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児童文学

お父さんのタイムマシン

作者: 結城慎二

 なつやすみ。今日きょうは、おとうさんがったタイムマシンで、はじめてのおけ。

 さきは、ぼくだいきなきょうりゅうだいだ。

 まぁ、おとうさんのきなきょうりゅうだいでもある。

 おかあさんは「ヘビやトカゲはだいきらい」ってっておばん。でも、きょうりゅうちゅうるいじゃないんだけどなぁ…。

 おとうさんのったタイムマシンはさいしんがたで、なんといちかんさいだい六百ろっぴゃくまんねんどうすぐれものだ。

 だから、ばんはんべてみがいたあと、パジャマにえてんで、ぐっすりたらあさにはもうあこれのきょうりゅうだいだ。

 おとうさんのタイムマシンは、つうのキャンピングカーみたいだけど、おとうさんがどもころは、かんどうそういまさんばいおおきくて、いちかんじゅうまんねんくらいしかどうなかったんだって。

 ぼくさんすうとくだから、0がいっぱいでたいへんだったけどけいさんしてみた。

 なんとびっくり! きょうりゅうだいくのにいっ()げつもかかるんだ。くだけでなつやすみがわっちゃうよ。

 あ、いまのタイムマシンってのは、きとかえりのどうかんおなじになるようになっているんだ。ドラえもんのタイムマシンのようにゆうどうかんめられない。

 どうしてなのかおとうさんにいたら、

 「きゅうてんしながらこうてんしているから」

 っていうんだけど、なんのことだかさっぱりわからない。しつこくいたらさいには、

 「かんどうほうまってるからなの!」

 っておこられた。

 なんでおこられなきゃなんないんだ?


 ウィンウィン。


 おとうさんがどうスイッチをすと、タイムマシンがうごきだす。

 ぼくは、おかあさんに「おやすみ」と「いってきます」をって、タイムマシンのドアをめる。

 いよいよしゅっぱつだ!

 おとうさんが「もういっかいうよ」って、さいちゅう

 一、おとうさんのうことをく。

 一、あぶないところにはかない。

 一、ゴミはちゃんとかえる。

 一、なにってきちゃいけない。

 「ひとつでもやくそくまもらないと、もうれてってあげないよ」ってわれたけど、ぼくっている。

 ゴミをいてきたり、なにかをってくるとくうけいさつつかまっちゃうんだ。

 「はい」っておおきなこえうと、おとうさんは「しょう」ってだいのテレビヒーローのをして「はっしん」っていながら、スタートボタンをした。


 ウィンウィンウィン。


 まどあんぜんシャッターがじ、くうどうはじまる。うごしてしばらくはガタガタれて、おへそのしたあたりがちょっとくすぐったかった。

 「さ、あとるだけだ」って、おとうさんはうけど、こうふんしてなかなかすぐにねむれるもんじゃない。

 ぼくだんベッドのうえほうで、なんかいがえりして、やっとねむれたとおもったら、もうおとうさんにこされた(おとうさんは、ずぅっとてたってうけど、ぼくいまさっき、ねむったばっかりだったんだ! ぜったいぜったいねむったばっかりだったんだから)。

 おとうさんがれててくれたのは、ななせんまんねんまえはくというきょうりゅうだいおわわりごろ

 ほんとうは、ぼくだいきなステゴサウルスやブラキオサウルスのいるジュラきたかったんだけど、ジュラくにはいちにちじょうタイムマシンにっていなきゃならないし、おとうさんもそんなにかいしゃやすめないから、あきめた。

 「タイムマシンならしゅっぱつしたかんもどってこれるはずなのに、どうしてドラえもんのタイムマシンみたいにそれがないのか?」ぼくはやっぱりそれがりたかったからもういっかいだけいてみた。そうしたら、

 「それはけんことなの。あぶないことだから、はんのタイムマシンはそういうことないようになっているんだよ」

 と、こたえてくれた。

 どうけんなのかは、ぼくにはまだむずしくてわからないことだからって、やっぱりおしえてくれなかったけど、かわりにこんなことおしえてくれた。

 むかしじっけんちゅうだいきたことがあって、それらいけんきゅうようおおがたタイムマシンととくべつきょがないと、しゅっぱつしたかんもどってくることかんどうほうきんになったんだって。

 まぁ、いいんだ。はくにもイグアノドンとか、きなきょうりゅうはいっぱいいるから。

 タイムマシンがいたのは、しばできれいにられたようなみずうみちかくのそうげんで、あまりとおくないところにすごくいっぱいのトリケラトプスがムシャムシャとくさべている。

 「トリケラトプスばっかりだなぁ、おとうさんのきなアンキモサウルスいないかなぁ?」

 ……って、それはアンキロサウルス。

 「もりほうったら、もっといっぱいきょうりゅうがいるんじゃない?」

 ぼくは、そとたくてワクワクしてる。けど、おとうさんはそとちゃダメってうんだ。

 たトコにくしょくきょうりゅうなんてぜんぜんいないのに、そとるのはあぶないって…。

 ぼくは、もりはずれでっぱをべているパキケファロサウルスにさわってみたいのに。

 「ちょっと、どうしてみよう?」

 おとうさんは、タイムマシンをランドクルーザーみたいにうんてんして、もりほうれていってくれた。

 タイムマシンはおおきくて、もりなかまではいってけなかったけれど、ぼうえんカメラでおくのぞくとオルトミムスがトカゲみたいのをつかまえているところや、マイアサウラがあかちゃんにえさをあげているトコがれた。

 マイアサウラのあかちゃんはちっちゃくて、かわいかった。

 うー、さわってみたい、っこしてみたい!

 「そだてをじゃするとおかあさんにおこられるからな」って、おとうさんはタイムマシンをどうさせる。

 そとれててさそうだったから、ピクニックみたいにそとでごはんべたかったんだけど、やっぱりおとうさんはダメだってう。

 なぜ? っていたら、

 「にんげんんでいるだいとは、かんきょうちがうからだよ」

 って。そとるためには、とくべつじゅんかっこうをしないと、らないびょうになったりしてあぶないんだって。

 ちぇ、つまんないな。

 おひるはんべながら、ボーッとそとていたら、とつぜんまえおおきなトンボがよこった。

 「りょうひろげたくらいおおきかったよ」って、おとうさんにったら「ゴキブリもいえてくるヤツよりさんばいくらいはおおきいぞ」って、わらってた。

 ……それには、いたくないぞ…。

 みずうみながれるおおきなかわには、プカプカとワニがいていて、とき々《どき》おおきなあくびをしている。

 のんびりしてていいなぁ…っておもっていたら、きゅうきょうりゅうたちがはしした。すると、ドドドドッってめんれたかとおもったら、ゴゴォーッってすごおとがした。

 はんたいがわまどそとると、いちばんちかくのざんふんしている。

 おとうさんはべかけのおにぎりをくちいっぱいにほおると、うんてんせきすわってきゅうはっしんはしってげてくるきょうりゅうにぶつからないようにうんてんする。

 なんか、とっても格好カッコいい。

 …けど、みぎがったりひだりがったりしてはしるもんだから、ぼくぶんわるくなった。

 あんぜんそうなところまでると、そこにはパラサウロロフスがいた。

 やっぱりそとてみたい!

 おとうさんにおねがいしようとしたら、おとうさんがまどそとゆびしている。

 ると、はやしがサワサワとれている。おおきなきょうりゅうちかづいているみたいだ!

 うわっ! もしかして!?

 あらわれたのはにくしょくきょうりゅうおうさま、ティラノサウルス=レックスだ!

 ティラノサウルスは、おもっていたよりずっとはやくて、とってもちからづよはしってる。そして、れからおくれたいっぴきのパラサウロロフスのおしりいた!

 「まずい!」

 おとうさんは、あわててタイムマシンをうごかした。ひきたたいながらげながら、こっちにかってたからだ。


 ウィンウィンウィン。


 ひきたおんでくるかんいっぱつところでタイムマシンはぼくらのだいもどす。

 「いちばんいいトコだったのになぁ…」

 ぼくは、そういながらおおきなあくびをした。

 けいると、きょうりゅうだいいてからじゅうかんくらいぎていた。

 それからぼくらはばんはんべながら、今日きょうきょうりゅうたちのはなしねむくなるまではなった。

 「でも、イグアノドンがれなかったのがざんねんだよ」

 パジャマにえてベッドにはいりながらぼくうと、おとうさんはニッコリわらいながらこうった。

 「なんだぁ? きょうりゅう博士はかせなんだろ? イグアノドンは、もっとむかしきょうりゅうだぞ。らなかったのか? 明日あした、おうちかえったら、もういっかいちゃんとかん調しらべてみるんだな」

 そのときはもう、ねむくてよくおぼえていないんだけど、たしかそんなふうにっていたがする。

 あさきると、そこはぼくのタイムマシンをくガレージだった。

 うちもどっておかあさんに「ただいま」と「おはよう」をって、いそいできょうりゅうかん調しらべたら、イグアノドンはだいたいいちおくねんくらいまえはくぜんきていたきょうりゅうだっていてあった。

 なんだ、イグアノドンたかったのになぁ。

この物語は、子供が幼い頃に寝物語として考えたものです。

400字詰原稿用紙で10枚ほどの小品で初投稿にちょうど良いかと思い投稿してみました。

過去に「漫描きhttp://mankaki.jp」というサイトで発表してます。

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