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「うーん……記憶のこと以外は特に異常は診られませんね…」

お医者様であろう人が両親にそう言った

「では、記憶喪失の原因は?」

「多分…長期間、高熱が原因かと…もしかしたらふとしたことで記憶が戻るかもしれませんが…戻るまでに何年かかるかは不明です」

「そんな………」

悲しそうにする母親

「記憶がなくてもあの子が生きているだけでよかったよ」

悲しんでる母親を慰める父親

「大丈夫ですよ!お母様!いつもの日常をおくっていればまた新しい思い出ができますし!記憶を思い出すかもしれません!」

「そうですわ!これから新しい思い出をたくさん作っていきましょう!」

「記憶がなくてもエラはエラだ!」

母親を励ます三兄弟


まさに私が望んでた理想の家族……

そんな幸せそうな家族の1人を私が奪ってしまったのではないかと不安でしょうがない…

ナヴァエラというこの身体の持ち主はどこにいったのか…私の中には彼女らしきものの痕跡がない…

もしかしたら彼女は亡くなってしまい私が彼女の中にはいってしまったのだろうか……

だとしたら申し訳ない……彼女が亡くなったことを悲しむものも追悼するものもいないということだ…

私がこの話をしても信じてはくれないだろう…それに彼女が死んだとは限らないか…私のように何処かに憑依したか転生したかもしれない……そう思いたい…




「貴女の名前はディオーノ・ナヴァエラよ…私貴女の母親のクラリナスそして父親のルヴァンノに1番目の兄アガエルと姉のエヴァリスに2番目の兄のイドナエールよ」

どうやら私の見立ては合っていたようだった

私が末っ子なんだ……なんだか不思議な感じ…

なんて言えば迷っていると

「大丈夫よ、ゆっくり慣れていけばいいわ」

心配した母親が優しくそう言ってくれた…その優しさに涙がでそうになりながら

「はいっ……」

と小さく呟いた

「さ、今日はもう寝なさい」

そう言って私を寝かせ優しく布団をかけてくれた父親

「また明日会おうねエラ」

「明日は私の大事なぬいぐるみを持ってくるわ!」

「俺だって面白そうな絵本持ってくるから!」

そう言って私の頭にキスをしてでていった3兄弟

「おやすみなさい」

「良い夢を」 

2人は優しく頭を撫でながら部屋を出ていった

なんだかふわふわした…撫でられたのはどれくらいぶりだろうか……

嬉しくて恥ずかしくて今日のことが夢のように感じてもし夢なら覚めたくないなぁ…

そう思いながらいつの間にか眠ってしまった…





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