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ガン・ブレイド・オンライン  作者: 高谷 昴
オンライン編
4/4

VSゴブリン集団

俺たちは、今村のそばにある森に来ている。

クエストの討伐対象のモンスター集団はこの森の奥の方に巣を作っているらしい。

俺を先頭にルミ ケインの順で進んでいる。


マップを見るともうすぐ指定された場所だ。

「もうすぐクエストの場所だ。」

俺は言ったあと、振り返って見るとあからさまガチガチな二人がいた。


ケインは覚悟を決めているのか武器をつよく握っているが、ルミは顔色から緊張してあるのがわかる。

無理もない、つい先月まで小学生だったんだ。ここまでしっかりと理解して自分の意思をしっかりと持っている方が珍しい。兄がいるからなのかな。

ケインだってそうだ。普通なら取り乱しそうだが妹がいるからなんとかなっているのだと思う。

しかし、裏を返せばどちらかが死ぬと片方は壊れてしまう可能性が高いと言うことだ。


出会ってしまった上に、この二人とは気が合うとかまぁ色々とほっとけないと感じてしまっているんだよな。

俺はルミに近づくと頭を撫でる。

「大丈夫だから安心しろ。」


俺はルミに言うと、ニッとケインを見た。

まだ、緊張はしているようだが少しやわらいだ感じがする。

こんな簡単な言葉だが、誰かに声をかけてほしかったんだろうな。

そう考えてるとなぜかルミは恥ずかしそうに顔を赤らめてた。


二人とも大丈夫そうだからルミの頭から手を離すと目的地へと向かおうとしたがルミが手を握ってきた。

俺は、その手を握り返してケインを見る。

その顔は羨ましそうにしていたが、俺が顎でルミの反対側にやるとケインは気づいたのかルミの反対側の手を握った。


「多分、あの洞窟だな。」

俺達はあのまま進むと、開けた場所を見つけ反対側には洞窟が見える。

洞窟の手前にはゴブリン2体立っている。


「なるほど、ゴブリンか。雑魚モンスターだが今回のは群れか。」

茂みに身を隠しながら考える。

一番いいのは気づかれないことだけど2体同時には厳しいな。

気付かれた瞬間洞窟からわんさか出てくるだろうし、雑魚でも流石にきついな。


俺は、二人の装備を見た。

ケインは片手斧に小型の盾。

ルミは短剣のみだ。

二人とも今回まで引きこもってたのでレベルも高くない。 


ちなみに、見張りのゴブリンはレベル5で今の俺なら1擊で倒せる。

「どうしましょう?」

ルミが聞いてきた。


一応パーティーを組んでるから俺一人で戦ってもこの二人にも経験値が入るしその方が安全なんだけど、その話をしたら反対するしな。

しょうがない。


俺は、装備画面を開き装備を変えた。

サプレッサー付のセミオートの銃にした。

このゲームには近接攻撃の他に遠距離用として弓や銃がある。


しかし弾速は速いのだが、レベルを上げると視認できてしまい簡単に避けられてしまう。

その上、ダメージが距離のよって変わってしまうためあまり使われない。

けど、このゴブリンならこの銃でも倒せる。


「ユウさん、銃を使えるんですか?」

ケインが驚き聞いてきた。

俺はクイックチェンジのおかげで全ての武器の熟練度が共通だから使えるが、悟られるわけにもいかない。


「少し熟練度を上げた程度だ。まぁ、当たるか分からないけど外したら逃げるぞ。」

俺が言うと二人はすぐに動けるように構えた

俺はそれを確認すると銃を構える。


一発も外せないこの状況、俺の心拍数が上がったように感じた。

俺は落ち着こうと、ゆっくり息を吸って吐く。

それを一定のリズムでやって、タイミングを計り引き金を引いた。


銃口から僅かな音が出て、当たったかを確認せずにすぐにもう1体に向かい引き金を引く。

その後、すぐに銃をしまいゴブリンを見た。

2体のゴブリンは頭から赤いエフェクトがでて、光となって消えた。


俺は深く息を吐いた。

まさか成功するとは思わなかったからだ。

「ユウさんレベルが上がりました」


ルミが嬉しそうに言ってきたのであたまを撫でてあげる。

ケインの方もレベルが上がったらしい。

二人のステータスの確認が終わってから洞窟に入った。


中に入りに、少し進むとゴブリンの休憩室?らしき場所を見つけた。

中にはゴブリンが1体いたのでそれをケインとルミに倒させる。

二人とも動きがなっちゃいなかったがなんとかゴブリンを倒してレベルを上げた。


その後、更に奥に進むと天井から光が差し込む大きな広場に出た。

その中央には玉座みたいなのに座った、太っちょでゴブリンより大きいやつ ゴブリンキングが座っている。

「あからさまに、あいつが親玉だな」


俺は広場の入口の影に隠れて言った。

「どうしましょう、あいつ強そうですよ。」

ケインが震えながら言う。


キングの隣には2体のゴブリンがいて両方とも鎧を来ている

恐らく、キングの守りのゴブリンエリートだろう。

さて、どうするか。


キングの方は俺じゃなきゃ倒せないし、エリートはこの二人で1体がやっとだろう。

俺は決めると、また銃を装備する。

今度は、サプレッサーをつけていな状態だ。

サプレッサーは音が出ない分、威力が弱まってしまうので鎧を貫通して倒すにはこれしかない。


俺は、二人を見る。

「今から俺がエリートを1体倒してキングに突っ込む。だからもう片方のエリートを二人で頼む」

俺が言うとケインが首を振った。


「無理ですよ。ゴブリンでだって手こずっていたのにエリートなんて」

ケインが嫌そうに言った。

けれどルミは真剣な顔でこちらを見ていた。


「ユウさんはエリートを私たちで倒せると思いますか?」

その声には、恐怖も感じとれた。

怖いのに、勇気があるなと改めて思う。


俺は、ルミの質問に頷いた。

「あぁ。今の二人ならレベルも上がっているししっかりと相手を見れば行けるだろう。」

俺が答えるとルミは大きく深呼吸をして、ケインを見た。


「やろうお兄ちゃん。ユウさんが言っているし大丈夫だよ、それにここを乗り越えなきゃお店なんて開けないよ。」

ルミに言われてケインが少し考えると表情が変わった

「妹に励まされるなんてな。しっかりしなきゃな」


その後ケインは俺を見て頷いた。

俺は頷き返すと銃をエリートに向けて引き金を引いた。

発泡音が響くなか、エリートが光となって消えた。


キングとエリートは武器を抜き警戒を始めた。

「いくぞ!」

俺の合図と共に、俺達は駆け出した。


俺は装備を走りながら刀に変える。

キングの武器は肉切り包丁だ。

エリートがこちらに来ようとしたがその前に、ケインがたどり着き斧を振り下ろしたのを確認した。


俺はあちらを二人に任せて意識を全てキングに向けた。

キングは包丁を振り下ろして来たが、俺はそれを簡単に避けて刀で胴体を切り抜けた。

キングは声を上げて体力ゲージが減ったが、振り向き様に包丁を横に振った。


俺は、刀で受けたが少し飛ばされてしまった。

自分のゲージを見ると少し減っていた。

「ガードしてこのダメージか。直撃したら痛そうだ。」


俺は再び、キングに向かって駆け出す。

キングは左手のストレートを繰り出して来たのでそれを横に飛んでかわすが、その先に包丁が下りてきた。


俺は、刀で受け止めたが足が止まってしまった。

そこに再び左の拳が飛んできて、防ぐことが出来ず殴り飛ばされてしまう。

俺はそのまま壁まで飛ばされてしまいけれど半分ほど消し飛んだ。


「拳でこれなら、包丁を喰らったらおしまいかて…わっ!」

そんな、考えをしているのをおかまえなしにキングは走り寄って包丁を振った来た。

俺はそれを紙一重でかわしてキングを切った。


こっちの体力は半分、キングは7割だ。

俺は刀を鞘にしまう。

しかし、キングはそんなのを樹にせずに突っ込んできた。


俺は柄に手を添えて、しっかりとキングを見る。

この間、全てがゆっくりとなり呼吸すらもしているのかが分からなくような感じになる。

キングは目の前まで来るとまた左手のストレートを出してきた。

俺は横に低い体制でステップでかわし、また包丁がおりてくる。

俺は地面に足が着いた瞬間に全力で地面を蹴り一瞬でがら空きのキングの懐に入り込んだ。


そして、勢いを殺さずに切り抜ける。

刀スキル 抜刀術・閃

これは、閃光のように一瞬で切り抜ける技でクリティカル率が高い。

今回はカウンターも入っており、キングのゲージが一気にゼロとなる。


キングはうめき声を上げて光となり消えた。

俺は、一先ず息を吐くと二人の方を向く。

二人もちょうど終わったらしく、エリートが光となって消えた。


「お疲れ。二人とも大丈夫か」

俺は声をかけながら近づいていく。

二人もおれの肥で緊張が解けたのか座り込んでしまった。


「ユウさんこそ、よく一人でキングを倒せましたね。凄いですよ。」

ケインが苦笑いをしながら言ってきた。

二人とも体力が残り4割くらいだった。流石に無茶をさせ過ぎたと思う。


そんな中ルミは不思議そうにこちらを見ている。

「どうしたんだ、ルミ?」

「いえ、ユウさんの体力が少しずつ回復してるような?」


俺はルミに言われてハッとなった。

そういえば、オートスキルの事を忘れていたのだ。

俺はどうするか考えてると

「あっ緑になった」

とルミが言ったので頭を抱えた。


今回発動しているのは「オートヒーリング」

刀と弓の両方の熟練度が一定値を超えると手に入るスキルだ。

二人は俺に理由を聞こうと詰め寄ってきた。


その時、俺達が入ってきた入口の方から沢山の足音が聞こえてきた。

二人が入口を見た。

俺も、見ると同時にスキルを一つ使う。


それによって、この正体がゴブリンの集団だとわかった。

数はざっと50ぐらい。

この場所の出入口は一つしかなく、出るにはあいつらを倒さなければならない。


二人に、この事を伝えると絶望に包まれてた。

こちらが何を話しても聞こえていないのか反応がなかった。

そうしているうちに、ゴブリンの姿が見え始めた。


しかし、二人は立ち上がらず静かに迫り来るゴブリンを見ていた。

「くそ、二人ともここで見たことは絶対に言うなよ。後で説明してやる」

俺は、聞こえているのかわからないが二人に言うとゴブリンに向けて走り出した。


俺は、走っている途中で刀スキル 抜刀術・波 を使う

抜刀の斬擊波を飛ばす技

それによって、先頭の何体は倒すことは出来たが後続が目の前まで来ている。


俺は素早く装備を剣と短剣に変更してすぐさま斬り倒した。

周りの奴を倒すと敵は距離を取って石を投げてきた。

けれど、石はダメージがほぼなく俺のヒーリングの方が効果が大きい。


俺は気にせず石の雨の中突っ込んだが、一瞬石とは違うものが見えたので横にかわす。

さっきまでいた所を見ると木で出来た矢が地面に刺さっていた。

「ゴブリンアーチャーか面倒くせ」


俺は素早く敵の中から時折飛んでくる矢をかわしてアーチャーを探す。

この頻度だと2体程だ。


「見つけた!」

何度かかわした後、目的の奴を2体見つけた。

俺は、素早く弓に装備を変えて弓を放つ。


銃のスキルだと命中制度などしかなく弾には補正はつかないが弓なら矢に補正を付けることが出来る。

弓スキル 疾風の矢

矢に風を纏わせてスピードを上げて、貫通力と風などの抵抗を無視出来るスキル。


なので、石が当たっても軌道も反れることがないのでアーチャーを貫く。

続けざまに同じ矢を放ちもう一体を仕留める。

そして、再び近距離武器で敵に突っ込んだ。


その後は、特に何もなく全ての敵を倒した。

安全を確認すると二人のところに戻る。

二人は、何が起きたのか分かんないのか固まっていた。


「おーい、大丈夫か?」

俺は二人の肩を叩く。

二人はそれで正気に戻りこちらを見た。


「何ですか今の」

案の定の質問が二人からきた。

「ちゃんと説明するから村に戻ろ」


その帰り道も何回か同じ質問が来たがなんとか村まで帰った。

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