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「その英雄が、賢者様でございます」
…賢者??
「賢者って…?」
「賢者様は…魔族を倒すべき知識を持ち聖女を召喚する魔法をお持ちです」
「ってことは…聖女を召喚したのは賢者なの?」
「そうです!聖女様と王子様に魔族の倒し方を教えたのも賢者様で他の仲間を引き入れたのも賢者様です」
「…他の仲間?」
「あ!説明不足でしたね…実は王子と聖女以外にも仲間がいます」
…そりゃぁそっか…2人だけで魔族は倒せないよね…
「仲間はどんな人たちが?」
「先程お話の中の公爵家ではメランテーラ公爵家とシュヴァーシス公爵家が王子の仲間でした。シュヴァーシス公爵家は先ほど説明した通り聖女の末裔です。メランテーラ公爵家は……うーん…影のお役目の方なんですが……魔族の…状況等を報告したり魔族の住んでる場所を探したりとか…そのような感じですね」
なるほど…密偵みたいな感じかな?
「他にもいるの?その人たちは貴族なの?」
「もちろん他にもいらっしゃいます!ほとんどは貴族なのですが……後は、まあ…跡継ぎがいなくなり滅んでしまった方もいらっしゃいます…」
「…じゃあさ…」
「すいません…お嬢様…そろそろ…お食事の時間ですね…」
え!?もう!?
「…また、今度お話ききたい……」
そう言うとジャンヌは優しく微笑み
「もちろんです!お嬢様は賢いのでお勉強するのを早めてもよさそうですね…後でご当主様にお伝えいたしますね!」
それは助かる
「じゃあ…最初に文字の勉強したい!」
「文字ですね!わかりました!ご当主様にお伝えし次第日程を決めていきましょう!」
「…あ、ありがとう…」
「いえいえ、ではまたお会いしましょう」
ジャンヌにお礼を言って図書室を後にした
廊下を歩いているとメイドがこちらに向かってきた
「お嬢様…お食事のお時間です」
もう、食事の時間か……
「じゃあ…お部屋に戻りますね」
「あ、いえいえ…今日から皆様とお食事になります候爵様からお身体の調子が戻って来たみたいなので一緒に食事をしたいとのことです」
「いいの?」
「もちろんでございます。皆様お待ちしてますよ」
メイドさんはにっこりと微笑み皆が待ってる場所まで案内してくれた