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第2話 新生探索者ギルド

 


 朝。


 


 探索者ギルド前。


 


 仮設だった建物の横に、

 新しい鉄骨が組まれていた。


 


 クレーンが唸る。


 


 金属音。


 


 人の声。


 


 街と同じように、

 ギルドも

 生まれ変わろうとしている。


 


 


 亮は、

 少し離れた場所から

 その様子を見ていた。


 


 


「中、

 入らないの?」


 


 あみが言う。


 


「用はない」


 


「嘘」


 


 亮は、

 肩をすくめる。


 


 


 中。


 


 仮設受付。


 


 松岡優子が、

 書類の山に

 埋もれていた。


 


「人手が

 足りない……」


 


 ぶつぶつ。


 


 


 桜庭源次が、

 奥から出てくる。


 


「亮」


 


 


 名前を呼ばれて、

 亮は小さくため息をつく。


 


 


「顧問の件は

 断ったはずです」


 


「正式な職じゃない」


 


「助言だけでいい」


 


 


 桜庭は、

 真っ直ぐ見る。


 


「戦う組織を

 やめたい」


 


 


 亮は、

 黙る。


 


 


「これからのギルドは、

 守る組織だ」


 


 


「魔物討伐だけじゃない」


 


 


「避難誘導」


 


「防衛線構築」


 


「物資輸送」


 


 


「その指針を

 一緒に考えてほしい」


 


 


 亮は、

 ゆっくり息を吐く。


 


 


「顔は出さない」


 


「名前も出さない」


 


「それでいいなら」


 


 


 桜庭は、

 笑った。


 


「十分だ」


 


 


 


 会議室。


 


 


 簡易机。


 


 折り畳み椅子。


 


 


 若い探索者たち。


 


 


 不安そうな顔。


 


 


 亮は、

 後ろの席。


 


 


 桜庭が話す。


 


「これからは

 無茶な単独行動は禁止だ」


 


 


「必ず二人以上」


 


 


「撤退基準を

 明確にする」


 


 


 ざわめき。


 


 


 亮が、

 静かに口を開く。


 


 


「生きて帰るのが

 一番の仕事だ」


 


 


 全員が、

 見る。


 


 


「倒すより、

 守れ」


 


 


「勝つより、

 生きろ」


 


 


 短い言葉。


 


 


 だが、

 重い。


 


 


 


 会議後。


 


 


 あみが、

 亮の横に来る。


 


「いいこと

 言ってた」


 


「借り物だ」


 


「誰の?」


 


「死んだ仲間」


 


 


 あみは、

 それ以上

 聞かなかった。


 


 


 夕方。


 


 


 ギルド裏。


 


 


 桜庭が、

 亮に言う。


 


「世界は、

 変わった」


 


「だが、

 人は変わらない」


 


 


「欲も、

 野心もある」


 


 


「その歪みが、

 いつか

 新しい災厄を生む」


 


 


 亮は、

 頷く。


 


 


「その時は?」


 


 


「その時は、

 俺が行く」


 


 


 桜庭は、

 笑う。


 


「それでいい」


 


 


 帰り道。


 


 


 夕焼け。


 


 


 あみが言う。


 


「お兄ちゃんさ」


 


「結局、

 やめてないよね」


 


「何を」


 


「守るの」


 


 


 亮は、

 空を見る。


 


 


「やめられない

 だけだ」


 


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