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作者: うをく きめう

なんとも退屈でつまらない人生だけれど、少しばかりいいことがあったっていいのにね。

もらった栞は本に挟んだままで。


私の人生はいま小説のあとがきのようなものだ。


君からもらったおそろいの栞は、君に読み聞かせていた本の途中に挟んだままだ。

もう、二度とその本を開けないぐらいに思い出すのが怖くなってしまって居る。

本は途中のくせに、私たちの物語はもうあとがきまで進んでしまった。

もし私たちの物語を読み返したら、ただただ辛くなってしまうだけで

「喜怒哀楽は」は記されているのに、あとがきを読んだ後だとこの物語は「あい」しか感じられなくなってしまっている。その「あい」は愛なのか哀なのか。

恋愛っていうのは魔法とか、そういう類のものに近しいものだと思う


「xxの声、落ち着くしすごく寝やすい」

そういった彼女は私と別の道を選んだ。

生きる理由と意味を失った私は、自ら自分の意人生という物語にあとがきを記すことを選んだ。

遺書を机の上に置き、深くため息をついた

のち、私は10階のマンションのベランダから飛び降りた。

人生が続いたとして、いうならば私は「栞」である。

人生の暇、箸休め。

まあ、とはいえここでもうこの物語は終わりだけれど、彼女はあとがきを永遠に知らないまま。

勿体ないね。


もらったおそろいのステンレス製の栞が机から落ちた時と同じように。

私の体は強く地面に打ち付けられた。

失くしてから当たり前に気づいて馬鹿みたい?最初から自分のものになんてなっていないよ。

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