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お父様からの許可を頂いたので早速図書館に向かう


お父様の部屋から図書室までの距離はそんなにないので直ぐに着く………はずだった………




「だーかーらー!!エラは俺と庭で遊ぶんだよ!!」

「あんたの遊びは危ないのよ!!!エラは私とお人形遊びするの!!」

「お人形遊びなんてつまんねぇよ!エラは外の空気をたくさん吸ったほうがいいんだよ!」

「はぁ!?あんたの庭で遊ぶのは木に登ったり走り回ったり虫捕まえたりでしょ!!エラの体力がもたないわよ!!!」

私を間に挟んでギャーギャーと言い合いしてるエリ姉様とイル兄様……


この感じ…妹と弟を思い出す……よくおもちゃの取り合いでケンカしてたな……その度に私が間にはいってどうにかしたっけ……私のお気に入りを妹に貸したりあげたり……

まだ言い合いを続けてる2人を見て妹と弟を思い出しいつものように仲裁しようと思い声を掛けようとし

「二人とも……」

そういったあと言葉が詰まった……


また繰り返すの???


そう頭の中で私"望"の声が聞こえた…


そうだ…もう、あんな生活はうんざりだ…

詰まった言葉の後私は

「二人とも……私は一人で図書室に行きたいから放っておいて」

そうはっきり言った

初めてだった…ちゃんと断ったのは

心臓がバクバクいってる…手汗が止まらない…怖くてスカートをぎゅっと握りしめた…二人の反応が怖くて顔が見れない…

こんなこと言って嫌われたらどうしよう…もしかしたら両親に報告して怒られちゃうかも…

自分で言ったことに少し後悔しつつも初めて断ったことに嬉しさと言ってやった感がある


「えぇー!!ごめんね!そうよね、エラにだってやりたいことあったわよね…」

そう申し訳なさそうに言うエリ姉様

「そうだったのか…じゃあさ、今度俺と一緒に庭で遊ぶ約束しようぜ!」

イル兄様は残念そうにしたあと直ぐに笑って遊ぶ約束を提案してきた

「な!それだったら私も!今度お人形遊びしましょう!」

同じようにエリ姉様も遊ぶ約束をしてきた


私は戸惑いながらも

「明日なら…」

と小さく呟いた

「じゃあ明日!遊ぼう!約束な!」

「ずるい!私も明日がいい!!」

「俺は午後から勉強あるけどエリーは午前中にレッスンがあるだろ」

「そっか!エラ!イルが午前中遊んでその後午後から私と遊びましょう!!」

嬉しそうに提案してきたエリ姉様

「…はい…それで大丈夫です…」

小さく頷く私

「じゃあ決まりね!明日が楽しみだわ!」

嬉しそうに笑うエリ姉様

「図書室はここ曲がってすぐだからな」

「中には司書の方がいらっしゃるからわからなかったら彼女に声をかけたらいいわよ」

そう言って二人ともまた後でと言って去っていった


怒られなかった…嫌われなかった…

心臓がバクバクしてる…顔が熱い…

足取りが速くなる…

すごい…!私、ちゃんと言えた!今まで断ることが出来なかったのに…嫌なことは嫌って言っても大丈夫なんだ…


私は今までの我慢し続けたのが馬鹿らしくなるくらい嬉しかった

嬉しくて図書室まで走って行った

何時もなら周りの目を気にして走り回ることなんて出来なかったが今はなんでも出来る気がして全速力で走った


図書室についた時には息が上がっていた、いつもなら苦しいばかりだったが今回は苦しさより楽しさが上回っていた


しばらく呼吸を整え落ち着いたので図書室の扉を開いた

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