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永遠の乙女
男は痛め付けられた女の顔や悲鳴が好きでした。
何人、妻を殺しても罪には問われません。
ビジネスもあって、政略結婚した妻は殺せませんが、それ以外の妻の所有権は男にあるので、端金で買った平民の娘を妻にしては、殺していました。
ある日、いくら殺しても死なない、という少女がいると聞いて、妻にしました。
殺しても、次の日には何の傷もなく、生き返ります。
男は許しを乞う妻を殺し続ける日々を送りました。
そんなある日、朝を迎えた男を、使用人たちは怒鳴り付け、家から追い出しました。
男には、わけがわかりません。
しかし、いくら殺しても死なない少女の父親が目の前に立っていました。
「さあ、次はお前の番だ」
男は端金と引き換えにいくら殺しても死なない少女として、売られて行きました。
国によっては、歳を取らない彼女を、永遠の乙女、とも呼んだそうです。
『罪は罪として、罪人に罰を与えたらいいのよ。ボーイ』
「その通りだな、ガール」