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ベジタブルー  作者: シグルド
7/12

第5章 城の完成と戴冠式

 3ヵ国会議から半年が過ぎ、3国の真ん中辺りでマッシュ城の建設が進む・・・。


堀が完成し、その中で働く元盗賊団達がいた。


ニンニーク「お前ら!しっかり働け、ニンニク盗賊団の底力を見せてやれ!」


キニーラ「親分も働いてくださいよ・・・。」


手下3「働いてるの私達だし・・・。」


ニンニーク「うるさい!俺は現場監督なんだよ!」


ペシッ!


その時、後ろから叩かれる。


ニンニーク「誰だ!?」


アミガッサ「現場監督だからってサボって良いとは言ってないぞ。」


ニンニーク「ダ、ダンナ、働きますから許して・・・。」


ペシッ!


アミガッサ「その呼び方はやめろ!」


ニンニーク「へ、へい・・・。」


ニンニークは、そそくさと持ち場に戻り働く。


しばらくして、堀に橋が架かる。


キャロット王女「皆さん、お昼ですよ~。」


王女様と兵士達がオニギリを運んでくる。


ナメタン「王女様、毎日ありがとうございます。」


キャロット王女「良いのですよ、私もコノキの皆さんの力になりたくて。」


ナメタン「十分力になってますよ。

みんな、王女様が来るのを楽しみに頑張っているのですから。」


アミガッサ「盗賊団も始めは、サボる者が多くて大変でしたが、最近はしっかり働いてくれてるのも、王女様のお陰なのですから。」


キャロット王女「そうなのですか?」


ナメタン「みんな、王女様の笑顔で疲れも吹き飛んでるんですから。」


キャロット王女「まあ、それならうれしい」


兵士達はお昼の準備を整える。


ニンニーク「お前ら!お昼だぞ。」


ニンニークの言葉で、皆がお昼を食べに集まって来る。


キャロット王女「どうぞ、お昼のオニギリですよ。」


手下14「王女様、ありがとうございます。」


王女様は順番にオニギリを渡していった。


それから1ヵ月が過ぎたころ・・・。


手下10「あっ!」


城の屋根で作業をしていた手下が、うっかりコテを落とす。


ドサッ!


手下7「わっ!」


真下で作業をしていた手下の横に落ちた。


アミガッサ「なんだ!?どうした?」


手下7「突然上からコテが・・・。」


アミガッサ「ん?」


アミガッサが上を見上げると、頭をかく手下10の姿があった。


アミガッサ「ニーラス、危ないだろ、気を付けろ!」


ニーラス「すいやせん・・・」


アミガッサ「ニッニク、怪我は無かったか?」


ニッニク「はい、横に落ちてきただけで、大丈夫です。」


アミガッサ「上で作業してる下は危険な事もある、気を付けろよ。」


ニッニク「はい。」


それから、さらに2か月が過ぎ・・・。


ポカポカとした春に城が完成した。


ダイコーン王「りっぱな城じゃ。」


キクラン「はい、みなさんのお陰でりっぱな城が出来上がりました。」


コンブーン王「これかからが大変だぞ?」


キクラン「わかっています。

家を作り、工場まで建設しないといけないですから。」


ゼンマイール「それだけじゃないぞ、国の法律や、外交などについても、決めていかなければならん。」


ダイコーン王「まだまだやることが山積みじゃな。」


キクラン「はい・・・。」


ダイコーン王「そんな暗い顔をするでない。


まずは、キクランの戴冠式じゃ。」


コンブーン王「国民の居ない戴冠式だが、我々や、兵士達もおる、盛大に執り行うぞ。」


ゼンマイール皇帝「今回は、コ儂らの国の兵士もコンブーンの国の兵士も多数来ておるからな。


キクラン「ありがとうございます。」


ダイコーン王「それでわ、準備を急いでしよう。」


兵士達は3日間かけて、戴冠式の準備を行った。


そして戴冠式の日・・・。


ダイコーン王「いよいよじゃな」


キクラン「はい・・・;」


コンブーン王「そんなに固くならんでもよいぞ」


ゼンマイール皇帝「王冠を被るだけなのだからな。」


キクラン「はぁ・・・。」


城内は、王族、大臣、3ヵ国の兵士が整列し、戴冠式がはじまる。


シメジン「それでは、マッシュ国キクラン様の戴冠式を挙行します。」


キクランは玉座の前に立ち、ダイコーン王より、王冠を乗せられる。


兵士「キクラン王ばんざーい」


兵士達は、一斉に声を挙げ、盛大な拍手が城内を包む。


キクラン王「みなさんありがとう。

平和な良い国をめざしていきます。」


また大きな拍手が沸き起こる。


キクラン王「それでは、私が王としての初仕事として、各担当職を申し上げます。

まず、大臣にはシメジン、財務長官にはマイタン、国防長官には、アミガッサ、国の国境管理にはエノキンとシイタンとエリンギース、兵士統括官にはナメタンが着任します。」


シメジン「移住は、まだ先ですが、兵士は移住する住民とは他に連れてきます。

あと、城の清掃や修繕には盗賊団であったニンニークとその手下を任命します。」


ゼンマイール皇帝「ちょっと待て、シメジンよ、元盗賊団を城で働かせるのか!?」


シメジン「はい、アミガッサやナメタンから、相談を受けキクラン王と話し合いの末、城で働かせようと決めたのです。


コンブーン王「アミガッサにナメタンよ、元は不良だった者だぞ、それでも良いのか?」


アミガッサ「はい、9ヵ月の城の間見てきまして、もう悪さはしないだろうと、シメジンに相談をしたのです。」


ナメタン「話し合いで、まだ城の外へ出すのは早いとの事で、城の中でなら自由に活動をさせ、清掃員として働かせようと決めました。」


ダイコーン王「キクラン王が決めたのなら、それでいいじゃろ。」


キャロット王女「兵士さんはどんな方がいらっしゃるのですか?」


キクラン王「兵士はアミタケ兵が来ますよ。」


ダイコーン王「あの時の兵士か。」


キクラン王「ご存知なのですか!?」


シメジン「実は、会議の時に王と通信をしてて、その時に。」


キクラン王「そうだったんですか。」


キャロット王女「早く会ってみたいです。」


ピー、ピ^、ピー、ピー


突然、マイタンの笠から音がなる。


兵士達がざわつく。


マイタン「ん?」


マイタンは笠から、音が鳴っている物を取り出す。


キクラン王「マイタン、どうした?」


マイタン「マツターン王からの通信のようです。」


キクラン王「繋いでくれ」


マイタンは、プロジェクターを取り出し、通信機と繋げた。


マツターン王「こちら、コノキ王国国王マツターン、マイタンいるか?」


マイタン「マツターン王、マイタンです。

どうかされましたか?」


マツターン王「おお、マイタン、やっと戦争が終わったのだ。」


マイタン「えっ!?」


兵士達「・・・。」


マイタン「あ、あの、今、戴冠式の最中でして・・・。」


マツターン王「戴冠式?誰のだ?」


マイタン「キクランのです。」


キクラン王「どうも・・・。」


マツターン王「おお、そうだったのか。

すまんすまん・・・。」


ダイコーン王「マツターン王、戦争が終わったとは?」


マツターン王「ダイコーン王、そうなのだ。

長かった戦争が、ようやく終わったのだ。」


シメジン「毒コノキ帝国が落ちたのですか?」


マツターン王「いや、お互いに被害を、これ以上出したくないとの意見が国民から続出した関係で、終戦協定を結び、終戦したのだ。」


キクラン王「では、住民の移住は無くなるのですか?」


マツターン王「戦争は1ヵ月前に終わって、移住の取り止めを表明したのだが、一部の住民が移住を志願するので、移住は行う事になっているのだ。」


キクラン王「では、私達は、こちらで、待てばよいのですね?」


マツターン王「まあ、そうなのだが・・・。」


キクラン王「ん?」


マツターン王「アミガッサには、一度コノキ星へ戻ってほしいのだ。」


アミガッサ「それは、どうしてですか?」


マツターン王「ベジー星へ、アミタケ兵を送るにあたり、マッシュ国の国防長官であるアミガッサには、兵士を選定する義務がある、そのため、一度、コノキ星へ戻ってほしいのだ。」


アミガッサ「はあ・・・。」


マツターン王「即決しろとは言わん、考えてくれんか?」


アミガッサ「わかりました。」


マツターン王「でわ、また。」


通信が切れた。


しばらく周りは静まり返ったままだった。


シメジン「これで戴冠式を終了します。」


先ほどの出来事で、拍手はまばらに終わった。


◇第5章 おしまい◇

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