中。
消滅。
だが。
周囲から、
さらに影。
「数、
六!」
銃士が叫ぶ。
あみは、
一瞬迷う。
戦える。
だが、
危険。
「撤退!」
声が、
少しだけ
震える。
前衛が、
頷く。
走る。
だが。
影の一体が、
前衛の足を
掴む。
「くっ!」
あみは、
振り返る。
一瞬の判断。
突っ込む。
光を集中。
影を焼く。
だが、
その隙に
別の影。
あみの脇腹。
切り裂かれる。
「――っ!」
血。
「リーダー!」
銃士が、
援護射撃。
前衛が、
立ち上がる。
全員、
走る。
何とか、
脱出。
帰還。
医務室。
ベッド。
あみは、
天井を見る。
「私の
判断ミスだ」
亮が、
横に立つ。
「違う」
「撤退判断は
正しかった」
「助けに行ったのは
ミスだ」
「でも、
見捨てなかった」
あみの目から、
涙。
「リーダーって、
怖い」
「知ってる」
亮は、
短く言う。
あみは、
拳を握る。
「それでも、
やる」
「強くなる」
亮は、
頷く。
妹は、
確実に
前に進んでいる。




