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目には目を、歯には歯を、能力には、能力を  作者: 妄想お面
冒険の始まり

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不運な少年

今回は物語の世界観も含まれます。

「おい女!金目のもの全て置いていきな!」


 1人の女を数人で囲む盗賊たち。


 これがよくある異世界ファンタジー小説ならこれを主人公が助ける。


 助けた女性が一国のお姫様という権力者とのコネを作るというご都合展開になるだろう。


 しかし残念なことにこの盗賊達は生き残るための生物の本能がなかったのだろう。


 彼らが囲んでいる女は姫でもなければただの女でもない。


 「黙ってないでいいから金目のもの置いていけ!」


 盗賊の一人が女の手を掴む。だが、それが引き金となった。


 「――ッ!?」


 声にならない断末魔。手を掴んだ男の喉が裂け、血が噴き出す。そのまま彼の足元が崩れ、地に倒れ込んだ。


 「なっ……!」


 この光景を目の当たりにした他の盗賊たちはその場から動くことができない。


 目の前の女は自分たちがかなう相手ではない。


 自分たちはとんでもない人物に手を出してしまったのだとこの瞬間さとった。


 盗賊達は女性の様子を伺う。


 「この道を通って正解だったわ。ボスから今は仕事以外では堅気に手を出すなって言われていたからそれ以外で殺せる人を探してたの。ごめんなさいね、あなたたち私のタイプじゃないけど今すぐ誰かを殺さないと私の興奮が落ち着かないの。1人殺せば充分かと思ったけどあの子のことを思い出すとまだ興奮が止まらない!このまま拠点に帰るわけにはいかないからあなたたちで発散させてもらうわね。おっと、私としたことが忘れてたは。主よ、私にこのような機会を与えてくださりありがとうございます。」


 女性もといトールはそう祈りを捧げたのち、動き出した。


 ナイフの刃が血しぶきと共に踊る。


 叫び声と血の匂いが満ちる。


 一人、また一人と盗賊が倒れていく。


 振るわれるナイフは寸分の狂いもなく急所を裂き、命を奪う。


 誰一人として反撃すらできない。


 「待っ……!」


 最後の一人が膝をつき、震えながら両手を掲げる。


 「頼む……助けてくれ……!」


 赤い瞳が静かに彼を見下ろした。


 ナイフを握る指が、わずかに動いた。


 盗賊の男は身を強張らせる。


 だが――


 「……萎えた。」


 ぽつりと、それだけ呟くとトールはナイフをしまいその場をさる。


 男はただ呆然とトールの後ろ姿を眺めていたが力尽き崩れるように尻をついた。


 男は目の前に広がる惨劇を眺めていた。



 「ミノリ君は遺物についてどこまで知ってるの?」


 トールとの戦闘を終えた私たちはヒュベルがあるハウリット王国に向かっている最中である。


 そんなときにアイクは先程の質問をしてきた。


 「私が知っている遺物の知識は2つですね。1つ遺物にはそれぞれ能力がある。2つその遺物は国が管理しているって認識です。」


 「うん、おおまかな感じだとそれでいいよ。けど探索者もとい冒険者を目指すならもっと詳しい知識を身につける必要があるね。」



 はい!ここからナレーション変わります!アイクです!


 今からこの物語の重要アイテムの遺物について解説するよ!



 まず、遺物にはそれぞれ能力があるって言ったね。


 例を出すなら僕の槍型の遺物の能力が伸縮自在ってところだね。


 この能力によって遺物はランク分けがされているんだ。

上からSSランク→Sランク→Aランク→Bランク→Cランク→Dランクって分かれているね。


 これは国家間で決められたものでランクが高い遺物ほど強い遺物ってなっているんだ。


 なら、高いランクの遺物を使った方がいいのではってなるけどそういうわけでもない。


 そもそも遺物の能力ってのは誰もが使えるわけではないんだ。


 遺物にはそれぞれ適合率というものが存在してその適合率の高さがその遺物の能力を引き出せる上限値となるんだ。


 極端な例で言えば、


 風を吹かせる遺物があったとする。


 このとき同じ遺物でもA君の風を吹かせる遺物の適合率が0ならA君はその遺物を使えない。


 B君の風を吹かせる遺物の適合率が100%ならB君はその遺物の力を100%引き出して扱うことができるようになる。


 この遺物の適合率は人と遺物それぞれの組み合わせで変わる。


 A君が風を吹かせる遺物の適合率が0でも火を扱う遺物なら100%になるかもしれない。


 逆にB君が火を扱う遺物の適合率が0%になることもある。


 この適合率は遺物の扱える能力が多彩なほど低くなる傾向があるんだ。

 

 だけど遺物のランクは多彩な能力をもつ遺物ほど高くなる傾向にあるから適合率は低くてもとりあえず高いランクの遺物を使おうとしている人が多いのが現状だね。

 

 次に遺物を国が管理することについて


 そもそも遺物を誰もが自由に使うことができたらこの社会に秩序がなくなってしまうよ。


 だから車の免許のようにそれぞれ遺物を使っていいかという許可が必要なんだ。


 この許可証はDランク以外はそれぞれ試験を受けて遺物免許というものを獲得する必要がある。


 この遺物免許は法律にも定められてるから忘れないように。


 このときに所属していると便利なのがギルドなんだ。


 ギルドは国が認可した遺跡(ヒュベル)を探索する会社みたいなもの。


 毎年、一定数の遺物を国に納めることによりある程度融通してもらっているんだ。


 例えば本来国が発行する遺物使用免許をギルド内で発行できるようにしたり、遺物の獲得量から納品する分の余剰分を所有する権利も得られるんだ。


 ※簡単に表すと車の免許も発行できてそのまま車を手に入れることができる場所。


 こんだけ融通してもらっているんだからその分毎年の遺物を収める量が多くて、これが達成できずに潰れるギルドも多い。


 納められた遺物はまず、Dランクとそれ以外で分けられる。Dランクの遺物は一般に普及される遺物で特に害はないと判断されたものである。


 これより上のランクになると免許が必要だから国が一度保管して専門店に卸すかそのまま国が保管するかの2択になる。


 この構造が国が遺物を管理していると言われる所以である。


 「大体こんな感じ、ちなみに僕というより今後ミノリ君と冒険することになる不滅の翼は国家間の中でも一二を争うトップギルドだよ。」


 「なるほど、大体わかりました。それで気になったのですが私ってガッツリ法律違反してません?」


 私はアイクの話を聞いて今私の腰にある刀を見る。


 「遺物の能力がまったくわからない場合は国のものもしくはギルド内で遺物免許Aランク以上の試験官の立ち会いのもとであれば免許所持者でなくとも使用する権利を認めるってものがあるんだけど、この場合僕は後者の人間だから僕の立ち会いのもとであればミノリ君はその遺物を使えるよ。まぁ、その遺物はいろいろ規格外だけど。あと、敬語使うのやめてね。今まで通りに接してくれた方が僕としては嬉しいから。」


 とりあえず罪に問われないことに安堵はしたものの、一時的とはいえ私の意識を乗っ取ったこの刀を握る。


 「ミノリ君、君が不滅ノ翼の拠点に着くまでの間にやらなければいけないことは以下の3つだね。1つ、今ミノリ君が携えている刀もとい遺物の能力を調べること。2つ、その遺物を使えるようにするための身体づくり。3つ、これが1番重要!さっき説明した内容を暗記しておくこと。これ不滅ノ翼の入団試験でペーパーテストとして出題されやすい問題だから。」


 私はつい立ち止まった。


 ペーパーテスト?


 ペーパーテストとは都会の子が自分の地位をより強固にするための足がかりとするためのものでは?


 私は冷や汗が止まらない。


 なにしろ私は生まれてからずっと勉強などしたことがない。


 ずっと山で狩もしくは父との日課だった修行をなりいきでやるといった生活。


 勉強とは無縁の生活なのだ。


 「ペーパーテストはあとで考えるとして今はミノリ君の遺物の能力を調べようか!」


 私の表情を見て察したのか、アイクはペーパーテストから話題をそらす。


 その心遣いはありがたいが申し訳なさの方が勝る。


 「遺物の能力を調べるのにはだいぶ根気がいるよ。これがヒュベルで直接発見した遺物ならある程度推測ができるんだけど、ごく稀にヒュベル外でも遺物がみつかることもあるんだ。まぁ,大半は遺物を隠れて持ち出して逃げた奴が何かしらの理由で手放してそれを手に入れたっていうパターンだけど。ちなみにヒュベル内で手に入れた遺物の能力を判明させる方法はあとで教えるね。」


 アイクいわくこのように調べていくらしい。


1,自分の身体に影響をもたらす能力か?

 遺物の中には身体強化系も多いため遺物を使用していないときと遺物所有時の身体能力に違いが出るか調べる。


2,形状を変える能力か?

 遺物の形を変化させるもののことをさす。アイクの遺物である槍はこの分類に入る。

 これは遺物の形状を変化できるか確かめるために様々な形もといこうなってほしいと念じるなどしらみつぶしに調べる。


3, 何かを操作する能力か?

 遺物の能力でもっとも多いのが何かしらの物体、物質に作用する能力。具現化系の能力もここに分類する。

 調べ方は自分がとりあえず思いつく限りのものを準備してそれが操れるか確かめる。同時に生み出すこともできるかも調べる。

 この作業は2よりもしらみつぶしの作業となる。


 1〜3の順番で調べていく。

 適合率の関係もあるので1人目で遺物の能力がわからなければ別の人、それもダメなら更に別の人ってドンドン人を変えてしらみつぶしに調べていく。


 このとき調べる遺物に対して適合率が高いものが行うとどんな遺物かがおおよその区別ができるようだ。

 これに関して、まだどうしてそうなるかは研究中らしい。


 「こんな感じで調べていくから。とりあえず普通の刀を買っといたから1から調べてみようか。」


 「申し訳ないのだが、私の遺物は2に分類される可能性が高いかと。」


 「おや?心当たりがあるのかい?」


 「はい、私がこの刀を使う前、この刀は本でした。」


 アイクはそれをきいて考え込む。


 正直にいって私ですらよくわかっていない。あの場面を直接見なければ理解することは難しい。


 「その遺物って、複数持ちなのかな?ミノリ君が意識を失っていたときには斬撃を放ってきた。これは3に分類すると思う。更には曲がりなりにも成人している大人2人をミノリ君の身体で吹っ飛ばしたことから筋力強化もあるんじゃないかと思っている。ミノリ君には申し訳ないけどそこらへんをはっきりさせたいから1から調べていくね。」


 「そういうことでしたら了解致しました。」


 遺物を使っているときと使っていないときでの身体能力の違いを調べたが、結果は変化は見られなかった。 


 「ミノリ君、君は素の状態でここまで刀を扱えるとは正直驚いた。」


* 


 化け物だ。


 俺たちはあの少女の剣技を見て全員そう思った。


 俺たちは盗賊だ。


 今、目の前にいる2人から金品を奪うために様子を伺っていた。


 様子を伺っていたとき、あのアイクとか呼ばれていた男が試し斬り用の巻藁を一本出した。


 少女はただ、まっすぐに巻藁を見つめていた。


 風が吹く。


 草が揺れる。


 巻藁の先の穂が、ほんのわずかにたなびいた。


 俺たちは目を凝らしたが、彼女の動きをみることはできなかった。


 ただ、一陣の風とともに、刀が陽の光を反射しただけ。


 巻藁は、何も変わらぬように見えた。しかし、しばらくして


 シュゥ……


 音もなく、上半分が滑り落ちる。断面はまるで水面のように滑らかで、太陽の光を受けてキラリと光った。


 「……嘘だろ」



 「なんの力みもなかったぞ……」


 俺たちのざわめきをよそに、少女はすでに刀を鞘に収めていた。


 その表情には何の感慨もない。


 少女にとってこれは当たり前のことなのだろう。


 あの少女の剣の腕前は高い。剣を知らない俺ですらそう感じる。


 ここには剣の知識があるものも多い。


 盗賊行為などよほどの実力者でないと国に捕まるのが目に見えている。


 しかし遺物免許を持たぬ俺たちが戦う技術だけで飯を食うには盗賊行為が1番手取り早いから続けてきた。


 しかしあの少女の剣技を見て俺たちはしばらくの間、その場から動くことができなかった。


 そして静かにその場から去った。



 何やら私たちではない誰かの回想が入った気がしますが気にせず続けましょう。


 『退屈だ。』


 いきなり声が聞こえてきた。


 声が聞こえた方に顔を向けると私がもつ刀、そこから口が出てきていた。


 「おや?君はダークミノリ君になっていたときの子かな?」


 アイクが刀に話しかける。


 この人いきなり刀が喋っているのはスルーなのだろうか?


 『ダークミノリとは好かんな。我は◼️△#という名がある。』


 何かを伝えようとしていたようだが何も聞こえなかった。


 「君、遺物のときの名前を言おうとした?悪いんだけど僕君との適合率が低いみたいで聞き取れなかった。ミノリ君は聞けた?」


 「すみません、私もよく聞けませんでした。というか適合率によって名前がわかるんですか?」


 「そうそう、適合率が高いとその遺物の名前が脳内に突然現れるんだよ。まさか遺物本人が喋ろうとする場合だと聞き取れないようになるとは思わなかったけど。」


 『不便なものだ。とりあえず小娘が我が適合率を上げるまではダークと名乗ろう。』


 「ダーク君は突然出てきてなんのようなの?」


 『我がなんの遺物か知りたいのだろう?それだったらお前が我に勝てたら教えてやろう。』


 「何をあなたはいっているのですか。突然喋り出して。そもそもあなたが戦うイコール私の身体を使うじゃないですか!」


 『小娘、良いではないか。我は久方ぶりに低いとはいえ適合者が見つかり、こうして意識を表に出すことができた。なら自分の欲求のままに行動したいだろう。』


 「あなたの欲求に私を巻き込まないでください!」


 「というか、ダーク君はミノリ君を乗っ取ることができなくなっているの?」


 あっ確かに、気絶していたとはいえこの前は完全に私の身体を操っていたのに今はそれをする素振りがない。


 『今の我は10%しか力が出せんのだ。どうやらこの小娘の適合率と我が出せる全力がリンクしているようだ。』


 私ってこのことの適合率って10%しかないんだ。ちょっと悲しい。もう少し才能あるのではとおもっていた。


 「ミノリ君、落ち込まなくっていいよ。10%なんて探索者の平均くらいだから。」


 『我に10%も適合率があるのは小娘お前の才だこれと剣技だけは誇っても良い。』


 「意外にミノリ君に優しいじゃん。」


 『当たり前だ。そもそもこやつがいなければ我は意識を表に出すことすら叶わなかったからな。そこだけは感謝しておるから我の力を貸しておるのだ。』


 「というか僕と勝負って言っていたけど10%しか出せないのに勝てる気でいるのかな?少し甘く見過ぎだよ。」


 『いやなに、お前との直接対決も魅力的だがそれをすると小娘の身体がもたんだろう。我もやっと見つけた器だ。なるべく壊したくない。』


 「なるべくではなくちゃんと最後まで壊さないでください!」


 てか、この人たち本当に私の話を聞かないな〜。


 『我が提案するのは遺物の獲得レース!この辺のどこかに遺物の気配を感じるそれを先に手に入れた方の勝ちということにしようではないか。実践の方が成長しやすいだろう。』


 「遺物の気配を感じれるということはこの際おいとくけどもし本当にあるとしたらその遺物は免許なしで持ち出されたものの可能性が高いね。そうなると僕の管轄になるんだよな〜。実際ミノリ君の遺物訓練もする必要はあったし悩みどころだね〜。」


 おいおい、話がどんどん危ない方に言っているではないか。


 な〜にが訓練だ!な〜にが実践だ!


 確かにヒュベルに挑むために命をかける覚悟はしている。

 

 しかし!


 ヒュベルに入る前に死ぬのはごめんだ!


 まだ能力もわかっていないのに実践をする必要がどこにある!


 『小娘、お前の考えは我に筒抜けなのを忘れるでないぞ。』


 「すごく面白いことになってるね。家賃はどれくらいかな?」


 「笑い事ではないですよ。これ私のプライバシー0じゃないですか!」


 えっ、じゃあなに?


 自分が英雄になる妄想とかしたらみられちゃうの?


 『見れるぞ。』


 私は(ダーク)を近くの岩に叩きつけた。


 『もっと丁寧に扱わぬか!』


 「今すぐ出て行け〜!」


 私は激しくこの刀を叩きつけた。


 

 「ミノリ君、落ち着いた?」


 「え〜、落ち着きました。とでもいうと思いますか!私のプライバシーがなくなったことに対する悲しみで今も泣きそうです! 」


 『細かいことを気にするな。なるべく小娘の心の声は聞かぬように努力はするから話を進めさせろ。』


 「私が悪いの!ねぇー!」


 「とりあえず遺物を追うことはミノリ君の剣技のレベルがあれば危険は少ないと思うし最悪僕がいればなんとかなると思う。なにしろ面白そうだから採用しよう!」


 『よし!ではこのまま行うとしよう!よーい…ドン!』


その合図とともに私の身体は勝手に動いた。


 『ちょっと、あなた私の身体操れないっていっていたじゃないですか!』


 「良いではないか!それに操れる時間は今は1分が限界だ。だからあやつを撒くのに少し使わせてもらった。この状況を作るためにわざわざ乗っ取れないという嘘を植え付けたのだから。戦闘は小娘に譲ってやるから安心しろ。」


 『全然安心できない!』



 なんやかんやあり遺物の反応がするというところについた。


 洞窟のようだ。


 顔を隠した男が2人ほど見張りをしている。


 少しの間観察していると両手を縛られた男が洞窟に顔を隠した男たちに連行されていく姿が確認できた。


 おそらくこの洞窟は盗賊団のアジトではないだろうか?


 アイクさんいわくこの山は盗賊が多く出るらしい。


 そしてあの連行された人は盗賊に捕まった人であろう。


 気持ちとしては助けに行きたいがどれだけ盗賊がいるかわからないからアイクさんと合流することを優先した方がいいかな?


 『まどろっこしいー!』


 ダークのその声で私は主導権を奪われそのまま洞窟に突撃してしまう。


 「しんに,っ!」


 突撃してしまった。


 しかもダークは洞窟の目の前で主導権を返しやがった。


 咄嗟のことで見張りの人と私は混乱していたため先に正常になった私は見張りの人の顎に柄を打ち付け、すぐさま頭に蹴りを入れる。


 これを2人に行い見張りを脳震盪で気絶させる。


 私は峰打ちができないため気絶させるにはこれしかなかった。


 まだこの人たちが盗賊だと確定したわけではないので念のために殺さないでいた方がいいだろう。


 お父さんありがとう!貴方の教えで私はまた生き残れました!でも峰打ちも教えて欲しかったです!


 そんなことを考えながら先を進む。


 洞窟の中は大きく広がっていた。


 いくつも穴があり道が分岐している。


 今更ではあるが見つかっても誤魔化せるように顔を隠して先程の見張りの服をはいでそれを着ることにしよう。


 少しブカブカだか大丈夫だろう。


 とりあえず耳を澄まして周りの状況を確認しよう。


 「おい聞いたか?」


 「何を?」


 「さっきB班が帰ってきたんだけど標的にしようとした相手の剣技が化物レベルでびびって逃げてきたんだと。なんでも金髪のポニーテールの女がサイコ剣士だって噂だ。あと一緒にいた白髪の長身男もやばいらしい。」


 「信じられないな。例えいたとしてそんな奴がなんだってこの山にいるんだ?普通それだけ力があるならヒュベルに挑むために王国に行くだろ?」


 「知らんけど、多分人斬りじゃないか?よくいるだろ?俺の刀が血を求めているって。犯罪行為をするなら王国の監視がないこの山でやるだろ?なにしろ俺ら盗賊団がそれなんだから。」


「なるほどな。」 


 なるほどね。


 確定いたしました。


 ここ盗賊団のアジトみたいですね。


 早く逃げたいです。


 それにしても人斬りですか物騒なことがあるみたいですね。


 金髪のポニーテール少女と白髪長身ですか。


 全く身に覚えがないですね。それに私の茶色だし。まぁ、金色に近い茶髪ですが、


 『特徴的に小娘と槍の小僧だな。』


 いやいや、ダークさん、こんな善良な一市民である私が人斬りと間違われるわけないじゃないですか? 


 なので別の人ですそれ以外認めません。


 おや?


 他の話し声も聞こえてきましたね。


 『話をそらしていないか?』


 「おい聞いたか?」


 「何を?」

 

 「C班が1人を残して壊滅したってよ。」


 「まじで!?何があった?」


 「生き残った奴の話ではなんでもものすごく強いナイフ使いの女に全滅させられたそうだ。」


 「女にか?今のご時世でこんなこと言ってはいけないと思っているがこっちは王国騎士団でもやっていける腕っぷしのやつが何人もいるんだぞ?それを女1人でやれるとは到底思えない。」


 「それを上も思ったみたいで現場を見に行ったが生き残った1人が言った通りの惨劇が広がっていたようだ。念のためにそいつに当時のことをより詳しく聞こうとしたらそいつ尋常じゃないほど震えてその場で自殺したってよ。」


 「うわ何それこっわ。絶対相手したくないわ。しばらく盗賊行為やめた方がいいかな?」


 「俺らにそれを決める権利はないんだからそんな奴に合わないように願おうぜ。」


 ふむふむ


 何それ怖!


 絶対会いたくないなー


 てか、私の話とおそらくそのナイフ使いの話が混ざっているのではないか?


 だって私、誰も斬っていないのに人斬り話題が出るわけない。


 うん、それが1番しっくり来る。


 そういうことにしよう、それ以外認めない。


 「大人しくしていろ!」


 男の声が響く。


 声の方向に向かい、様子を慎重に確認するとこの洞窟に連行されていた男が檻の中で盗賊の1人を足で締め上げていた。


 「うわっまじかー。もう他の盗賊が来た?確かに声は響いちゃったけど早すぎない?」


 男は私をみてそんなことをボヤく。


 男は青髪でところどころぼろぼろではあるもののが来ているものからは気品が感じられる。


 男というより少年と言った方が適切な顔立ちだろう。


 少年はその大きな瞳で私を見つめる。


 とりあえず安心させるために声をかけよう。


 「どうせ死ぬならせめて!女の子とデートしたかった!」


 「静かに。」


 私は男の口を塞ぐ。


 「おい!何かあったのか?」


 騒ぎを聞きつけて他の盗賊が来ようとしている。


 「すまない!捕虜が暴れたのでそれを押さえつけていた。今は気絶しているからあとは俺だけで大丈夫だ。」


 私はできるだけ低い声を出して騙そうと試みる。


 どうやら私のアカデミック級の演技力により帰ってくれたようだ。


 私は男を安心させようと声をかけようとするが何か違和感を感じる。


 男をよく見ると気絶している。


 やばい!


 締めすぎた!?


 急いで男をおこす。


 「いや〜、死んだかと思った!助けてくれてありがとう!俺の名前はルシアン!よろしく!」


 目が覚めてすぐお礼と自己紹介。


 なんと礼儀正しいのか!


 これは私も返さなければ!


 「私はミノリ・テンドウあなたを助けたのはたまたまだから気にしなくていい。」


 何やっているんだ私!


 よく考えたら私、お父さんとアイク以外と話したことないから初対面の人にどう接していいかがわからない!


 というかこの人デートしたいとかいっていたからワンチャン私のことも狙ってたりするのかな?


 「そちらが気にしなくて良いと言っても俺にとっては大恩人だ!礼を返したい!」


 私がいろいろ考えている間にルシアンから返答がくる。


 よし!会話が成立した!すごい私!


 会話相手のルシアンは気絶させた男から綺麗に装飾されている斧を取り出す。


 その瞬間ルシアンの頭にタライが落ちてきた。


 「いったー!」


 何故タライ?


 盗賊達の罠か何かか?


 私がそんなことを考えているとダークが


 『小娘、この小僧が持っているあの斧が遺物だ。』


 と言い出すじゃないですか。


 とりあえずアイクさんと合流するのを待った方がいいかな?


 「ミノリ!とりあえずこの盗賊達のアジトから脱出しよう!」


 ルシアンがそういって出口に向かおうとしたその一歩めで


 「アウチッ!」

 

 バナナの皮を踏んでしまいこけてしまう。


 ルシアンは恥ずかしそうにこちらをみてきたが私にこのとき気の利いたことをいう力がないので顔を背ける。


 「気を取り直して出発!」


 道中曲がり角で毎回盗賊とエンカウントするが全てルシアンが制圧してくれたので問題にはならなかった。


 それよりもルシアンに高確率で何かが落ちてくるという現象の方に苦労した。


 本当、この男はなんなんだ?


 ルシアンが慎重に盗賊の位置を確認しながら歩いていると、突如として頭上から熱々のマルゲリータピザが降ってきた。


 「アチッ!?なにこれ!?ピザ!?いよいよ洞窟ではあり得ないものまで落ちてきたぞ!?」


 ルシアンはチーズが髪に絡まり、トマトソースが顔にべったり。


 私はこれをみてなにを思ったのか驚くよりも空腹が優先された。


 「そのピザ食べてもいい?」


 「絶対お腹を壊すからやめとけ!?てかこれみてよく食欲湧いたな!?」


 当然の反応だ。


 しかし私がピザを食べたのは父が私の誕生日に買ってきてくれたときだ。


 それも何年も前になるのでしばらく食べていない。


 だが、あのときのピザの味は思い出と同じように忘れられない。


 的なことをルシアンに伝えると。


 「これは、本当にお腹こわすかもだから、グスン、後で好きなだけ買ってあげるから、グスン、出るまで我慢しような、グスン。」


 と、泣きながらあとでピザを買ってくれるという約束をしてくれた。


 事実ではあるが大分脚色して伝えているためこれをあっさり信じるルシアンの将来は少し不安である。


 このようなことが割と頻繁に起こった。


 それでも私たちは進み続けついにあと少しで出口というところまでやってきた。


 しかし出口は多くの盗賊達で塞がれていた。


 「お前達だな俺のアジトに入ってきた奴らは。」


 「何故バレた!?」


 「ルシアンがここまでの道中声を出させないように一瞬に気絶させながら来ていたはずなのに!?」


 私達が驚愕の顔をして盗賊達を見つめて帰ってきたのは


 「いや、そこら中に気絶した奴がいるなら誰でも不審に思うだろ。」


 と言った当たり前の事とこいつらまじかといった呆れた目でした。


 ですよね〜


 私たち、出ることだけを考えて気絶させた人そのまま放置してたわ。


 わかっているからそのあきれた目をやめて。


 例え盗賊相手でもそんな目で見られると恥ずか死ぬ。


 「とりあえずお前たち2人には大人しく捕まってもらう。もし抵抗するなら多少手荒なことをさせてもらう。俺としては商品の価値を下げたくないのでな大人しく従ってくれると助かるのがね。」 


 「それってどこかに俺たちを奴隷として売り捌くってことでしょ?それだったらお前を倒して外に出る。これが最適解だろ。ミノリここは俺に任せて隠れていろ。」


 えっ!かっこいいセリフいってくれるじゃん!


 こいつ私のこと絶対好きだろ! 


 いや、こんなこと考えてないでここから逃げ出す方法を考えないと。


 とりあえずあのボスっぽい人はルシアンが戦ってくれるみたいだから例え倒されたとしても手の内はわかるかもしれないから放置。


 とりあえず私がここでやることは私の方にきた人を斬りながらボスの観察。


 よし!これで行こう!


 『おいおい、戦わないのか?』


 でたな!戦闘狂!


 しかし!今回なんと言われようが私は生き残ることを優先します!


 ダークに身体の主導権を握られないように強く精神を持つ。


 『それだと今回ここにきた意味がほとんどないというのに。まぁよい。今からおこる余興は実に面白そうだ。』


 この戦闘狂ついに戦いのことを余興呼ばわりしやがったよ。


 一生こいつとは仲良くなれないわ。


 私がダークと話しているといきなり怒号が響いた。

びくっと肩を震わせ、思わず振り向く。

ルシアンと、盗賊のボスがぶつかり合っていた。

ルシアンの片手斧が、鋭い軌道を描いて振り下ろされる。盗賊のボスはスコップの柄で受け止め、火花が散った。


「ハッ、随分斧に慣れてるじゃないか!お前木こりか?」


「そういうお前は何なんだ?」


 ルシアンが斧を振り抜く。ボスは紙一重で避け、スコップを逆手に持ち替え、横薙ぎに振るう。


 「ぐっ……!」


 ルシアンが後退。スコップの刃が、彼の頬をかすめた。


 私は息をのんだ。


 この盗賊のボス──ただの盗賊じゃない。


「俺のスコップはな、ただの道具じゃねぇ」


 ボスが笑う。


 ザクッ!


 スコップが地面に突き立てられると──土が崩れ、ボスの姿が一瞬で消えた。


「え……!?」


 私は目を疑った。


 どこに行ったの!?


「えっ!ちょっ、ま、待っ──」


ズドッ!!


 ルシアンの背後で、地面が突然盛り上がる。次の瞬間、そこからスコップが突き出た!


「ッ……!」


 ルシアンが間一髪でかわす。


「おっと、避けるか」


 ボスは別の場所から飛び出し、笑いながらスコップを構える。


 ボスがスコップでルシアンを殴打しようとすると。


 ルシアンが斧で受ける。


 が、ボスは即座に体をひねり、スコップの柄をルシアンの脇腹に打ち込んだ。


 「ぐっ……!」


 衝撃が響く。ルシアンが後退する。


 「どうだ? 俺のスコップは斬るだけじゃねぇ。叩く、突く、払う──そして掘る!」


 ボスがスコップを地面に突き立てると、ルシアンの足元の土が一瞬で崩れる。


 「!」


 ルシアンの足が沈みかけるが、ギリギリで跳び上がり回避。


 「ハッ、いい反応だ」


 ボスが笑う。


 「どうだ? 俺のスコップは最強だろ?これは俺が手に入れた遺物で名は土竜ってんだ。俺はこのスコップ一本で何十人も倒してきたんだよ!」

ボスが誇らしげに言い放つ。


 土竜といっているがモグラを漢字にしただけとはなんと安直な名前の遺物だろう。


 大方能力は瞬時に穴を掘りモグラのように地中を移動する能力だろう。


 だが、私はそんなことよりもどうしても気になってしまったことがある。


 それは・・・


「……それ、ショベル」


ルシアンとボスが同時に振り向いた。


「……は?」


私は咄嗟に口を押さえたが、時すでに遅し。


「え、ちょ、何?」


「スコップじゃないの?これ?」


ルシアンとボスが思わず顔を見合わせる。


……これ、今言うことじゃないよね?


 うん。でも、言っちゃったものは仕方ない。


 私は小さく咳払いしながら説明した。


「えっと……全国的には、足をかける“踏み台”がついてるものを“ショベル”、ついてないものを“スコップ”って呼びます。だから、それはショベルです」


沈黙。


「………………」


「………………」


ルシアンとボスの間に、妙な空気が流れる。


 これが先程まで命の取り合いをしていた者たちなのかというような空気が流れる。


「……なあ」


「……ん?」


「……こいつ、マジでどうでもいいこと言ってこなかった?」


「……ああ」


私は縮こまる。


「だ、だって……スコップって言い続けるから……」


「「今そんなこと気にするなよ!」」


二人が声を揃えてツッコミを入れた。


 (うぅ……だから喋りたくなかったのに……)


 ボスは小さく咳払いし、気を取り直すようにスコップ──じゃなくてショベルを構えた。


 「……ま、細けぇことはどうでもいい。俺にとっちゃ、こいつが命を預ける武器なんでな」


 「……そうだな。どっちでもいい」


 ルシアンも肩をすくめ、斧を構え直す。


 ……うん、確かにどっちでもいいね。でも、私はもう言っちゃったので、耐えるしかなかった。


 気まずさを吹き飛ばすように、ルシアンが斧を振るう。


「はッ!」


シュッ──!


 一撃、二撃、三撃──ルシアンの斧は鋭く軌道を描き、ボスの肩を狙う。


「おっと」


 ボスはショベルの柄で受け止め、斬撃の威力を逸らす。


 カンッ! カンッ!


 「俺はこのショベル一本で何十人も倒してきた!」


 「スコップじゃねぇのか?」


 「ショベルだ!!!」


 「どっちでもいいんじゃなかったの!?」


 ルシアンが思わず叫ぶ。


 「いいや、訂正するぜ……これはショベルだ!!!」


 私は頭を抱えた。


 もう……どうでもいいよ……


 それでも、二人の戦いは続いていた。


「くらえ!」


 ボスが再び地中へ潜る。


 ルシアンは静かに斧を構えた。


 『あの青髪の小僧、なかなか面白い戦い方をする。』


 ダークの言葉でルシアンの戦い方をよく見ると何か変だった。


 ルシアンの動きが鈍い。だけど、なぜか盗賊団のボスは攻撃のミスを繰り返している。


 ルシアンが足を滑らせたせいで、ボスの狙いがズレたり。


 ルシアンが転んだ拍子に、ショベルが岩に当たって跳ね返ったり。


 まるで、ルシアンの“運の悪さ”が味方しているみたいな


「おい、お前のショベルより、こっちの方がいいんじゃないか?」


 ルシアンが斧を放り投げた。

 

 えっ、なにしてるの!?


 「ん? なんだこりゃ」


 盗賊団のボスが反射的に受け取る──その瞬間、洞窟が揺れた。


 ゴゴゴゴ……ッ!!


 「な、なんだ!?」


 天井が崩れ、鍾乳石が落ち始める。


 盗賊のボスはショベルを探そうとするが、なぜか絶妙なタイミングで手の届かない場所に転がっていた。


 「くそっ! なんでこのタイミングで土砂崩れ!?」


 ボスは慌てて後ずさるが……


 ズルッ──


 「あっ」


 先程の揺れで空いたのであろう穴、そこに、そのまま足を滑らせ転落。


「うわああああ!!!」


 「「「「「「ボス〜!!」」」」」」


 手下の盗賊たちの声は彼らのボスに届いたのだろうか?


 ボスは洞窟の奥底に消えていった。


 残ったのは彼が手から離した土竜という名の遺物と最後まで生きようと穴の側面に打ちつけたであろうルシアンの片手斧であった。


 『天晴れ!ルシアンといったか?非常に面白い戦闘であった。』


 ……え?


 ……勝った?


 私はこのなんともいえない決着に呆然としていた。


 ルシアンは私の方をみてドン引きしていた。


 ただ観戦途中に襲ってきた盗賊を斬って放置していただけなのにドン引きされるのはどうかと思う。


 ルシアンは穴に向かい側面に刺さった斧を拾い上げる。


 その後カランッと小さい石が落ちたあと大きな岩がルシアンの頭に直撃する。 


 「いった…!」


私は確信するこれは単にルシアンが運が悪いのではなくあの斧の何かしらの効果なのだろう。


 「ルシアン、それって遺物?」


 私はルシアンに尋ねる。


 これが遺物の場合、おそらくルシアンは免許をもっていないのではないか?


 なにしろ遺物所持者で免許をもっていればヒュベルへ探索にいっているはず。


 無免許で遺物を所有している場合は犯罪行為となる。


 そのため私をこのまま襲いにくるかもしれないと考えたが私の直感がそれを否定した。


 そのためそのまま聞くことにした。


 「あぁ、俺のこの斧は遺物だ。」


 「へぇ〜、それ遺物なんだね。」


 馴染みのある声。


 そこを振り返ればアイクがいた。


 私は咄嗟にルシアンを庇うように刀を握る。


 「ミノリ君、安心しなちょっとお話聞くだけだから。」


 アイクは槍を伸ばしルシアンの服に引っ掛けるとそのまま自分のそばに連れて行く。


 「確認したいんだけど遺物免許証は?」


 やばい、流石にアイクさんにバレたらルシアンは…


「あの〜,こんなことになっているのですが大丈夫でしょうか?」


 そういってルシアンは身体を震わせながら真っ二つに割れているカードを出す。


 「ごめん、ちょっと聞きたいんだけど。なんで割れてるの!遺物免許証って壊れないように結構丈夫に作られてるんだけど。」


 「そのカードが遺物免許証なんだ。よかったルシアンは別に違法遺物所持者じゃなかんだ。」


 「いゃ〜、この場合どうなるんだろ?遺物免許証は例え刀で切り掛かっても槍で貫こうとしても壊れないって代物だったんだけど。それが真っ二つになったのか。僕としては問題ないと思うけど管理局の人はちゃんとしたカードじゃないから無効ってことになるかも。」


 「それって、ルシアンは大丈夫なんですか?」


 「とりあえず、壊れた経緯と君の遺物能力を教えて。」


 「わかりました…」


 怯えながらもルシアンは話し始める。


 「俺の遺物は斧幸(フコウ)。主な効果は所持者を不幸な目に合わせる。これだけです。」


 「それだけだとただ自分にデバフを与えるだけだから意味ないじゃない?」


 「斧幸の切れ味は自分が今まで出会ったどの遺物よりもあるので使い続けてます。また長く使っていることから斧幸が自分に不幸を与えるタイミングを戦闘中ではわかるようになってきたので対処できます。」


 「最後の方だけ見てたけど盗賊のボスが斧幸を持った瞬間に崩落したのは?」


 「斧幸は誰にでも適合率が10%以上ある遺物です。しかし自分は慣れと元々の幸運で何とかなっていますが他の人が所持すれば最悪命を落とす不幸が襲います。」


 「ここに来た理由は?」


 「旅行です。隣国まで行く予定でしたが斧幸の不幸が発動して遺物免許証を真っ二つにしてしまったので旅行を諦めて遺物管理局に向かっていたところでした。」


 遺物管理局とは国が遺物免許を発行する機関であり遺物免許に関する問い合わせなどはギルドを除けばここで行う。


 「よしっ!問題なし!ルシアン君だっけ?君もしかしてフリー?もしそうならうちのギルド入らない?」


 おっ、ルシアンが新しく入ってくれれば同期で初めから知り合いができた状態でスタートできる。


 つまり、ボッチ回避だ!


 やったね!


 さぁ、ルシアンこの提案に頷くんだ!


 「お誘いは嬉しいのですが今は俺、いや自分が、ソロでどこまでいけるか確かめたいのでご遠慮させていただきます。」


 あれ〜?断った?


 しかもカッコいい断り方。


 あ〜!私のボッチ回避の夢は潰えたというのか!


 「そっか、残念。ルシアン君がそう決めたのなら仕方ない。ただこれだけは聞いて欲しい。遺物免許証が再発行するまでの期間、収入はどうする?」


 「うぐっ、」


 おっと流れが変わってきたな


 「ここから国に戻るには普通にいけば1ヶ月。そこから遺物管理局に相談。あそこはフリーの探索者の他に遺物を売買する商人などが毎日ひっきりなしにきているから順番待ちがすごいよね〜。1ヶ月、下手したら半年以上待つ可能性すらある。そこから免許証の再発行するとなったらどれほどの時間になるのかな〜?うちに入るならそこら辺の手続きは省けるよ?」


 「いゃ〜、俺もそろそろどこかのギルドにはいらないとなぁ〜って思ってたんですよ。これからよろしくお願いします!」


 ルシアンは権力に負けて仲間になった。


 やったね!


 これで私のボッチ生活はさよならだ!



あとがき

最後まで読んで頂きありがとうございます。

今回は解説が多めで退屈になるところが多かったと思います。


なるべくサクサク進むように努力していきます。


また今後は主人公のフルネームの表記はテンドウミノリではなくミノリ・テンドウに変更致します。


次回の更新も明日です

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