七章 ホワイトクリスマス
「ピピピピ・ピピピピ……。(目覚まし時計が鳴る。)」
今日はクリスマスイブ。俺からすれば、夏実とデートの日でもある。
俺はベッドから降りて、カーテンを開けた。
「おぉ!積もったなぁ」
昨日の夜から降っていた雪が積もって、今夜はホワイトクリスマス(イブ)の予感。
俺はそんな楽しみな1日のために準備を始めた。
すると、「ピーンポーン」インターフォンが鳴り、母が出た。「はーい?」
「修斗!夏実ちゃん来たよ〜。」母は玄関から大声で俺を呼ぶ。
階段を降りると、玄関先に夏実が立ってた。
俺に気づいた夏実は「おはようです!シュウ。」そう言ったので、俺も前回の反省を活かし、「おはよう。夏実、今日もオシャレで可愛いな!」と、恥ずかしながらも褒めてみた。
夏実は顔を赤くし、「ありがとう…です。」と、照れ気味に答え、今回は順調に好スタートを切ったクリスマスデート
まずは、電車で隣の駅まで移動し、カフェにでも行こうかと考えていた。
車内ではカフェの話をしていたが、話が終わると、「マズい、話題が思いつかない!」俺はとっさに「今日は寒いなぁ〜」
デートでの会話で世間話をするのもなんだかおかしな話だが、何も話さないよりはマシだろう。
「やっと着きましたね♪」夏実はノリノリで言った。
前に日向から聞いたが、ここのカフェはパンケーキが美味しいらしい。
こういうのは俺も詳しくはないが、日向に聞いた方が夏実に任せるより確実だ。
なぜなら夏実に予定を任せると、ご飯が中華屋とかそば屋というように、何とも地味な店を選択してくる。だからたまにはオシャレな店も行きたいと思っていたのだ。日向はこう見えてオシャレだし、「ザ・最新」という感じの若者なのだ。
「ご注文はお決まりですか?」店員さんが尋ねてくる。
「じゃあ、パンケーキセット二つお願いします。」俺は日向に聞いた通りのものを注文した。
8分後、「お待たせ致しました。パンケーキセットお二つですね。」
注文したパンケーキがやってきた。
「いただきまーす。(二人の声)」
「美味しいなこれ⁉︎」
生地はふわふわで上に乗ってるアイスがとてもいいアクセントになって、とても美味しい一品だった。
しばらくしてパンケーキを食べ終え、俺たちは次の店の話をしていた。
そんな中、俺は「夏実、次は雑貨屋に行こう!」そう提案した。
それを聞いて「ピンッ!」と、ひらめいたかのように夏実は言った。「そうです!明日のパーティーでプレゼント交換をしようと考えていたのですが、そのためのプレゼントをそのお店で買いませんか?」
とてもいいアイデアだったので、俺は「そうしようか!」と言って、夏実の手を引き、その店に向かった。
その店で買ったプレゼントはお互いまだ知らない。それは明日のお楽しみというわけだ。
そんな夏実との楽しい時間も気づけばもう、帰るだけになっていた。
「じゃあね、また明日。」俺は夏実にそう伝え、家の前で今日のクリスマスデートは幕を下ろした。
次の日の朝、天気予報を見ると、この日は昼から雪がパラパラと降り出し、夜中まで降り続けるという予報になっていた。
それぞ、「ホワイトクリスマス。」
つづく