第4章 盗賊団と旧友(前編)
新国家建国が決定した頃、王女達は思い出の丘に向かい進んでい頃、エノキンとナメタンとアミガッサは、飛行装置を背負い、空から王女達の元へ向かう。
ナメタン「王女様達はまだなのか?」
エノキン「そろそろ・・・。」
アミガッサ「見えましたよ、王女様達が。」
エノキン達は、一気に降下し王女様の前方に着陸する。
キャロット王女「エノキンさん、それにナメタンさんにアミガッサさんまで、どうしたんですか?」
キクラン「王女様、実はこれから向かわれる思い出の丘なのですが・・・。」
キャロット王女「はい・・・?」
キクラン「先ほどの町で、壁紙を見まして、盗賊が出るらしいのです。」
ワカメーン王子「それは本当ですか?」
キクラン「本当かどうかはわかりませんが、注意するにこしたことはありません。」
コゴミー皇太子「それと、ナメタンさん達と何か関係があるのですか?」
キクラン「まあ用心のため、コノキで兵の部隊長をやっていたナメタンとアミガッサに護衛に来てもらったのです。」
キャロット王女「そうですか!よかった、てっきり連れて帰られるのかと思いました。」
キクラン「本当は、安全を考えれば、そうしたいのですが・・・。」
エノキン「王女様達の思い出の場所であり、久々の外出のようでしたので、それをしないでおこうと思いまして。」
キクラン「でも、危険だと感じたら帰りますが、よろしいですか?」
キャロット王女「はい、その時は・・・。」
ナメタンとアミガッサはそれぞれ王女達の前後に並び、シイタンとエノキンが王女達の左右に並び、キクランは、列の後方を歩く。
ほどなくして、森が開け目の前に湖が見えてきた。
キャロット王女「見えましたよ。」
王女様達は列から走り出し湖へ向かう。
ナメタン「あっ、王女様!」
ナメタン達も王女様達の後を追いかける。
キャロット王女「だれもいませんわ」
ワカメーン王子「盗賊の情報は嘘だったみたいですね。」
その時・・・。
ガサッ!と森の茂みが動く
キクラン「誰だ!」
キクランが叫ぶと、ぞろぞろと20人くらいの人が出てくる。
それと同時に強烈な臭いが周辺を包む。
???「ヘッヘッヘッ!、我々は泣く子も黙るニンニク盗賊団、怪我したくなければ、金目の物を置いて、さっさと逃げるんだな。」
エノキン「盗賊団いましたね。(クセーッ!)」
シイタン「そのようだが、臭いが強烈すぎる(鼻がもげそう・・・)」
キクラン「お前が親玉か?(・・・)」
???「そうだ、ニンニク盗賊団の首領、「ニンニーク」だ。
ムダ話しはいい、早く金目の物を・・・。
ちょっと待て、そこに居るのは、王女様じゃないか、王女を置いて、さっさと消えろ。」
ワカメーン王子「そんなこと出来るか!」
ニンニーク「それじゃあ、力ずくで奪うまでだ。」
ワカメーン王子「ッ・・・!」
ナメタン「キクラン、王女様達を頼む。」
キクラン「ああ、わかった」
ナメタンとアミガッサとシイタンが盗賊団に向かって飛び込む。
キャロット王女「キクランさん、ナメタンさん達が・・・。」
キクラン「王女様、大丈夫ですよ。」
ワカメーン王子「そんな大勢の中に3人で飛び込むなんて無茶ですよ・・・。」
エノキン「まあ、見ててください。」
ニンニーク「身の程知らずが、やろうどもやってしまえ!」
ニンニークは手下に命令すると、手下が一斉に襲い掛かる。
ナメタンは手下5人を相手にする。
手下1「なんだこのヌルヌルは・・・。」
ナメタンは笠のヌルヌルした液を地面に撒き散らす。
手下2「地面が滑るっ・・・!?}
ナメタンのヌルヌルで滑った手下を、シイタンが縄を使い縛る。
手下5人「くそっ・・・!」
シイタンを後ろから襲い掛かる3人の手下!
キクラン「シイタン後ろだ!」
その時、3人の手下に白い網がかかる。
手下3人「っ・・・!?」
ナメタン「ナイス!アミガッサ」
アミガッサが網の笠を飛ばしたのだった。
アミガッサ「ナメタン、時間かけすぎだぞ!
こっちは後親玉1人だ!」
ナメタン達が5人を相手にしてる間に、14人を網にかけ、縄で縛り上げていた・・・。
アミガッサ「ニンニーク、どうする、まだやるか?」
ニンニーク「うっ・・・。くそっ!」
逃げようとするニンニーク・・・。
シイタン「逃がすか!」
シイタンが縄を飛ばし、ニンニークを捕まえる。
ニンニーク「くそッ!離せ!」
縄から抜けようと暴れる。
ナメタン「大人しくしろ!」
ナメタンは、暴れるニンニークを木に縛り付ける。
ようやく閑念したのか、大人しくなる。
ナメタン「やっと閑念したか。」
大人しくなったニンニークに、キクランが質問する。
キクラン「ニンニーク、アジトはどこだ?」
ニンニーク「知らん!知ってても話すか!」
エノキン「城で尋問されたら、縛るだけですまないぞ?」
ニンニーク「・・・。」
キクラン「もう一度聞くアジトはどこだ?」
ニンニーク「・・・。」
キクラン「わかった、答えないなら、手下に答えさせよう。」
アミガッサは手下の一人を連れてくる。
キクラン「名前は?」
手下1「キニーラだ・・・。」
キクラン「キニーラ、アジトはどこだ?」
キクランはニンニークと同じ質問をする。
キニーラ「答えたくない・・・。」
キクラン「わかった、質問を変える。
親分の事をどう思っている?」
キニーラ「親分は良い方だ。」
キクラン「ふむふむ。
どう良いのだ?」
キニーラ「親分は、盗んだお宝を自分だけの物にしない、だから良い方だ。」
キクラン「たしかに、良い方なのかもな。
でも・・・。」
キニーラ「でも?」
キクラン「さっき、親分が一人だけになった時に、お前達を置いて逃げようとしたぞ?」
キニーラ「えっ?」
ニンニーク「キニーラ、そいつの話は嘘だ!」
キクラン「嘘じゃないぞ?」
キクランは笠からカメラを取り出す。
カメラにはさっきの映像が事細かに映っている。
キニーラ「親分・・・。」
ニンニーク「卑怯だぞ!そんなの使うなんて1]
ナメタン「盗賊にそんな事を言われてもな・・・。」
キニーラ「親分・・・。」
キニーラは肩を落とした。
キニーラ「アジトの場所をお教えします。」
キクランはキニーラからアジトの場所を聞いて立ち上がる。
キクラン「ナメタン、シイタン、アジトに行くぞ。」
ナメタン・シイタン「ああ。」
キクラン「アミガッサはニンニークと手下を見張っててくれ、エノキンは王女様達の相手を」
アミガッサ・エノキン「わかった」
キクラン「王女様、もう大丈夫ですよ。
ここで王子様達と遊んでてください。」
キャロット王女「本当ですか?」
ワカメーン王子「ありがとうございます。」
コゴミー皇太子「この者達はどうするのですか?」
キクラン「私達が戻るまでは、アミガッサに見張りを頼み、合流後、城の兵に引き渡します。」
コゴミー「そうですか。わかりました。」
キクラン達はキニーラを連れアジトへ向かう。
ニンニーク「くっくっくっ!簡単にはアジトに入れないぜ。」
アミガッサ「ほう、簡単には入れないけど、入ることは出来るんだな。」
ニンニーク「なんだ、その笑いは!?」
アミガッサ「今頃はキニーラが入る方法を話してるとこじゃないかな。」
ニンニーク「・・・。」
アミガッサ「アジトには、盗んだ物が沢山あるんだろ?」
ニンニーク「盗賊なんだから当然だろ!」
アミガッサ「すべて没収だな。」
ニンニーク「せっかく手に入れた財宝や捕まえた人質を逃がすつもりか」
アミガッサ「まあ当然だろうな」
ニンニークはムスッとした顔で黙り込んだ。
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