第7章:トラブルと銀河警備隊(前編)
無事にコノキ星へと帰省し、新たな任務と移住計画の為、王から渡された物とは・・・。
コノキ王国宇宙コロニー
マツターン王「お前達、出発前に渡しておきたい物がある。」
アミガッサ「何でしょう?」
マツターン王「新しい宇宙船だ。
名前は、トリュフーンだ、」
アミガッサ「ありがとうございます。」
マツターン王「全宇宙のデータを搭載し、ワープ機能も付いておる。
しかも、星の中でも飛行が可能だ。」
アミガッサ「そんな最新鋭機をどうしてですか?」
マツターン王「お前たちがベジー星へ帰る時に、今までの宇宙船では、アミタケ兵を全員運ぶことができないからだ。」
エノキン「この1機で、30万人乗せるのですか?」
マツターン王「ああ、分けて運んでも良いのだが、必ず不満がでるだろうからな。」
エノキン「たしかに・・・。」
マツターン王「まあ、まだ選定も終わってないから、先の話だがな。
まあ、受け取ってくれ。」
アミガッサ「わかりました。」
マツターン王「それでは、カネツグによろしく。」
アミガッサ「はい」
アミガッサたちはコロニーを出発した。
エノキン「なあ、これがワープ装置か?」
アミガッサ「ああ、そこに行き先を入力すれば、ワープホールが開くみたいだ。」
エノキン「へ~。
・・・
・・・・
これで良し。」
ナビゲーター「ゴールデン星、目的地座標:GLD-G483-M78S」
エノキン「しゃべった!?」
アミガッサ「ああ、ナビゲーション機能も付いてるみたいだ。」
ナビゲーター「設定完了!ワープします。」
ナビゲーションに任せワープホールを抜けると、ドーナツ型の惑星が目の前に見えた。
エノキン「あれがゴールデン星か?」
アミガッサ「そうだと思うが・・・。」
ナビゲーター「ゴールデン星へ到着しました!
ゴールデン星は、ドーナツ型惑星で、総人口8000万人、国家資産40系Mny、観光名所はゴールドタワーです。」
エノキン「超金持ちの星だな。」
???「こちらゴールデン星管制室、来訪目的は?」
アミガッサ「こちらはコノキ星コノキ王国のアミガッサ、特許院のカネツグ様に会いに来ました。
連絡はしてあります。」
GLD管制室「その場でお待ちください。」
10分後・・・。
GLD管制室「お待たせしました。
カネツグ様に確認がとれましたので、第9停船場にて停船してください。」
アミガッサたちは、第9停船場に停めた。
そして、カネツグとの待ち合わせ場所のゴールドタワーに着いた
カネツグ「アミガッサさんとエノキンさん、お久しぶりです。」
アミガッサ「2日ぶりですね。」
カネツグ「そうでしたね。
ここゴールデン星は自転が早くて、一日が6時間しかないのです。」
アミガッサ「そうなんですか・・・。」」
カネツグ「えっと、ご用事はなんでしたっけ?」
アミガッサ「この前ワープ店でお話ししていた、収納キューブの件です。」
カネツグ「販売されたのですか!?」
アミガッサ「まだコノキ王国のみでの販売なのです・・・。」
カネツグ「もしかして宇宙特許ですか?」
アミガッサ「はい、宇宙特許が取れれば宇宙モール等での販売もされるのですが・・・。」
カネツグ「でわ、私から特許を早くまわしておきますね。」
アミガッサ「ありがとうございます。
ただ、王様より、カネツグ様には特別にと、渡しに来ました。」
カネツグ「おぉ!良いのですか?」
アミガッサ「王様より、資金協力者であり、コノキ王国とこれからもとの事で、特別にと。」
カネツグに収納キューブを渡す。
カネツグ「おぉ!これだこれだ!」
アミガッサ「ボタンと数字の説明をします。」
カネツグ「おっと、ここだと人目につくから、最上階の特別展望室へ行きましょう。」
カネツグは電話で、特別展望室の利用許可をとる。
アミガッサ「特別展望室なんて良いのですか?」
カネツグ「良いのですよ。
収納キューブをいただけますし、せっかくゴールデン星に来たのですから、ゴールドタワーからの景色を堪能してください。」
アミガッサ「ありがとうございます。」
アミガッサたちはカネツグと共に特別展望室に移動する。
他の星の人が来るのが珍しいのかアミガッサたちを見る者があちこちにみられた。
カネツグ「ゴールデン星は、他の星との関係は宇宙モールを経由するのが9割を占めているため、他の星の人が来ることは滅多にないのです。」
アミガッサ「そうなんですね。」
エノキン「有名人に間違われたのかと思ったぜ」
カネツグ「ははは・・・。
みんな悪気はないのです。」
アミガッサ「では、ご説明しますね。」
カネツグ「よろしくお願いします。」
アミガッサ「この収納キューブには、赤と青のスイッチとロックスライド、収納一覧を表示するホログラムライト、出し入れをするライトが付いています。」
カネツグ「なんだか沢山付いていますね・・・。」
アミガッサ「操作は基本、赤と青のスイッチのみです。
まずは、青のスイッチですが、青は収納スイッチです。
収納する物に向けてライト当てると収納されます。
次に赤のスイッチですが、赤は排出スイッチです。
スイッチを押すと、収納された物の一覧がホログラムで表示されるため、それを指で選択するとライトから排出されます。
ロックスライドは、ロックするためのスライドです。」
カネツグ「ありがとうございます。」
アミガッサ「注意事項なのですが、どれだけ大きな物でも収納は出来ますが、収納できる個数は10000個までです。」
カネツグ「宇宙モールで使った時、商品は10000個以上あったと思うのですが?」
アミガッサ「あの時は、棚を丸ごとだったので、棚で1個として収納したのです。」
カネツグ「そうだったのですか。」
アミガッサ「あと、人も収納できてしまうため、人が居ないことを確認の上ご使用ください。」
カネツグ「はい。
でも、どうやって大きな物まで収納しているのですか?」
アミガッサ「そこまでは・・。」
カネツグ「あっ、ごめんなさい。」
アミガッサ「あっ、いえ」
カネツグ「お食事を用意したので、あちらで食べましょう。」
エノキン「アミガッサ、すごい景色だぞ。」
アミガッサ「町が一望できますね。」
カネツグ「ええ、ゴールドタワーの特別展望室は、1099.999メートルありますから。」
エノキン「ゴールドタワー自体は?」
カネツグ「1599.999メートルです。」
アミガッサ「あの、どうして「.999」と細かいのですか?」
カネツグ「このゴールドタワーは、塔の柱や内部に99.999%の純金が使われていて、それにちなんで、名前もゴールドタワーで、高さも99.999を使っているのです。」
アミガッサ「ここからは、宇宙特許の特許院は見えるのですか?」
カネツグ「特許院はこの星にはありません。」
アミガッサ「では、通われていると?」
カネツグ「いえ、普段は特許院のある銀河総合管理局の社員専用住宅で暮らしています。
今回、アミガッサさんたちとお会いするので、私の故郷であるゴールデン星で待ち合わせたのです。」
アミガッサ「そうだったのですか」
アミガッサたちはゴールデン星の料理を食べ、カネツグと談笑をする。
そして2時間ほどが経った。
アミガッサ「すみませんカネツグさん、そろそろ帰って王に報告をしなくてはいけないのです。」
カネツグ「おお、そうでしたか。
今日はありがとうございました。」
アミガッサ「こちらこそ、ごちそうになってしまって。」
カネツグ「特許の件は任せてください。」
アミガッサ「ありがとうございます。」
カネツグ「また何かありましたら、ご連絡ください。」
アミガッサ「はい」
アミガッサたちはゴールデン星を出発し、コノキ星へワープした・・・。
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その頃、マッシュ国では・・・。
シメジン「キクラン王、2、3日前にコンブーン王から、嵐の海域より流れ着いた物が届きました。」
キクラン王「届いた物は?」
シメジン「これなのですが・・・。」
シメジンが見せた物は、ベジー星では存在しない技術で作られた綺麗な箱であった。
キクラン王「綺麗な箱だが、箱の中身は?」
シメジン「それが、中身は嵐の海域で落ちたようです・・・。
しかし、この箱の物質なのですが、ダイヤモンドで出来ているのです。」
キクラン王「ダイヤモンド!?」
シメジン「はい、ただ、ベジー星では、ダイヤモンドを加工する技術はまだ無く、存在する事がおかしいのです・・・。」
キクラン王「ふむ・・・。」
シメジン「いかがいたしましょう?」
キックラン王「一度、コノキ王国のマツターン王に相談してみるしか・・・?」
シメジン「わかりました。
マツターン王に聞いてみます。
もしかすると、他の星の者がもう一つの大陸に来ているおそれもあります、その辺りも聞いてみます。」
キクラン王「たのんだ。」
シメジンは箱とともに王の間から居なくなった。
キクラン王「あれはもしや・・・。」
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ゴールデン星より帰還したアミガッサたちは、マツターン王に報告していた。
マツターン王「ご苦労だった。
特許の件はわかった。
ところで、さっき、シメジンから連絡があって、嵐の海域からダイヤの箱が流れ着いたそうだ。
その場では返事をしなかったのだが、嫌な予感がするのだ。」
アミガッサ「嫌な予感ですか?」
マツターン王「ああ、もしかすると、氷鏡国かクリスタ王国がベジー星に来ていたのかもしれん・・・。」
アミガッサ「氷鏡国にクリスタ王国!?」
エノキン「それどこの国だ?」
マツターン王「とても強大な武力と技術力を誇る2大国家だ。」
アミガッサ「侵略ですか!?」
マツターン王「可能性としては考えられる。
しかも、ダイヤを加工出来る国もその2国家だからな・・・。」
アミガッサ「ベジー星のもう一つの大陸には偵察は?」
マツターン王「さっき送ったところだ。」
アミガッサ「そうですか。」
エノキン「だが、心配だな、キクランたちは、知らないんだろ?」
マツターン王「ああ、キクランはおおよそ感づいてはいるだろうが・・・。」
アミガッサ「私たちも一度戻ったほうが?」
マツターン「そうしたいのだが、先に偵察に行ってほしい星があるのだ・・・。」
アミガッサ「偵察ですか?」
マツターン「ああ、宇宙の果てのイモヅル星とセリ星の偵察なのだ。」
アミガッサ「訳をお聞きしていいですか?」
マツターン王「じつは、ズイキ国が毒ゼリ帝国に滅ぼされたのだ。
その滅んだ原因の中に氷鏡国かクリスタ王国が作り出した兵器が使われたそうなのだ。
そこで、偵察で、どちらの国が毒ゼリ帝国に手を貸したのかを見てきてほしいのだ。
ただ、とても危険な任務だ、深く潜らず、大まかでよい。」
アミガッサ「わかりました。」
その日の夜、アミガッサとエノキンは、宇宙船トリュフーンの中で話し合う。
アミガッサ「今回の任務だが、セリ星かイモヅル星、どちらから偵察する?」
エノキン「ん~、イモヅル星は、後回しにした方がよくないか?」
アミガッサ「理由は?」
エノキン「攻めた毒ゼリ帝国には、氷鏡国かクリスタ王国が出入りしてる確率が高い。
気付かれたらこちらが不利になる。
イモヅル星なら、毒ゼリの兵だけの確率が高い。
それが理由だ。」
アミガッサ「わかった、そうしよう」
エノキン「トリュフーンにステルス機能はあったか?」
アミガッサ「さあ?」
エノキンはナビを起動した。
エノキン「ステルス機能はあるか?」
ナビゲーター「宇宙船トリュフーンの内臓機能は、ワープ機能・物体回避機能・全方位索敵レーダー・ビーム砲・高密度レーザー砲・ステルス機能があります。
外部取り付けで様々な機能を付けることが可能です。」
エノキン「あるってさ」
アミガッサ「じゃあ、出発するか。」
アミガッサはマツターン王に通信をつなぐ。
アミガッサ「マツターン王、今から出発します。」
マツターン王「今からじゃと!?」
アミガッサ「今から行けば、イモヅル星の夜の側に出られます。」
マツターン王「うむ・・・。
だが、ゴールデン星から帰ったばかりだぞ?」
アミガッサ「ええ、でも、ゴールデン星では、観光した様な感じなので・・・。」
マツターン王「お前たちが良いのであればよいのだが。
決して無理はするなよ。」
アミガッサ「はい。」
◇第7章 つっく◇