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ベジタブルー  作者: シグルド
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第3章 3ヵ国会議(前編)

前回のおさらい

建国は3カ国会議に委ねられる事になり、シメジン達は、準備を始めるのだった。

 3ヵ国会議の開催決定から1ヵ月、いよいよ開催する日が2日後にせまり、セアウィード公国とコケット帝国から、要人達が集結した。


~~~~~~~~~~


・国王達


ダイコーン王「コンブーン王にゼンマイール皇帝、遠い所からよく来られた。」


ゼンマイール皇帝「久しいなダイコーン王にコンブーン王よ。14年ぶりくらいだな。」


コンブーン王「前回の3ヵ国会議からもうそんなになるのか・・・。」


ゼンマイール皇帝「あの頃は、コンブーンが即位したばかりで、まだまだ国王らしく無かったからな。」


ダイコーン王「ゼンマイール、お主も、まだまだだった気がするが。」


ゼンマイール皇帝「そんな事はない!


コンブーンより、5年も早く即位しているのだから。


そんなお主こそ、まだまだだったであろう。」


ダイコーン王「お主より4年も早く即位したんじゃ。


あの頃はもう立派に王をしておったわ。」


ゼンマイール皇帝「いやいや、そんな事はないぞ、不作でアタフタしておったではないか。」


ダイコーン王「あと年は・・・。」


ゼンマイール皇帝「ほれ、反論できまい。」


ダイコーン王「うぬぬ・・・。」


アスパラ兵A[王様・・・;」


王様達「なんじゃ!?(怒)」


アスパラ兵A「え、えっと・・・。


女王様より、キノコパーティーのお誘いがきておりまして・・・;」


ダイコーン王「わかった、すぐ行く(怒)」


アスパラ兵A「な、中庭でお待ちしております・・・;」


王様達は、ムスッとしながら、中庭へと向かっていった。


・女王達


ラディッシュ女王「ノーリ女王にワサビー皇后、お久しぶりです。」


ワサビー皇后「手紙が届いた時は、驚いたが、内容はとても興味を持てた。コノキの使者に早く合わせてくれんのか?」


ノーリ女王「私も早く会いたいです。」


ラディッシュ女王「そんなに急がなくても、明日、お会いできますよ。」


ワサビー皇后「本当じゃな。あと、キノコと言う食べ物を見たいのじゃが。」


ラディッシュ女王「キノコでしたら、食物庫ですよ。」


ラディッシュ女王は、食物庫にワサビー皇后とノーリ女王を連れていく。


すると、食物庫にはマイタンがいた。


ラディッシュ女王「マイタンさん、どうして食物庫に?」


マイタン「ラディッシュ女王様、キノコの笠が開いていないか確認していたのです。」


ノーリ女王「ラディッシュ女王、もしかしてこの方がコノキの方ですか?」


ラディッシュ女王「そうじゃ、コノキの使者の一人のマイタンさんです。」


マイタン「初めまして、コノキの使者のマイタンです。」


ワサビー皇后「私はコケット帝国の皇后、ワサビーです。お会いできてうれしく思います。」


ノーリ女王「私はセアウィード公国の女王、ノーリと申します。


ラディッシュ女王「マイタンさん、私達は、キノコを見に来たんです。」


マイタン「それでしたらここに。」


マイタンは横の台に被せられていた布をとった。


ワサビー皇后「おぉ、これがキノコとやらか。手紙に書いてあったように、見たこともない食べ物じゃ。」


ノーリ女王「なんだか、いい香りがしますね。」


マイタン「香りは、このマツタケの香りだと思います。」


マイタンは3人にマツタケを渡した。


マイタン「焼いたりすれば、もっと香りが強くなりますよ。」


ワサビー皇后「今すぐ食べてみたいのじゃが、ラディッシュよダメか?」


ラディッシュ女王「いいですよ、丁度お昼ですし、王様達もご一緒に食べましょう。」


女王達は、兵にキノコパーディーの用意を任せ、部屋へと戻って行った。


・王女達


キャロット王女「ワカメーン王子に、コゴミー皇太子、お久しぶりですね。」


ワカメーン王子「お久しぶりです。お手紙ありがとうございました。」


コゴミー皇太子「お久しぶりですキャロット王女様。5年ぶりくらいですね。」


ワカメーン王子「久しぶりにベジタブル王国の野菜を食べられるので、楽しみです。」


キャロット王女「今年も、沢山の野菜が取れたので、楽しみにしててください。」


アスパラ兵B「キャロット様、ラディッシュ様より、キノコパーティーの用意を申し付けられ、用意が出来たので、王女様達を呼びに来ました。」


キャロット王女「キノコパーティーですか、すぐに行きますね。」


アスパラ兵B「パーティーは中庭です。」


キャロット王女「わかりました。王子達も行きましょう。」


ワカメーン王子「ぜひ。」


コゴミー皇太子「私もぜひ。」


王女は部屋に戻り、王子達は中庭に向かいました。


~~~~~~~~~~


中庭に王様や女王様、王女様達が集まり、テーブルに座る。


シメジン「ベジタブル王国、セアウィード公国、コケット帝国の皆様、コノキのシメジンと申します。ベジタブル王国の方はご存知ですが、2日後の会議の前に、私達コノキの者達を紹介させていただきます。」


コノキの使者が前に並ぶ。


シメジン「左側から順に、私、シメジン、エノキン、マイタン、エリンギース、アミガッサ、シイタン、ナメタン、キクランと申します。」


周りから拍手が沸き上がる。


シメジン「それでは、キノコパーティーに使用するキノコやベジタブル王国で取れた野菜やお肉、セアウィード公国よりお魚や海藻、コケット帝国より、山菜をご用意しています。」


アスパラ兵達がキノコや野菜を運んでくる。


マイタン「ここからは、私、マイタンが説明させて頂きます。」


マイタンは大きなテーブルに移動し。


マイタン「こちらでは、ベジタリアン王国で取れたコメとムギを使い、ごはんとパンを用意しています。」


隣のテーブルに移動し。


マイタン「こちらでは、セアウィード公国で取れたお魚とコケット帝国で取れた山菜を使い、お寿司と天ぷらを用意しています。」


次に鉄板に移動し。


マイタン「鉄板では、食材をバターやソースで炒めたり焼いたりした料理をお出しします。」


最後に、一番大きなテーブルに移動し。


マイタン「最後に、こちらでは、パンに挟んだり、肉を巻いたりする生野菜や、ごはんにのせたりかけたりするお供を用意しています。」


シメジン「それでは、ごゆっくり、お楽しみください。」


王様や女王様、兵士達が一斉に散らばり、各々好きな料理へと向かう。


王族や兵士、召使いあコック等、身分を気にせず楽しい時間を過ごした。


それから2日後。


コノキの使者を交えた3ヵ国会議が王宮の大会議室で行われる・・・。


王宮の大会議室には、司会のチン・ゲンサイが司会席に座り、ベジタリアン王国のダイコーン王とラディッシュ女王、セアウィード公国のコンブーン王とノーリ女王、コケット帝国のゼンマイール皇帝とワサビー皇后、6人が、コノキの使者のシメジンとマイタンを前にして座る。


横の壁に大きなプロジェクターがあり、タイトルには「新国家設立における3ヵ国会議」と映し出されている。


チン・ゲンサイ「それでは、3ヵ国会議を始めます。初めに、コノキのシメジン様とマイタン様に、新国家設立の経緯を説明していただきます。」


シメジンは大きなプロジェクターの横に立つ。


シメジン「それでは、経緯を説明させていただきます。壁のプロジェクターをご覧ください。」


マイタンは、手のリモコンの02のボタンを押すとコノキ星とベジー星の写真が映し出される。


シメジン「初めに、私達の星「コノキ星」について説明します。私達の住むコノキ星はベジー星より70光年離れた所にある星です。」


マイタンは03のボタンを押すとコノキ星の地図が映し出され、コノキ国と毒コノキ帝国の勢力図が示されている。


シメジン「私達、コノキ星では、コノキ国と毒コノキ帝国の2つの国があり、キノコの栽培のため、地図中央の湿地帯をめぐり、20年程戦争をしております。」


マイタンは、04のボタンを押すと、コノキ国と毒コノキ帝国のそれぞれの人口と戦争による死傷者の数が映し出される。


シメジン「コノキ国での人口は、現在300万人が住んでおり、戦争が始まった20年程前にくらべ、130万人程減少しています。戦争による死者は推定108万人、負傷者は推定93万人にのぼっています。」


マイタンは05のボタンを押すと、コノキ国での避難計画の内容が映し出される。


シメジン「そこで、これ以上の被害を出さない措置として、計画されたのが、移住計画なのです。


 そこで、まずは移住先の星を探すことになり・・・。」


マイタンは06のボタンを押すと、ベジー星と3つの星が映し出された。


シメジン「ベジー星を含む4つの星が候補にあがりました。」


一つ目は、コノキ星より70光年離れた、海や緑豊かな青い星、ここ「ベジー星」。


二つ目は、コノキ星より83光年離れた、芝に覆われた中に巨大な湖が存在する星、「シバール星」。


三つ目は、コノキ星より155光年離れた、赤土の大地と海が存在する星、「レッド星」


四つ目は、コノキ星より48光年離れた、コケと岩の星、「コケーン星」


 この4つの候補から、様々なキノコの生育に適した星を選び、ここ「ベジー星」に決めたのです。」


マイタンは07のボタンを押すと、ベジー星の地図が映し出された。


シメジン「ベジー星には2つの大陸が存在し、大陸の間には嵐の海域があり、分断しています。」


ダイコーン王「我々の国は、どちらにあるのじゃ?」


シメジン「ベジタリアン王国やセアウィード公国やコケット帝国は、大陸の右側にあり、左の大陸には2つの国が存在します。」


コンブーン王「たしかに、セアウィードの西側の方は嵐で越える事が出来ないが・・・。」


シメジン「はい、空だけでなく海中も強力な海流が複雑に流れ、コノキの技術でも嵐の海域を抜ける事はできません。」


ダイコーン王「左側の大陸の2つの国はどんな国があるのじゃ?」


シメジン「えっと、コノキの偵察隊の報告では、一つはコメの国「イーネ王国」


と、ムギの国「ギームバク王国」があるようです。


ラディッシュ女王「嵐の海域を越えられないはずなのに、どうして、偵察できるのですか?」


シメジン「えっと、それはですね・・・;」


マイタンは100のボタンを押した。


すると、ベジー星の宇宙から見た大陸の写真が映し出される。


シメジン「ベジー星の中からは越えられないのですが、宇宙から侵入すれば、嵐の海域を気にせず、隣の大陸に行くことが出来るのです。」


ゼンマイール皇帝「それでは、我々の国も偵察されたと言うのだな。」


シメジン「はい、移住先を探すに当たり、その星の気候や環境、その星の国の数や、国の治安など、様々な事を調べました。」


マイタンは、08のボタンを押すと、移住した際の国名、移住すす住人の数、国王の名等が映し出される。


シメジン「もし、移住の許可が貰えたら、国名は「マッシュ王国」と名付け、移住する住民の数は30万人、国王はキクランと決まっております。」


コンブーン王「キクランどのが王になられるのか、では、シメジンどのやマイタンどのはどうされる?」


シメジン「私は、大臣になり、マイタンは、財務長官になります。」


マイタンは、09のボタン尾を押すと、マッシュ王国の建国場所、法、3ヵ国との関係方針などが映し出される。


シメジン「最後に、マッシュ王国は、ベジタリアン王国とセアウィード公国、コケット帝国の間に建国を検討しており、国の方向性としては、生産物の売買を行う商業王国として発展させ、窒素工場を建設し、窒素(N)の生産を行います。


法に関しては、建国までに検討します。


そして、3ヵ国との関係ですが、3ヵ国会議に加わり、条約への加入、各国の生産物の売買、窒素工場で生産した窒素(N)を販売し、各国の生産力促進を図り、関係を深めたいと思います。


以上ですべての説明が終わりました。」


ダイコーン王「少し聞きたいのじゃが、窒素をどう販売するのじゃ?」


マイタン「窒素工場については、私が説明いたします。


窒素工場で、窒素を多く含んだ土を生産し、その土を使うことで、野菜の成長を促します。」


チン・ゲンサイ「それでは、決議に移りたいところですが、10分程休憩を挟みたいと思います。」


各国の王と女王は席を後にした。


◆つづく◆

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