最終話 全ての終わり
「これが・・勇者カエデ・・・・」
「許さない 私はお前を・・!」
此方を睨み、今にも襲ってきそうな勇者
その姿に私は怯えていた
・・怯え? この、私が・・・?
そういえばこの勇者は、罪の謎の被害者だったのだな?
答えを教えて、散ってもらうか
† † † † †
『ふふ、【罪】の謎について、調べていたんだろう?カエデ』
「それがどうした?」
『教えてやる・・・ これが答えだっ!』
魔王はローブを取って捨てた
その姿は・・・
「私・・?」
私と瓜二つ
だけど、髪は灰色だし、眼は紫色だ
「だが、それがどうした!」
ガキンッ
「な・・! 通らない!?」
『コレで終わりだ!勇者!』
【I know you were (お前は知ってしまった)】
魔王が発した声は、別人だった
地の底から響く、恐ろしい声
【The mystery of sin (罪の謎に)】
【So the answer is I, mirror (答えは私 そう、鏡)】
【Become a real beat you till I (私がお前を倒して 本物になる)】
【Taste... (味わえ・・・)】
『eternal darkness!!! (永遠の闇)』
魔王から放たれたのは、レーザービームを太く大きくしたような・・
闇だった
「うっ・・ぐぅ・・あああっ・・ 負けてっ・・たまるかぁあっ!」
私はそれに耐えて見せた
『なん・・だと・・? 本物のカエデの・・最大魔法に耐えた!?』
「なにが本物だ! お前は一生私の偽者だ! クソが!」
イライラする。 何が本物だ
「お前はお前!私は私! それぞれ違う! 同じもんなんてありはしねぇんだ!!」
私、こんなに口悪いっけ って心の中で思った
そして魔王の近くに行き、跳んだ
「私じゃお前を倒せない、来世に賭ける それまで・・・眠れ!」
『待てッ!それじゃあお前も道連れになるではないか!?』
「あぁ!?知ってるよ!その位はなぁっ!」
『うわ・・やめ・・やめろ! やめるんだ!!』
「Sleep forever (眠れ 永遠に)」
私は全てを・・・この剣に!
「sealed (封印)!!」
この魔法は、ある事が無い限り氷漬けになって眠る
ある事はきっとある、その時は未来の勇者に託す
そして私は
魔王に切りかかり
そのまま二人して凍った
「「カエデッ!!」」
最期に二人の声が聞こえた気がした
† † † † †
封印・・か
きっとその選択を選んでなきゃ、みんなお終いだったかもしれないし
いい選択なのかも知れない
あぁ、三人共、気が付いた
遠距離で回復魔法って難しいね
でもまぁ、全快したと思う、全員
ヨヒリ・・いや、妃和?はあっちに帰るか、最期までここで暮らすか
選ばせなきゃ
・・・そろそろこの城も危ないな
「強制ランダム転送!!」
最後に私が隠れているところを見て、笑顔で転送されたシーがいた
魔王はどうせ地下でいつか復活する
勇者は・・あぁ、グラーティスタウンの神殿の奥深くの氷の部屋があったよね
そこに置いておこう
「カエデ 転送」
これで、よし
私も帰るか
「転送」
これで、全てが終わった
そして
始まりでもあった