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私の最初の人生は我慢の積み重ねだった…


年の離れた三人兄弟の長女で両親は仕事で忙しく私は下の妹と弟の面倒をよくみていた


友達に遊ぼうと誘われても「妹たちの面倒をみなきゃいけないから」と断り続けたらいつからか誘われることはなくなり友達はいなくなった


私が大切にしていたキーホルダーを妹が欲しがったが大切なものだから渡したくなかったが母が「お姉ちゃんなんだから下の子に譲りなさい!」と言われたから譲った


何年経とうがお姉ちゃんなんだからと何度も言われ我慢してきた

社会人になって家を出てからもそれは同じだった


職場では同期に仕事を押し付けられ残業の毎日

断る勇気もなく頼まれた仕事を受け入れてしまう日々が嫌だった…だけど私には我慢することしかできない…断ることができない…嫌だっていうことができない……


あの日も仕事を押し付けられ夜遅く早く帰宅しようと駅から自宅の間の歩道橋の階段を上ってると電話がかかってきた


『もしもし?お姉ちゃん?実はね(かなで)がね卒業旅行で沖縄に行くんですって空港まで奏でのこと送っててくれる?場所は…』

母が連絡をするときは何かを頼みたい時だけだった…

『あとね、送り届けたあと(たすく)を「ねえ……私は何時までお姉ちゃんをしなきゃいけないの?」

何時もだったらこんなことは言えわなかった…だけど私は限界だった…頭がボーッとする…足元がふらつく…周りが霞む…

『え?…どうしたの…?急に……お姉ちゃんはずっとお姉ちゃんでしょ?』

その言葉を聞いた瞬間頭に血が上る感覚をはじめて知った

「私は!!お姉ちゃんっていう名前じゃない!!(のぞみ)っていう名前があるの!!!私を!!」

母に私の気持ちを伝えようとした瞬間

足元がふらついてしまいよろけてしまった

咄嗟に転ばないように手を伸ばしたが間に合わなかった

どうにか受け身をとろうとしたかったが間に合わなかった


ドンッ!!!

身体にすごい衝撃が走った身体中が痛い…意識が朦朧としてきた…

スマホからは

『お姉ちゃん!?お姉ちゃん!!?ど……!……じょ……!!』

その声を聞いたとき

(だから、私はお姉ちゃんじゃないって…)

そう思いながら私の意識はなくなった









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