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目には目を、歯には歯を、能力には、能力を  作者: 妄想お面
冒険の始まり

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4/12

ようこそ王都へ

キャラ名考えるのしんどい

 ルシアンが不滅ノ翼に入ることが決まってから。


 盗賊達の身柄をおさえてギルドに連絡したところ遺物管理局が出向くことになったようで少しの間この洞窟で過ごすことになった。


 なお、不滅ノ翼では遠くの人と会話できる遺物があるそうで、ギルドに登録しているメンバーなら使えるようにしているそうだ。


 私とルシアン、主に私は遺物管理局の人がくるまで不滅ノ翼入団テストをクリアするために座学と遺物の力を引き出す訓練をしていた。


 いゃ〜、戦闘のときもみたけどルシアンさんホントすごいね。


 フリーでやっているだけあって、遺物の知識と扱い方は十分に合格圏内のようだ。


 対する私はダークがつまらんと駄々を捏ねて練習にならない。更には座学がイマイチ。私は入団できるか不安しかありません。


 「盗賊団の検挙にご協力して頂きありがとうございます!」


 盗賊団を倒してから数日後の早朝、誰かの声が洞窟内に響きわたる。


 「いやいや、ギルドとしての義務をはたしたたまでだよ。それに君が来てくれるとは運がいい。」


 アイクの話し方的に声の主は知り合いなのだろう。


 

「やぁ〜、ミノリ君。起きていたのかい?ちょうどいい、ルシアンも起こしてきてくれ。遺物管理局員のカエルム君が送ってくれるって」


 アイクの声に促され、私は寝ぼけまなこで立ち上がった。


 アイクもさっきまで寝ていたというのに、すでにテンション高めに会話してるあたり、この人やっぱり元気だな〜と。


 変なことを考えながらルシアンを起こしてアイクの元に向かう。


 まだ朝もやの残る洞窟内に、しっかりした足取りで入ってきたのは、スーツ姿の男性だった。


「初めまして、遺物管理局第1課に所属しているカエルムです。今回はアイクさんからの通報を受けて盗賊団の回収に来ました」


 彼は整った顔立ちをしていたが、その表情には慢性的な疲れがにじんでいた。スーツの袖から覗くカバンには、書類仕事の履歴がずらりと並んでいる。


「お疲れ様〜。盗賊団の件は僕たちのギルドの義務ってことでやらせてもらったけど、報告書の提出先が遺物管理局ってのがちょっとねぇ。お役所って面倒なんだよね〜」


「そこは我慢してください。ルールですので。……それに、ギルドの皆さんが優秀なおかげで、我々も少しは楽できますし」


「え〜、それ僕のこと?褒められちゃった〜。ありがと、カエルム君」


(褒められてるっていうか、たぶん“巻き込まないでください”って意味の感謝だよそれ……)


 カエルムは視線を私とルシアンに向けた。


「そちらのお二人は……」


「あぁ〜!この2人ね!ミノリ君とルシアン君だよー!僕のイチオシ新星(ニュービー)ちゃんたち! この盗賊団検挙でめちゃくちゃ活躍してくれたんだ〜。」


 紹介に応じて軽く会釈をする私と、ぶっきらぼうに「ああ」とだけ返すルシアン。


 カエルムの視線がルシアンの腰に視線を落とした後、手元の記録端末を操作する。


「ルシアンさんですね。失礼ですが、遺物免許証の提示をお願いしても?」


「あー……あるにはある」


 ルシアンが申し訳なさそうに差し出したのは、真っ二つに割れた免許証。上半分と下半分が、申し訳程度にテープでくっつけられている。


「……これは……初めてのケースですので少々お待ちください………どうやら無効扱いになります。再発行の手続きをしていただかないと」


「大丈夫大丈夫、僕が一緒にいれば問題ないでしょ?不滅ノ翼の責任者ってことで、」


 カエルムは一瞬言葉を詰まらせたが、諦めたようにため息を吐く。


「確かに、登録ギルドの責任者が現場で認めた場合、一時的な使用は可能ですが……それにしても免許証が壊れるなんていうケースは初めてです。」


「俺も初めてです。」


「はあ……」


 完全に「また仕事が増えた…」という顔のカエルムさん。目元のクマがちょっと濃くなった気がする。


「じゃ、王都に向かいましょっか〜。」


「すでに記憶座標に登録してある場所ですので。皆さん、私の肩に手をかけるか間接的に触れてください。盗賊達を縛っている縄を持つのを忘れないでくださいね。」


 そう言いながらカエルムさんが取り出した水晶は、やたらとハート型にデコられていて、やや場違いな存在感を放っていた。


「……その見た目、なんなんです?」


「私の遺物です。効果は“恋人と行った場所”でしたら転移できるというものです。ちゃんと業務上でしか使用してません。」


 どこか焦ったように言い訳するカエルムさんに、アイクがニヤニヤしながら近づく。


「へぇ〜? じゃあ、その人と王都でデートしたんだ〜?ねぇ、どんな人なの〜?」


「業務上の同行です!デートではありません。」


 カエルムの声が若干裏返ったあたり、図星だったのかもしれない。


「はいはい、じゃ、みんな位置について〜」


 私達はカエルムさんにつかまる。


「それでは皆様をタルマカ王国、王都メリアンドラへご招待致します。……っと、微妙に座標の揺れが出てます。……何か、今……まあ、誤差の範囲でしょう。」


 ——転移、発動。


 瞬間、視界がぐるりと反転し、次に感じたのは -冷たい水の感触だった。


「ぶっはぁあああ!!」


「ちょ、書類!書類が!!」


「……俺、やっぱり運ないな……」


 ……なんか、いろいろと王都スタートとして不安すぎる


 私はびしょ濡れのシャツを絞りながら、空を見上げた。


 ※


 カエルムさんと別れた後わたし達は不滅ノ翼のギルド本部に向かう道中、びしょ濡れになった服を変えるために商業区で服を買いに行き、その後アイクがおすすめの団子屋があるということでそこに向かうことになった。


 私はタルマカ王国に出身ではあるものの辺境の山で暮らしていたため王都に来ることはなかった。


 しかし私はついに!王都に来たのだ!


 私のテンションが高い理由はギルドの本部がここにあることから察している人も多いだろうが、この王都の中心に最古の遺跡ヒュベルが存在しているのである!


 ついに私のヒュベルへの挑戦が始まるのである!


 っと、その前にダンゴ!


 王都の甘味!


 ダンゴがどんな食べ物か知らないが、ヒュベルほどではないにしても王都の甘味というだけで私の心を惹きつける。


 期待を胸に抱いて上の空になっていた私は、汚い怒鳴り声により現実に引き戻される。 


 「おいおいおいおい……さっきから言ってんだろ!これで金取る気か?マジかよ婆さん。」


 一番前の赤毛チンピラが、団子の串を片手にカウンターに肘をつく。



 その隣で顎髭の太めの男が団子を乱暴に置き、細身のチンピラも嫌味な笑いを浮かべている。


「まずいにもほどがあんだろ、これ。あんこが呪われてんじゃねぇの?」



「俺は食って体力が減ったぞ?」



「さっき入り口でコケたのも、この団子のせいだな?呪術だろ、危険食だぞ?」


 野次馬が集まり始める中、3人はますます調子に乗る。


「まあ、今回は見逃してやるよ。オレら心が広いからな。」


「ただし、代金はチャラでな?」


 店主が困惑していると、のれんが音を立てて開いた。


 看板娘が静かに現れ、スッと前に出る。


「兄さんたち、昨日は別の店で同じこと言ってましたよね?金払いたくないから難癖つけてるって、あちこちで有名になってますよ。」


 その言葉に、空気が一瞬止まる。


 そして次の瞬間


 「テメェ……ガキが調子のってんじゃねぇぞ!!」


 赤毛のチンピラが顔をしかめ、看板娘に手を振り上げる。


 しかしその腕はピタリと空中で止まった。


「……へ?」


 いつの間にかチンピラの背後に立っていた刀を携えた黒髪の男が、団子串を逆手に握り、男の手首に突き刺していた。


 「マチ、余り挑発してやるな。」

 

 声も静かで、感情の起伏がほとんどない。でも私は、その声の奥に、“危険”を感じ取っていた。


 手首を刺されたチンピラは、呻きながらも歯を食いしばり、串を自力で引き抜いた。

 

 血が一筋、指を伝って床に落ちる。

 

「……てめぇ、ただの旅人じゃねぇな。」


 その声には、怒りだけじゃなく、焦りが混ざっていた。


 そして次の瞬間、3人のチンピラがほぼ同時に動いた。


 赤毛チンピラは、腰のホルダーから黒曜石のような短剣を抜き取った。



 抜いた瞬間、空気がピリつく。

 

 顎髭の太めのチンピラは、手の甲に貼り付けた銅板のような装飾を叩くと、その腕全体が赤く光った。

 

 細身のチンピラは、金属球を掌に転がすと、そこから小さな雷が走った。



 「俺の刃に触れたら……骨まで裂けんだよ!」

 

 「一撃で砕いてやるよ、その涼しいツラをな!」

 

 「一発、触れりゃ動けなくなる。そしたら、好きに嬲れるなァ?」


 口だけじゃない。

 あの動き、あの遺物、相当の実力者だと素人の私ですらそう感じさせられた。


 普通の旅人なら、立っていられるはずがない。


 でも、その男は、ただもう片方に持っていた団子を食しただけだった。


 構えるでもなく、気合を入れるでもなく。



 ただ、もう一本の串を用意しただけだった。

 

 チンピラたちが一斉に動いた。



 刃がうなり、拳が軌道を描き、雷が空間を走った。

 しかし


 すべては、届かなかった。


 男が振るった串が、刃をはじき、拳を打ち返し、雷をかき消した。

 

 串が、完全にそうなるべくして振るわれたような軌跡で、三人をいなした。

 

 次の瞬間、串が再び刺さった。


 刃を振るっていた男の肩に。


 拳を振りかざした男の腹に。


 雷を放っていた男の腿に。


 それぞれが、深くも浅くもないが、絶妙な角度で刺さった。


 チンピラたちの動きが止まった。



 みんな、目を見開いていた。痛みのせいだけじゃない。理解できていない、という目だった。


 私は、ただ見ていた。息をすることさえ忘れて。


 その男は、静かに串を引き抜いた。


 私に強烈な違和感を残して。


 「くそ!俺たちが水天同化の一員と知っての狼藉か!」


 「しらねぇよ、俺にとっちゃ、お前たちはただのクレーマー。それだけで十分だ。」


 チンピラはその場から逃げるように立ち去って行く。


 「あっ!食い逃げ!」


 看板娘がそう叫ぶと男は


 「さっきあいつらから財布をとっておいた。それで足りなければあとで俺が払おう。」


 といい、看板娘の方に目を向けた。

 

 「マチ、すまん、団子、まだ残ってるか?」


 男は何事もなかったかのように団子を食べ始める。


 「やっぱ、ここにいるよね。修羅丸君!ひさしぶり!さっきは大変だったね!」


 「お久しぶりです。アイク隊長。」


 どうやら男はアイクの知り合いで修羅丸というそうだ。


 アイクのことを隊長と言っていることから恐らく男は不滅ノ翼のメンバーなのだろう。


 「アイク隊長そちらにいるのが報告にあったもの達でしょうか?」


 「そうだよ!2人とも自己紹介して!」


 「ミノリ・テンドウです!よろしくお願いします!」


よし!噛まずにちゃんと言えた!私,偉い!


 「ルシアンです。よろしくお願いいたします。先程の戦いは見事でした。是非一度手合わせを願いたい。」


 ルシアンが握手を求めようとしていたのか歩みよろうとすると床が抜けてそのままこけてしまう。


 「これが報告にあった遺物による不幸体質か。おっと、俺としたことが自己紹介を失念していた。俺の名は修羅丸だ。不滅ノ翼一番隊で副隊長をやっている。よろしく頼む。」


 「僕の右腕的存在だよ!みんな仲良くするように!ちなみにこれからギルドまでの案内は修羅丸君に頼んであるから!あとマチ君!この子達がこれから食べる分の料金はあとで僕宛に請求しといて。」


 そう言い残すとアイクはその場から去っていった。


「とりあえず今のお前達が試験でどこまでやれるかの実力を把握したい。ルシアンだったか……よかったな、お前の希望通り、今から手合わせしてやる。」


 修羅丸の言葉に、ルシアンがうっすらと笑った。


 「ありがたいことですな、未来の先輩!」


 その口ぶりは軽く、構えた。《斧幸(ふこう)》からは、じわじわと圧のようなものが滲んでいた。

 

 と、そこで私、ミノリは、ほんの小さく手を挙げた。


「あの〜……手合わせって、私もですか?」


 申し訳ないが私は団子を早く食べたい。


 修羅丸は振り返らずに答える。


「そうだ。そもそもルシアンと違い、お前は探索者経験がない。だからお前の実力の確認の方が重要だ。

 ここで大した力がなければ――アイク隊長の面子を潰さないために、試験を受けるのを諦めてもらう。」


 言い方は冷たい。でもその目は、こちらの覚悟を試しているように思えた。


 私はゆっくりと腰の刀に手を添え、心の中で一つ呼吸を整える。

 

 この人、強い。


 だからといって夢を諦める理由にはならないない。


「分かりました。お願いします。」


私は覚悟を決める


「……時間がない。2人同時にかかってこい。」

 修羅丸が、低くそう告げた瞬間、場の空気が一変した。


 あの静かな声に、一切の躊躇がなかった。二人同時でも構わない、というよりも“その方が効率的だ”という顔だった。


 私とルシアンは、思わず顔を見合わせた。


 「やるしかねぇな、ミノリ。」


 「全力でいこう。」


 修羅丸さんはまた団子の串で戦うつもりのようだ。



 それでも、視線一つすら無駄にせず構えている修羅丸さんに、私は緊張を隠せなかった。


 開始の瞬間


 「行くぞ!」


 ルシアンが真っ先に踏み込んだ。


 斜め上から力任せに叩き落とすそれだけで場の空気が凍るような、重い一撃。


 その影に紛れるように、私は右側から回り込み、一

拍遅れで一撃を放つ。


 斧と剣の挟撃。常人なら、受けきれない形だ。

 

 だが…

 

 修羅丸さんは一歩も動かなかった。


 団子串を右手で一閃。


 ルシアンの斧と私の刀を、木片がはじいた。


「ッ……!?」


 驚きの声が漏れる。だが私は止まらない。追撃するためにそのまま切り掛かる。。


 修羅丸は、ただ左へわずかに体を傾け、私の刃が空を切る。


 それだけでは終わらない。


 ルシアンが低く構えを取り直し、地を這うように突進しながら横薙ぎの斧。


 私は上段から斬り下ろす、斬撃と打撃の“十字”。

 

 「決めるぞ、ミノリ!」


 「了解!」


 修羅丸はその刹那、二本目の串を指に挟み、両手を軽く広げた。


 風が鳴った。


 串が右に閃いて、私の刀の軌道をズラし、もう一本が、ルシアンの肩口に正確に刺さった。


 私は直後、横から伸びてきた右手の串が、自分の喉元寸前で止まったのを感じた。


 修羅丸は、一歩も動いていない。


 ただ、その場に立ったまま、すべてを受け止め、さばき、制圧した。


 「……終わりだ。」


 その言葉とともに、場の緊張がほどけた。


 ルシアンが肩で息をしながら、苦笑する。


 「……ハッ、冗談キツいって……団子串でよ……」


 私は無言で刀を納め、静かに息を吐いた。


 悔しさはあった。けれどそれ以上に、心の奥が“認めている”ことを否定できなかった。


 この人は、私たちの“上”にいる。


 それに私が感じていた違和感の正体が分かった。


 修羅丸さんは遺物を使用していない。


 刀も遺物の独特のオーラがないただの刀だろう。


 この人は遺物を使わずにこのレベルで戦うことができるのだ。


 本当にこの人には敵わない。


 修羅丸は静かに串を納めながら言った。

 

 「……合格だ。二人とも、しっかり実力を持ってる。ギルドに入っても恥はかかないだろう。」


 そう言った修羅丸の背中が、どこか少しだけ柔

らかく見えた。


『もう終わりか?つまらんな。』


 不意に、頭の奥で自分じゃない声が響いた。

 

 ダーク。


 最近大人しいと思っていたが急にでてきた。

 

『でもまぁ、悪くないな。あの男。これが強い相手を見るとゾクゾクするというやつか?』


 笑う。

 次の瞬間、私は意識の奥へと引きずり込まれた。


 ゆっくりと立ち上がった私――いや、今の身体の主はダークだ。


 動きが私と違う。



 肩の力の抜け方、指の角度、どこかしらにダークが滲み出ていた。


「修羅丸だったか?」


 笑っている。けれどその笑みは、明らかに私のものではない。


「今のは小娘としての戦い。次は我の番で良いな?」


 刹那。


 空気が、切れた。


 何かが走ったのを私は感じた。目には見えない。けれど、確かに斬撃が、空間を裂いた音がした。


 修羅丸さんの髪が、わずかに宙に舞った。


 本人も、軽く目を細めた。


「……それが報告にあった意思がある遺物か。」

 

 修羅丸の手が、刀の柄に触れた。


 それを見た瞬間、私は内心で息を飲んだ。



 修羅丸さんが、刀を抜く。


「ならば、俺も応じよう。」


 シュウ、と音を立てて、銀色の刃が鞘から現れる。

 それは美しいというよりも、整いすぎていて冷たい印象さえあった。


 斬撃が、空気の層を切り裂いて迫る。



 ダークは笑ったまま、刀を振るった。



 そのたびに、空気が細かく断ち割られ、風が狂ったように動き始める。


 「ほれ、頑張れ、もっと我を楽しませろ。」


 修羅丸はそれらすべてを、一歩も退かずに受け止めていた。


 否、刃を振って打ち消していた。


 刀が描く軌道が、空気の流れとぶつかるたびに、不可視の刃が弾かれる音が聞こえる。


 「時間か…」

 

 ダークの動きが一瞬だけ止まった。

 

 その隙間を、修羅丸は逃さなかった。


 踏み込み、一閃。

 空を裂くような直線の一太刀が、ダークの身体 、正確には私の身体の前で止まった。

 

 刹那、私の意識が引き戻された。


 身体の中に、ダークの存在がスッと引いていく感覚。


 『面白かったが、もう終わりか。』


 そんな声を最後に、私は自分の手足を再び動かせるようになった。


 「ありがとうございます。修羅丸さん。」


 「気にするな、ダークだったかあれはかなり強いな。ダークが乗っ取れる時間に制限がなければどうなっていたかわからなかった。だがその分強力な遺物ということだ。それを使いこなしたお前は確実に不滅ノ翼の戦力になる。改めてルシアンとミノリが試験に合格することを楽しみにしている。」


 「「ありがとうございます!」」


 内心、遺物を暴走させるやつなんかを入れられないと言われると思っていたけどお咎めは無しのようだ。


 早くダークを使いこなさないと。


 「修羅丸さん、終わりましたか?」


 看板娘が団子を持ちながらやってきた。


 「あぁ、今終わった。申し訳ない。この辺をボロボロにしてしまい。」


 あたりを見るとダークが暴れたことによる被害がかなり出ている。


 「気にしないでください。ここら一帯は不滅ノ翼の採用試験会場にもなるから壊れることを了承してみんな過ごしてます。それに修羅丸さんが久しぶりに刀を抜いたのを見れたので楽しかったです!」


 いつの間にか集まっていた野次馬達も歓声を上げていた。


 「よかった。団子ができるまでには間に合ったようだ。」


 修羅丸さんが団子に目を向けるとそう呟いた。


 この人、時間がないって団子のことだったの!


 そんなことを思っていたが目の前の光景を見て何も言えなくなった。


 そこには美味しそうに団子を食べる修羅丸さんがいた。


 さっきまでとは別人のようにそれはキュンとするような可愛さがあった。


 これが、俗に言うギャップ萌えというやつなのだろうか?


 そんなことを考えながら私も団子を食べることにした。

 あとがき

 最後まで読んでいただきありがとうございました!

 感じがいがないように一応補足をここでさせてください。

 修羅丸が遺物を使っていないということでミノリもそうなのでは?と思った方もいると思います。

確かにミノリは遺物の能力は使ってはいません。

しかしミノリの遺物であるダークは通常の刀とは比べ物にならない強度を誇っているため、能力を使っていなくても多少無茶しても壊れないというアドバンテージがあるためミノリは全力で自分の持っている技能を扱うことができます。

アドバンテージがあるとはいえミノリの技術は本物です。だからこそ彼女は例え能力のある遺物でも対処できるのです。

そもそもなんの効果もない団子の串や刀で遺物とやり合っている修羅丸がおかしいだけです。

 次回はついにヒュベル突入!

ここまで長かった。

本当に申し訳ありません!

是非楽しみにしてください!


次回は明日投稿します

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