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閑話


望が亡くなったことを聞きつけた母親の姉…望の叔母が駆けつけてくれた

叔母は呆然としている家族に

「しっかりしなさい!望ちゃんのためにお葬式するんでしょ?」

叔母は母親の肩をガシリとつかみ言ったが…

「望……ごめん…ごめんなさい……」

母親はブツブツと呟くばかりでこちらの声は届いてないようだった


「滋さん!お葬式の手配はどうするの!?」

そんな母親を見てだめだと思い父親義弟に声をかけた

「あ、あー……お葬式……葬式な……どこで……」

叔母の言ってることは理解できているがぼーっとしていてハッキリとした答えが聞けない


「もう!!奏ちゃん!佑くん!どうするの!?2人がこの調子だから……手続きするのはあなたたちしかいなさそうなんだけど…」

そう言って姉弟を見てお葬式のパンフレットを差し出す

「え…あ……そうだね……どうしよう…どうしたらいい?」

「わかんねぇよ…!こーゆのは姉である奏での役目だろ!」

「!なによ!!あんただって男で長男でしょ!?役に立ってよ!」

「だって、俺葬式のこととか分かんねえもん!!」

「そんなの私だって!!」

姉弟喧嘩を始める2人

「ちょっと!今はそんなこと言ってる場合!?時間ないんだよ!?望ちゃんもおうちに連れてくるのか…お葬式にそのまま運ぶのかも決めないと…」

叔母が2人にそう言うと黙ってしまった


「お葬式は……とりあえず…前におばあちゃんのお葬式の所に頼むとして……指示する人がいないと!」

「……そういうのは…何時もお姉ちゃんがやってくれたもん…」

涙声で話す妹

「いい加減にしなさい!!!奏!あんた、もう成人していて今年から社会人でしょ!?何時までも甘ったれたこと言うんじゃない!!望がいないならあんたも!佑も!しっかりしなさい!!」

叱る叔母に泣きながら

「お姉ちゃん!なんで…!私…無理だよ!…お姉ちゃんみたいに出来ない!」

涙をボロボロ流しながら子供みたいに駄々をこねる妹

「姉ちゃん………」

唇を噛み泣くのを堪えてる弟


「はぁ……あんたたち家族は望ちゃんがいないと何も出来ないのね……じゃあ…こっちで勝手に決めるから…せめてお葬式当日は恥ずかしい姿晒さないでね」

そう言って叔母は後で連絡をすると言ってパンフレットを持って家を出ていった


『…望が…いないと……何も出来ない…?……前だったらそんなことないって言い返せたかもしれないけど……その通りだわ……私たち家族は…望がいないと何も出来ないのね……』

そう思いながらまた、落ち込む母親…




『望に……会いたい…会って抱き締めたい……』





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