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星に願いを  作者: にょろ
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悟り

 『人は誰もが人生という物語の主人公である』

 そんな文をいつか本で読んだことがあった気がする、記憶に残ってるあたり少なからず気に入っていたのだろう。

 その日俺が見た光景は自分への慰めに思い出したこの言葉を粉々に打ち砕くものだった。


◇◇◇◇


 この世界は強力な魔獣があらゆる場所に生息している。

 彼らは体格に合わない異常な筋力を持ち、その肉体と従来の動物以上に鋭い牙や爪で人を脅かす害獣である。


 それに対抗する為に人は己の心を武器として召喚する方法を編み出した、それは個人によって在り方を変えるが最も多い形に倣って人々はそれを心剣しんけんと名付けた。

 そして俺はその心剣を操る為に16歳からある学校に通っている、それがこの『学都メテオラ』である。


 メテオラに来て数ヶ月、心剣の扱いもそこそこ上達しただろうか、進学前の学校でも実習は何度か行っており元々優秀だったこともあるのかエリートの集まるこの学校でも可もなく不可もなくな成績を残せていた。

 今日の学祭であったトーナメント戦でも初戦の同級生に勝利し二戦目の上級生にも負けはしたが良い試合はできたと思う。


 いつもなららそうやって満足できていた。

 自分は良くやったんだと納得できていた。


 しかし俺は今日観てしまった、魅せられてしまった、自らの信念を貫こうとする者たちの試合に悟ってしまった、主人公とはああいう者達だけを指す言葉なのだと。

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