冒険の書
第二話です今回は前回と比べるとだいぶ短めです。
是非最後まで読んでいただけると幸いです。
ヤァ、僕はアイク。
ミノリ君がいきなり逃げたから追いかけてきたらミノリ君の家は壊され、何者かにミノリ君が押さえつけられている。
事情はわからないけどとりあえず助かるまではよかった。
だけど思った以上に相手が強い。なんなのあれ?てかあんな人外みたいな動きしといてまだ遺物使ってなかったとか鬼か!
相手が遺物を使い出しても対応していた僕の前にヤバそうなやつが乱入してきたと思ったらミノリ君の見た目をしたやつだった。
僕の頭は今、混乱状態にある。
とりあえず呼称が大変だからあのミノリ君ぽいのを安直だけどダークミノリ君と呼ぼう。
ここは安易に動かずダークミノリ君がどう動くかを観察した方がいいかな?
あのトールとかいう人も同じことを考えているから動かないのだろう。
と、思った時期が僕にもありました。
「あなた!おもしろそ〜ね〜!私と殺し合いましょう!」
とか言ってあのトールって子はすぐに突っ込んでいって、電気を纏わせたナイフを数本ダークミノリ君投げてるね。
あのナイフって本当にいくつ持っているのか気になるけど。それよりもダークミノリ君がどう対処するかみるとしよう。
「ふむ、電気を纏わせることにより威力とスピードを上げるか。割とありきたりだな。つまらん。」
ダークミノリ君がそういって
スッ
と軽く刀を振ったら
ピタッ
と不自然に止まった。
まるで見えない壁にぶつかったかのように。
次の瞬間、力を失ったように「カラン…」と地面に転がる。
「あら?どんなカラクリを使ったのかしら?気になるわね。少し試してみましょう。」
トールはミノリ君が倒したのであろう2人の死体に電撃を浴びせると
死体がビクリッと震え、ガクンッ、ガクガクッと不規則に動き出した。だが、それは単なる神経反射ではなかった。
「あなた達をリサイクルしてあげるわ。ほら、いきなさい。」
トールが静かに手を掲げると、死体の動きが変わる。カクンッ、ギギギと不自然な姿勢のまま、まるで見えない糸に引かれるようにゆっくりと立ち上がった。
死体はズザッ!と異様な速さで、腕をブンッ!とダークミノリ君めがけて振るった。
突然のことで何が起きたか断言することはできないが考えられる方法としては彼女の電撃が死体たちの脳に電気信号を送り、そこから流れる身体の指示の電気信号も彼女がサポートすることにより死体を動かしているのだろう。
脳の電気信号を再現とかどんな緻密なコントロールなんだろう。
もし僕が同じことをやれって言われれば速攻で退職させていただきますって断るわ。
それを二体も同時にやるなんて本当にあのトールって子は化け物だね。
もう1人の化け物はというと
「これは面白い技だが威力が足りん。それに欠損している死体では意味がないな。」
と言って死体2つをサイコロステーキに変えてるよ。
本当に化け物だらけ、僕はこれからこの化け物達の宴に生身で参加する。
生きてられるかな?まぁ、なるようになるか。
「お二人とも僕も混ぜてください。」
僕は槍を伸ばして2人を薙ぎ払う。
そのまま休む暇を与えないような突きをやり続ける。
「これまた地味な攻撃だが間合いを測られないために槍の長さをちょくちょく変えておるの。こざかしいがそれよりも長さが変わることによって生じる重さへの変化にも対応して変わらず同じ速度で連続の突きをするとはたいしたものだ。」
「あぁ、あなたの槍捌き本当にいい!こんなにも殺し合いを楽しめる方がいるなんて。この任務受けてよかったわ!」
「褒めてくれてありがとね、僕としてはこれ以上は疲れるからなるべく早く倒されてくれると嬉しいな。」
「そういうな。久しぶりに身体を動かして戦闘できておるのだ!楽しまなければ勿体無い!」
「そうよ!こんなにも気持ちいい殺し合いをすぐに終わらせるなんて勿体無い!」
なんなのこの戦闘狂は!
てか、こいつらこんな軽口いいながらさっきから電撃と斬撃を放っているんだけど。これ1発でもあたったら死ぬかも。
「ここまで楽しませてくれた礼だ!我も面白いものを見せるとしよう!」
ビリリッ!
電撃の大きな音が僕を襲う。
僕は咄嗟に自分の急所を槍で守りながら後ろにさがった。
トールの攻撃かと思ったがそうでは無いのが目の前の光景でわかる。
ダークミノリ君の刀が電撃を纏っていた。
その刀はトールの右腕を切り飛ばしていた。
「アイクといったか?貴様、良い勘をしていおる。あのまま下がっておらなければ貴様は真っ二つになっておったぞ。それとトールという娘。貴様も腕を切らせることで胴体の直撃をずらさせるとは見事である。して、次は何し…」
「勝手に私の身体で暴れないでください。」
いきなり口調と雰囲気が変わった。
「貴様、何故この身体の主導権を取れる?」
「これは私の身体です。私が主導権なのは当たり前です。」
いきなり1人で会話をしだした。ダークミノリ君から突如現れたもう1つの気配。あれはミノリ君のものだ。
「我は力を貴様にやった。ならお返しとして強きものと闘う対価をもらっても良いはずだ。」
「突然私の身体でやらないでください。人が疲れているからといって乗っ取ろうとしないでください。」
これは側から見たらなんともユニークな場面ではないか!
「ぬ!どうゆう事だ?力が出せぬ。」
「あっ、ちゃんと身体が動く。これからは私の身体勝手にとらないでください。」
「ミノリ君、勝手ではなければいいのかい?僕としてはミノリ君が乗っ取られるのは困るんだけど。」
「どうもアイクさん。先程までご迷惑をおかけして申し訳ありません。」
「ん?あれくらい大丈夫だよ。僕ももう少し鍛えた方がいいかなって感じたよ。」
僕とミノリ君が談笑をしていると
「お話中悪いわね。私のこと忘れてないかしら?」
と聞こえてきた。声の方を向くとそこにはトールが立っていた。
正直忘れていた。
ごめん。
「ミノリと言ったかしら?あの子をもう一度出して!もっとあの子と殺し合いさせて!」
トールは片腕を切り飛ばされたのにも関わらず。口角を上げ、顔を赤らめている。それは恋する乙女のような笑顔であるが狂気じみた何かも感じさせる。
「私の身体をこれ以上使われたくないので嫌です。」
キッパリとミノリ君は断った。
トールは断られることを全く考えていなかったようでだいぶ驚いている。
「なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?私とあの子の殺し合いを邪魔するの?私、感じたの!あの子は私と同じ電気を使える遺物!更には一瞬で私を斬る力!これは運命!私とあの子は殺し合う運命なの!そしてあの子を殺したあと一緒に同化して永遠に私と一緒に過ごすの!」
トールは恋する乙女が告白するかのようにその想いを告げた。言っている内容は理解できない。
寒気が僕を襲う。
言われている対処のミノリ君なんて顔が青くなってるもん。
そんなミノリ君とは対照的に赤くほてっているかのようなトール。
「私とあの子の中を裂くというのなら!あの子を出してくれる状況を作るためにあなたを全力で殺しに行くは!」
「おっと、ミノリ君には指一本触れさせないよ。ミノリ君の前に僕とやろうか?」
「ごめんなさい、私あなたのこと最初は良かったのだけどもっと素敵な方にあったのでもう興味ないの。どいてくださる?」
「アイクさん、振られてしまいましたよ。」
「ミノリ君僕はなんで告白をしていない相手に振られているんだい?心なしか悲しくなってきたよ。」
「あぁ!待っていてください!早く私と殺し合いましょう!遺物完全開放!ティ…」
何かをトールが叫ぼうとしたときいきなりトールは黙り込んだ。
「ボス?これを使うのはやめろって?ボスも私とあの子の殺し合いを邪魔するのかしら?」
突然トールは誰かがいるかのように虚空に話しかける。
「確かにあの子が育ってくれた方が楽しめそうね。でもこんな寸止めされたら私どうにかなりそう!誰でもこの2人以外を殺してから帰っていいかしら?」
「ありがとう!」
どうやら話が終わったようだ。何やら物騒なことが聞こえてきたな。
「ごめんなね、私帰らなきゃいけなくなったの。次会う時までにもっと強くなっておきなさい。」
「君、話の内容からこのあと誰か殺してから帰るんでしょ?僕の立場としてはそれを見過ごすことはできないな。」
「あら、そう?でも私、あなた達と闘うなって命令が来たからこのまま逃げさせてもらうわね。バイバイ。」
そういってトールはその場から消えた。
いや、本当に目の前で突然見えなくなったんだよ!
何あれ?透明化?あんなことまでできるの?
僕はこのあと上司に上げる報告書をなんて書くか頭を悩ませる。
まっ、その時の僕に任せよう。がんばれ!報告書を作る僕!
「ミノリ君。」
アイクは私の名を呼び、真剣な眼差しで私を見つめる。
「君はアレクのような冒険者になれる。この僕が保証するのだから自信を持ちなさい!」
その言葉は嘘ではなく心から言っているのだとわかる。
「僕達のギルドはヒュベルの攻略を本気でするつもりだ。もし君が剣神アレクのような冒険者になりたいなら是非!僕達のギルドに来て欲しい!」
私は今まで何をしていたのだろう。
私はあれこれ冒険者にならない理由をつけてきた。そして冒険者になることから逃げてきた。
私はそんな私が嫌いだ。
今、ここでこの提案を受けなければ私はただ何もすることができない臆病者のままだ。
勇気を出して冒険者の一歩を踏み出すのは今なんだ!
笑われるからなんだ!そんなの勝手に笑わせればいい!
私は私自信が好きになるために私の夢に向かって進みたい!
「テンドウ・ミノリです。若輩者ですがこれからよろしくお願いします!」
ここから私の冒険の書が刻まれる。
「アイクさん、本当に大丈夫でした?」
「大丈夫だって、ほら元気!」
「身体ではなくナレーションのことです。」
「本編じゃないからって随分メタ発言するじゃん。でもこの作者ナレーションするキャラは回によってコロコロ変える予定みたいだよ。それに伴ってその時の心情を語るキャラがその場面のナレーションするって。」
「せめてナレーションは統一しようよ。」
「そうだね〜」
「私たちの話を最後まで読んでいただきありがとうございました!作者に変わってお礼を申し上げます。この作者はこれが初めての小説のため描写が薄いなど様々なことを思うかもしれません。」
「そのためアドバイスなどをいただけると幸いです。」
「次回はこの1・2話で出てきた用語を解説する回でもあります。是非読んでいただけると幸いです。何も問題がなければ明日投稿されます」
「「改めまして最後まで読んでいただきありがとうございました!」」




