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十章 初詣


 「明けおめ…です!シュウ。」

 「……そんじゃあ行こうか〜」

 俺たちは初詣をするため、近くの神社に向かっていた。しかも、今日は……

「よう、修斗!」 

 和樹くん(東山くん)も一緒だった。

 あの王様ゲームの罰ゲームで夏実に告白するハメになったが、それからは東山(和樹)くんや西澤くんから「どうなったの?」「どうせ振られたよな?」などと質問攻めに合い、俺が「無事リア充になったけど」と言った途端に東山くんが「お前すごいな!ちょっと尊敬するわ」そう言ってお互い、気づけば仲良くなっていた。

 そうして、初詣も一緒に行くくらいの仲になった。

 まあ、そんな感じで合流した俺たちだったが、夏実は和樹くんのことをあまり良くは思っていないため、少しだけ気まずい雰囲気になっていた。だから俺は、

 「夏実!和樹くん!初詣が終わったら屋台でなんか食べない?」と、この場の雰囲気を盛り上げるために二人に提案した。

 すると、「チョコバナナ食べたいです!」夏実は真っ先に答えた。続けて和樹くんも「いいな!チョコバナナ」そう言った途端、夏実は俺の手を引き走り出した。それを追いかけるように和樹くんも走り出した。

 「パンッ…パンッ」

 (「今年も夏実とたくさん思い出が作れますように。そして、この最高の青春がいつまでも続きますように。」)

 手を合わせて目をつぶり、心の中でそう祈りながら俺は夏実との思い出を振り返っていた。

 そして、俺は目を開けて言った。

 「じゃあ屋台へ出発だぁ!!」

 「そうですね!シュウ。」「だな!!」

 そうして、チョコバナナを求めて歩いていると、突然、「シュウは何をお願いしたのですか?」夏実が聞いてきた。

 俺は恥ずかしながらも、「これからの俺たちのことだよ。」そう言うと、少し夏実は顔を赤らめて、「ちなみに私は内緒ですっ♪」と、俺でもあまり見たことがなかった満面の笑みで言ってきた。

 その笑顔は俺の心に深く刻まれ、心が満たされた気がした。

 「チョコバナナ3本ください。」

 そう言って買ったチョコバナナがいつもよりも美味しく感じて、涙がポロポロと出てきた。

 「シュウ⁉︎どうしたのですか?」

 夏実は心配した顔を見せたので、俺は笑顔で「大丈夫だよ!笑笑」と、夏実の不安そうな顔をほぐすかのように言った。

 すると、和樹くんが突然、何かを見つけた子供のように大きな声で言い出した。

 「あっ!たこ焼きあるぞーー!」

 しかし、和樹くんにもこんな一面があったとは……性格悪い人だと誤解していたのが申し訳ないくらいだった。

 本当は性格が悪いのではなく、不器用でいろいろな物に興味があり、友達思い。俺がそれに気づいてからは和樹くんは大切な友達のひとり。

 まあ、そんなことを考えているうちに、気づけば、最高の冬休みは幕を下ろして、2月になっていた。(バレンタインもうすぐ♪ワクワク)


                  つづく

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