2‐4異界の半神半人
「あ、お兄様だ!」
ルナがそんな声を上げる。
前方より二人の兄が近づいて来る。
「お疲れ〜ルナ、アティ。リアン先生の授業はどうだった〜?」
そんな質問をしてくるのは次男メルキウスことメル兄様だ。
「はい楽しかったです!」
「あの人の授業が楽しいとはまた変わってるね〜。アティはどうだった?」
「今日も沢山叩かれて…。嫌になります…。」
「あはは、僕と同じだ!」
「アティ!しっかりしろ!コイツみたいになるぞ?」
そうしてメル兄の頭を叩くのは長男アレストことアレスだ。
「ど〜いう意味〜?」
「そのまんまだ。」
「でもアレス兄様?アティ姉様は勉強は凄いですよ?」
「ふむ、その分これよりマシか。」
ホントに申し訳無いんですがそれは単に前世から受け継いだ(?)記憶の恩恵なんです…。きっと才能は格段に劣ってるんです…。
「そんな頭悪くは無いよ!?僕だって!」
「とにかく不真面目なのが問題か。」
「不本意だけどそうなのかな…」
「おや、集まってどうしたんだい?」
声を掛けてきたのは、この兄妹の父親、クロノス公爵だ。うん公爵。記憶が定かなら公侯伯子男で一番上の位だ。天井と睨めっこしてた時どんな金持ちの家に生まれたかと思えばこんな金持ちだ。公爵、そりゃ金も持ってるだろう。
この家に生まれた時からちょっとした国の重要ポジションに位置していたのである。
まあ政略結婚でもさせられそうな時は家出でもするだろうが。ただとにかく荷が重い…。
「はい、たまたまここで出会って勉強の様子などを話し合っていました。」
たまたま出会うという表現が正しい位にこの家は広いのだ。初見なら迷う自信がある。
「そうか。リアンに先程会ってな。二人共優秀だと言っていたよ。良く頑張ってるようじゃないか。」
やはり褒められる分には悪い気がしない。それはどんな時、場所でも変わらない。
「「はいっ!!」」
「良いな〜。リアン先生には褒められた事も無いよ〜。」
「そうか。それはお前が脱走したり、話を聞いていなかったのが悪いんだ。」
流石メル兄…。あの人に臆さずそんな事やるなんて…。
俺はある程度暴力もとい調教(?)に屈したのに、今や21歳を迎える精神より強いかも知れない…。
サブタイを前回ミスってた…