第6章 コノキ星のその後(前編)
戴冠式が終わって1週間、マッシュ城では話し合いが行われ、アミガッサとエノキンは1度、コノキ星へ帰還する事が決まった。
キクラン王「アミガッサ、兵士達を無事に連れて来てくれ。
エノキン、3ヵ国会議での技術提供の開発状況を見て来てくれ。」
アミガッサ・エノキン「わかった。」
シメジン「マツターン王に現在の町の完成状況の報告と、コノキ王国の現状をも見て来てくれ。」
アミガッサ「ああ。」
シメジン「これが報告書だ。」
シメジンは、報告書の入った書類を手渡す。
エリンギース「いつでも出発できるぞ。」
エリンギースはキューブを投げ宇宙船を出す。
キクラン王「それじゃあ、頼んだぞ。」
アミガッサ「それでは行ってくる。」
エノキン「長旅だな。」
アミガッサとエノキンは、宇宙船に乗り込み、宇宙船を起動する。
町の建設をしている者達は、唖然と見ている。
しばらくすると、宇宙船が浮上し、一瞬で宇宙船が消えた。
キクラン王「行ったか。」
シメジン「はい。」
シイタン「コノキ星まで、どれくらいかかりましたっけ?」
シメジン「約1ヵ月の旅だな。」
キクラン王「長旅だな。」
マイタン「まあ、一人旅じゃないだけましだろ。」
シイタン「たしかに。」
キクラン王「戻って来る予定の半年の間に、出来る限り町を作らないとな。」
ナメタン「それは私に任せて、政治的な事は、シメジン達で。」
シメジン「ああ、通貨や法律や窒素工場の件もあるからな。」
キクラン王達は、慌ただしく動きだすのだった。
そして2週間が過ぎ・・・。
~~~~~~~~~~
その頃、ベジー星を出発したアミガッサ達は、コノキ星まで半分くらいの所を航行していた。
エノキン「アミガッサ、今どの辺りだ?」
アミガッサ「丁度、半分くらいの所だ。」
エノキン「うう・・・。
退屈だ~!」
アミガッサ「仕方ないだろ、距離が距離なんだから・・・」
エノキン「エリンギースが新しい機能とか付けてないのか?」
アミガッサ「付けてるよ。
ワープ機能をな。」
エノキン「ワープ機能?」
アミガッサ「ああ、航行の距離を縮められるらしいよ。」
エノキン「それ使えばいいんじゃないの?」
アミガッサ「いや、エリンギースが、今は使うなって。」
エノキン「どうしてだ?」
アミガッサ「エリンギースが言うには、使うとエネルギーを全て使ってしまうらしくて、航行不能になるんだと。」
エノキン「意味無っ!!!」
アミガッサ「だから、いつも通りの航行で行くしかないんだよ。」
エノキン「じゃあ、どっか寄って行かない?」
アミガッサ「寄り道か・・・」
エノキン「半分辺りなら、宇宙モールがあっただろ?」
アミガッサ「そんな所に寄って、何するんだ?」
エノキン「せっかくだから、名物でも食べて行ってもいいだろ?
アミガッサ「銀河蕎麦か・・・。」
エノキン「そうそう、船の食事も飽きてきたからさ。」
アミガッサ「まあ、食事くらいならいいか・・・。」
エノキン「よし、宇宙モールへ1」
アミガッサ達は、航路を外れ、宇宙モールへ向かった。
~・~・~・~・~・~
宇宙モールは、宇宙のあちこちに点在し、様々な星の住民が買い物に訪れる商業コロニーで、その宙域にある星々の名産品を販売し、コロニー自体でも、名物がある。
アミガッサ達は、コロニーに停船し、モール内に向かう。
アミガッサ「相変わらず、客が多いな・・・。」
エノキン「そりゃ、200以上もの星の住民が来るんだから・・・。」
アミガッサ「で、銀河蕎麦の店は?」
エノキン「ああ、85階だ。」
アミガッサ達は、85階で降り、歩き出す。
すると、目の前に「大銀河亭」と書かれた店が現れる。有
アミガッサ「ここか?」
エノキン「ああ、ここの銀河蕎麦が美味しくって」
アミガッサ「そうなのか?
俺は、この店では星雲丼しか食わないからな。」
エノキン「えっ!?あれって美味しいか?」
アミガッサ「あのクラゲの笠の部分が美味しいぞ。」
エノキン「俺、それが苦手・・・。」
アミガッサ「まあ、人それぞれだからいいんじゃないか?」
店員「いらっしゃいませ。
何になさいますか?」
エノキン「銀河蕎麦と太陽炒飯。」
アミガッサ「星雲丼と彗星かき氷」
店員「ご注文を繰り返します。
銀河蕎麦お一つ、太陽炒飯お一つ、星雲丼お一つ、彗星かき氷お一つですね。」
エノキン「はい。」
店員「かしこまりました。
少々お待ちください。」
エノキン「アミガッサ、ここのモールって、ワープ店無かったっけ?」
アミガッサ「そうだったか?」
エノキン「ワープ店に頼めば、コノキ星へ一気に帰れるけど?」
アミガッサ「食事終わったら、少し探してみるか。」
エノキン「そうこなくっちゃ」
店員「お待たせしました。
太陽炒飯と星雲丼です。」
店員が太陽炒飯と星雲丼を置く。
エノキン「来た来た。」
アミガッサ「炒飯、熱すぎないか。」
エノキン「鉄鍋の中だからな。」
アミガッサ「そうじゃなく、鉄鍋が燃えてるぞ。」
エノキン「ああ、だから太陽炒飯なんだ。」
アミガッサ「そ、そうなのか・・・。」
エノキン「食べてみるか?」
アミガッサ「いや、やめておく・・・。
(こんな熱そうなの食えないだろ・・・。)」
エノキン「今、熱くて食えないだろとか思っただろ?」
アミガッサ「・・・。」
エノキン「じゃあ、こうすれば驚くよな(笑)」
エノキンは燃えている鉄鍋を両手で持ち上げる。
アミガッサ「!!!」
アミガッサは大きく口を開けて驚く
エノキン「その驚いた感じいいね~」
アミガッサ「おっ、おい、熱くないのか」
エノキン「ああ、熱くないぞ。
ただの鍋に映し出された映像だからな(笑)
初めて見る人は驚くから面白いんだよな。」
アミガッサ「笑うな!」
エノキン「まあまあ、怒らない怒らない(笑)」
アミガッサ「さっさと食べるぞ(怒)」
エノキン「わかったわかった・・・。」
2人が食べる中、店員が銀河蕎麦と彗星かき氷を運んで来た。
店員「お客様、銀河蕎麦と彗星かき氷でございます。」
店員が銀河蕎麦と彗星かき氷を置く。
店員「ごゆっくりどうぞ」
アミガッサ「銀河蕎麦って、月見蕎麦のことだったのか」
エノキン「ああ、月見だけど、黄味だけだけどな。
周りの白いのは、細かくした天かすだよ。」
2人は、そそくさと食べ、店を後にした。
アミガッサ「ワープ店をどうやって探す?」
エノキン「店が多すぎて案内版は無いからな・・・。」
アミガッサ「しらみ潰しに探したとして、4000店も見れないからな・・・。」
エノキン「一旦、工業区を探すしか・・・。」
アミガッサ「工業区は何階だ?」
エノキン「35階から40階だ。」
2人は、35階に移動し、アニマ星人に話しかける。
アミガッサ「すみません。」
アニマ星人「はい?」
アミガッサ「工業区に、ワープ出来る店はありますか?」
アニマ星人「ん~、噂には聞いた事が・・・。」
アミガッサ「噂ですか・・・。」
アニマ星人「はい・・・。
噂では、最上階にあるって。」
アミガッサ「ありがとうございます。」
アニマ星人「いえ。」
アニマ星人は人込みの中に消えて行った。
アミガッサ「最上階だそうだぞ。」
エノキン「最上階か・・・。」
アミガッサ「どうした?」
エノキン「最上階は、超高級店が並んでる階なんだ・・・。」
アミガッサ「ということは、高額なのか・・・>」
エノキン「たぶん・・・。」
アミガッサ「一応行ってみるだけならいいだろ。」
エノキン「あ、ああ・・・。」
2人は、最上階に上がる
◇つづく◇