第3章 3カ国会議(後編)
前夜祭の後、3カ国会議が始まり、後は決議を残すのみとなった。
一方の王女達は。
一方、王女達は・・・。
キャロット王女「ねえ、兵士さん」
アスパラ兵C「あっ、王女様どうかされましたか?」
キャロット王女「王子やコノキの方と城の外へ行きたいのですが・・・。」
アスパラ兵C「それはいけません。」
ワカメーン王子「王女様は私達がお守りしますので、お願いします。」
アスパラ兵C「んー、王様に聞いてきます。少しお待ちください。」
兵士は、会議室へかけていく。
丁度休憩で王様達が出てきた。
アスパラ兵C「王様、女王様!お話がございます。」
ダイコーン王「なんじゃ?」
アスパラ兵C「実は、王女様達が城の外へ行きたいと申していまして・・・。」
ダイコーン王「ならん、いかせてはならんぞ。」
アスパラ兵C「一応、今はお待ちいただいているのですが。」
ラディッシュ女王「いいではないですか。」
ダイコーン王「しかしじゃな・・。」
ラディッシュ女王「王子やコノキの方も一緒ですし。」
コンブーン王「ダイコーンよ、そんなに渋らずとも」
ゼンマイール皇帝「わしの息子も一緒なのだ、心配はいらん」
ダイコーン王「う~む・・・。」
ノーリ女王「私達が会議で忙しい中、城の中でずっと居るのは退屈なのですよ。」
ダイコーン王「うむ、わかった。
キャロット達に伝えてくれ。
くれぐれも城の外は気を付けるようにと。」
アスパラ兵C「わかりました。」
兵士は、王女の元へ戻って行く。
アスパラ兵C「王女様、外出の許可がおりましたよ。」
キャロット王女「ほんと、うれしい。」
アスパラ兵C「王様から、くれぐれも外は気を付けるようにと。」
キャロット王女「わかったわ、王子、行きましょ。」
ワカメーン王子「はい。」
コゴミー皇太子「王女様は私達でお守りします。」
王女達は、城の外へ出かけていく。
しばらく行くと、町が見え、沢山の露店が並んでいる。
キクラン「色々な物が売っていますね。」
キャロット王女「コノキにも、このような町はありますの?」
シイタン「ありますよ。でも、戦争中のため、これほどの賑わいではありませんが。」
エノキン「王女様、何か欲しい物があるのですか?」
キャロット王女「いえ、町に来たかった訳ではないのです。」
キクラン「それでは何処に?」
キャロット王女「町の先にある町が綺麗に見える丘に行きたいのです。」
ワカメーン王子「小さい頃に遊んだ、あの丘ですね。」
キャロット王女「ええ、その丘ですよ。」
シイタン「思い出の場所なんですね。」
シイタンの話す横でキクランは壁に貼られた紙を見る。
コゴミー皇太子「丘の上には湖があり、よくピクニックに行き、そこで泳ぎました。」
シイタン「お城の堀の水は、その丘から引いているのですか?」
キャロット王女「ええ、丘の湖から、この町の中央を通り、城のお堀につながっています。」
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(キクランとエノキンの会話)
キクラン「エノキン、王女様が話してる丘なんだが・・・。」
エノキン「どうした?」
キクラン「さっき壁に貼られた紙に、「盗賊の出没地帯のため、近づくな!」と、書いてあったのだが・・・。」
エノキン「それは本当か?」
キクラン「多分・・・。ナメタン達に応援を頼んだ方がよくないか?」
エノキン「私が、こっそり離れて応援を呼んでくる」
キクラン「頼むぞ」
エノキンは、静かに列より離れ、城へ引き返した。
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シイタン「キクラン、エノキンはどうした、引き返したみたいだったが・・・。」
キクラン「少し用事を頼んだんだ。」
シイタン「そうか」
そうこうしているうちに、町を抜け分かれ道にさしかかる。
キャロット王女「どっちの道だったかしら・・・?」
シイタン「私とキクランで調べてまいります。王子様達とお待ち下さい。」
キャロット王女「わかりました。」
シイタンとキクランは二手にわかれ、道を進む。
しばらくするとシイタンからキクランに無線がはいる。
シイタン「キクラン、こっちの道が丘に向かう道のようだ、さっきの分かれ道へ戻れ」
キクラン「わかった」
キクランとシイタンはそれぞれ分かれ道へ戻る
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その頃、城に戻ったエノキンは、ナメタン達の場所へ
エノキン「ナメタン、エリンギース、アミガッサ、集まってくて」
ナメタン「どうした息を切らして」
エノキン「城の外へ出かけたのだが、王女様が向かう場所に盗賊がいるらしい、出くわした時のために、応援を頼みたい。」」
エリンギース「盗賊?」
エノキン「たまたま壁の張り紙を見た、しかし、王女様達の楽しみを奪うわけにもいかず・・・。」
アミガッサ「わかった、俺とナメタンで向かう。
エリンギース、ここを頼んで良いか?」
エリンギース「わかった。」
エノキン「ありがとう」
エノキン・ナメタン・アミガッサは急いで王女の元へ向かう。
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休憩が終わり、王様達が戻ってくる。
チン・ゲンサイ「それでは、コノキの新国「マッシュ王国」建国に賛成の者は「青旗」を、反対の者は「白旗」を挙げてください。」
すると、セアウィードのコンブーン王が白旗を挙げた。
ダイコーン王「コンブーン、どうして反対なのじゃ?」
コンブーン王「すべてに反対というわけではないのじゃが、コノキ国の王と話が出来るなら話してみたい。」
ゼンマイール皇帝「それは無理ではないか?」
シメジン「いえ、それは出来ますが、王が城におられるか・・・。」
コンブーン王「どういうことじゃ?」
シメジン「王は、戦争の最前線に出られることが多いので、おられないことが多いのです。」
ダイコーン王「連絡はとれるのか?」
シメジン「はい、すぐにでも通信は可能です。」
コンブーン王「やってもらえぬか?」
シメジン「はい、やってみます。」
マイタンはプロジェクターに通信機を取り付け、コノキ国に向け通信をする。
シメジン「こちらコノキ国のシメジン、ベジタリアン王国より、マツターン王おられますか?」
???「こちらコノキ国、アミタケ兵、シメジン様、王はおられます。
マツターン王に通信を切り替えます。」
アミタケ兵は、切り替えボタンを押した。
マツターン王「シメジンではないか、どうした、交渉は上手くいったか?」
シメジン「マツターン王、今、交渉の最中でして・・・。
こちらの国の王様がマツターン王と話をしたいとの事で、通信をしました。」
マツターン王「そうか、後ろの方達が、王様達だな?」
シメジン「はい、右から、ベジタリアン王国のダイコーン王とラディッシュ女王、セアウィード公国のコンブーン王とノーリ女王、コケット帝国のゼンマイール皇帝とワサビー皇后です。」
マツターン王「うむ、儂は、コノキ星コノキ国マツターン王じゃ、ベジー星の王様よ、どうか我々の頼みを聞いてほしい」
コンブーン王「えっと、儂は、セアウィード公国コンブーン王、儂が、マツターン王との通信をお願いしたのは、移住にあたり、少しお願いしたいことがあるためなのじゃ」
マツターン王「お願い事とは?移住が叶うのであれば、出来る限りのことはさせてもらう」
コンブーン王「我々の星には後2つ国があるそうで、その国とも交流をしたと思うのじゃが、嵐の海域を越える技術は我々にはない、そこで、コノキ国の技術を使わせてほしいと思ったのじゃが。」
マツターン王「うむ、ベジー国の嵐の海域を越えるための技術じゃな、わかった移住までになんとかしよう」
チン・ゲンサイ「もう一度、決議をさせていただきます。」
すると、全ての王様・女王様から青旗があがる。
チン・ゲンサイ「賛成6、反対0、新国家「マッシュ国」建国案は了承されました。」
マツターン王「ベジー星の方々、どうもありがとう。
シメジンにマイタンよ、どうもご苦労だった。
これから建国まで頑張ってくれ」
シメジン「はい」
シメジン達のプレゼンにより、新国家「マッシュ国」建国は決定され、本来の任務を終えたのだった。
◇第3章 おしまい◇