第23話 救いの光
プローアーモレ
ガチャッ
「誰かいる!」
「こんにちは、勇者さん」
「!! お前は・・ゼリテ!」
「正解」
「前回は油断したわ・・」
「聞こえる」
「エレー?」
「〈たすけて、助けて〉って、誰かが・・・ゼリテに似てるけど、色は白銀の獣人、べつじんね」
?声なんて聞こえないけど・・
「・・っ、アウロの子か」
ゼリテの様子が・・
「はぁっ!」
「させない!火槍!」
「ちぃっ」
ゼリテは闇属性の魔法を使う・・・
じゃあもしかしたら・・・
「カエデ」
「エレー?」
「カエデのおもったとおり、ゼリテには光属性の魔法をつかわなきゃ」
「コソコソと何だ! うぐっ!?」
「お前の相手は俺だ」
「ちぃっ、シアンめ!」
「分かった、やろう」
──光矢でゼリテを貫いて、後は私が何とかする
よし、今だ!!
「光矢!!」
「ぐああぁ・ぁっ・!」
よし、上手くいった!
「エレー!」
エレーの方を見ると、コクリと頷いた
「汝に宿りし魂よ、闇に溺れし嘆く心、我は全て受け止める 救いの光を今ここに 永光!」
「う、うわあぁっ!」
「うっ」
「眩しい・・」
「闇よ、この者の中から消え去れ!」
「うわあああああああああっ!!」
「・・終わった?」
「うん、アウロ家の中でも一番強い光属性の魔法を使ったから、きっとだいじょうぶ」
へぇ・・すごい威力・・
「そうだ、ゼリテは!?」
「・・・・」
光の煙の中から現れたのは、膝を突いて俯いている白銀の狐の獣人
「・・ゼリテ?」
「・・・・」
「ほんとうの貴方は黒い狐の獣人じゃない、でしょ?」
こくり
ゼリテが頷く
「・・そう、私は銀色の狐の獣人だったんだ」
「・・ゼリテ・・・・」
「シー、約束、ちゃんと守れなくてごめんね」
「・・さて、と 私はもう行くわ」
「行くって、どこに?」
「分からないけど、どこか遠くに」
「それじゃ ありがとう またね、シー」
彼女の体が光に包まれていく どこかへ飛ぶのだろう
「・・私の・・本当の名は・・・プロー=アーモレ・・・・」
プロー=アーモレ・・それが彼女の、本当の名
「・・さと、魔王を倒さなきゃ」
「シー?」
「さっさと魔王を倒さなきゃ!ゼリテ・・プローをあんな目にした魔王を・・!!」
「行くぞ!」
魔王、貴様を絶対に倒してやる!!
puro amore イタリア語
純愛