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このたび、乙女ゲームの黒幕と結婚しました、モブの魔法薬学教師です。  作者: 柳葉うら
第十七章 黒幕さん、恋の応援をしましょう!
206/210

02.ある少女の記憶【六】

申し訳ございません。前話で理事長がエリシャの後姿を見ている描写が入っておりましたが、正しくは正面から見ている場面でしたので、修正いたしました。

 オリア魔法学園の庭園にいる【私】は、理事長と向き合っていた。

 理事長はひどく苦しそうに顔を顰めており、額には汗をかいている。


「光の力を持っている、あの人間を殺してや……る……」

「……!」 


 理事長が急に口走った言葉に、【私】は息を呑んだ。

 何が起こったのかわからず困惑しているようで、その場から動かず、完全に固まってしまっている。

  

 まるで、なにかに操られるのを拒んでいるように体に力を入れている理事長の目から、次第に光が失われていく。


「理事長…?」


 エリシャが話しかけても、全く聞こえていないようだ。

 彼の瞳は、どこともない一点を見つめている。


 理事長が、ゆっくりと目を閉じた。

 彼の体の力が、ふっと抜ける。


 程なくして、彼は再び、目を見開いて――。


「殺してやる」


 またそう言うと、エリシャに襲い掛かった。


     ◇


「わぁぁぁっ!」


 自分の叫び声で目が覚めた。

 見慣れた天蓋のカーテンが見えて、ホッとする。


(ウィザラバの、理事長との最終決戦前の場面を夢に見てしまったわ)


 心臓が、ドクドクと早く脈を打っている。

 背中にはじっとりと汗をかいており、手が震えている状態だ。


 ゲームの画面越しで見ていても恐ろしかった場面をヒロイン――エリシャの視点で見ると、とても怖かった。


「レティ、大丈夫かい? 随分と魘されていたよ」


 背後から、ノエルの声が聞こえてくる。

 私を後ろから抱きしめるようにして眠っていたノエルが、私の寝言のせいで起きてしまったのだろう。


「ええ、ちょっと怖い夢を見てしまって……起こしてしまってごめんなさい」

「ちょうど、レティの寝息を聞き入っているときだったから、気にしないで」

「え? ちゃんと寝ましょう?」


 私はごろりと寝返りを打って、ノエルと向き合う。

 ノエルは気遣わしい眼差しで私を見つめてきたかと思うと、私の額や鼻筋や頬にそっとキスをした。


「実は、昔から眠りが浅くてね。夜中に起きてしまうことが何度もあるんだよ」

「そうだったのね……今度、良く寝られるような香りのサシェを作るわね。枕元に置いていると、安眠できるかもしれないわ」


 私が手を伸ばしてノエルの髪に触れると、ノエルは気持ちよさそうに目を閉じて微笑む。


「レティと一緒に眠るようになってから随分と眠れるようになったけど、時々また起きてしまうんだ。その時は、レティの寝息を聞いていると、安心してまた寝られる」

「ふふっ、私の眠気がノエルに伝播したのかしら?」


 私の冗談に、ノエルはクスクスと笑ってくれた。

 そして、私を抱き寄せると、唇を触れ合わせてくれる。


 ノエルの唇が触れた瞬間に、胸の中に蕩けるような甘い気持ちが広がった。

 

「レティがいると安心できるんだよ。ずっと、こうしていたい」


 そう言って、ノエルは私をさらに抱き寄せる。

 ノエルから漂う、清潔に現れた寝具の香りを嗅いでいると落ち着く。

 

「どんな悪夢を見てしまったんだい?」

「ウィザラバの……ゲームで、理事長との最終決戦が始まる場面よ。私はエリシャの視点でその夢を見ていて……、黒い影に呑み込まれた理事長に襲われそうになったところで、目が覚めたわ」

「そうだったのか……。そのような夢を見たのだから、とても恐ろしかっただろう」


 ノエルの大きな手のひらが、私の背中を優しく撫でてくれる。

 温かな手のひらが触れてくれると、心地よい。


「今まで、ゲームの場面を夢に見ると、何か起こっていたから心配だわ。何も起こらないといいのだけれど……」

「何か起こったとしても、最高の結末を迎えられるように私が尽くすよ」

「ありがとう。ノエルがいてくれたら、心強いわ」


 私はノエルの頬を両手で包む。 

 そっと目を閉じたノエルの唇に、自分の唇を触れ合わせた。

あけましておめでとうございます。

旧年はゆったりとした更新にもかかわらず、温かく応援してくださり、また見守ってくださり誠にありがとうございました。

黒幕さん続編も、そろそろラストスパートに差し掛かろうとしておりますので、最後までお届けできるよう、引き続き頑張って執筆していきますね!

今年も何卒よろしくお願いいたします(*ᴗˬᴗ)⁾⁾

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-ミーティアノベルス様告知サイトへの移動はこちらの文字をクリック- 挿絵(By みてみん)
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