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15-5招かれざる客人

最後の方で作者が少し暴走入ったので読む際は注意して下さい。

「ふぅー…。」

元の世界の銭湯と大差の無い物に浸かり、一日の汗を流す。

この屋敷には、三年程前に湯舟が取り付けられた。それまではただお湯(ただのとは言ってもこの世界での手間を考えると割と贅沢)で体を流すだけだった。

そこまで関心を持っていた訳ではない為あまり詳しく無いが、三年前よりこの世界の技術発展は目覚ましい物であった。

通信玉という携帯というよりはトランシーバー?に近い物が開発され、近年は小型化と量産化が進み、庶民にも手を出せる様になった。

湯舟もその時期に王城に取り付けられたと聞き、少しだけ我が儘を言って屋敷にも取り入れてもらった。

半年前には、ここウィルディアにも公共浴場が作られ、皆がお風呂を満喫出来る様になった。

判定玉もその頃に開発された技術らしく、それまでは片っ端から呪文を唱えねばならず、自らの属性を見つけるというのは割と大変だったらしい。

人々の生活の質の向上は勿論良い事だと思う。

しかし俺は違和感を覚える、あまりにも急、というより纏まり過ぎてはいないか?

これに加え、アラン王子が居合い斬りを習ったというのも三年前。

勘ぐり過ぎなだけかもしれないが、俺の見通せない所で何かが捻れ、本来の運命とはズレている様な嫌な予感がした。


とは言え考えても答に辿り着ける訳でも無い。

「ふぅー…。」

再び大きく息を吐き出す。

「さっきからそればかりですね。」

「うーん…?ちょっと今日は疲れたかもしれませんね。」

声の主はルナ。

うん、一緒にお風呂に入ってる。

美少女と一緒にお風呂、前世なら即座に110番を押され、爆発しろやらもげろやら言われそうなシチュエーションではあるが、別に初めてでも無いし、あくまで女の子同士、きっとセーフだ。

あと正直な所例えは悪いが去勢された雄猫の如く、性格的にも丸くなった…かは微妙だが、女性への興味というのは薄れてきた。

そこから男へと興味が移る訳では無いが。

ルナの視線が一箇所に集まる。

「………。」

ルナがじっと俺の身体の一箇所を見つめる。

「………?何…?」

「………ずるい。」

「ずるい?」

「ずるいっ!何で双子なのにお姉様だけ胸が大きいのっ!?」

「ぶっ!?」

思わず吹き出してしまった。

「私は真剣ですよ!?双子なのに不公平です!」

これは割と本気の時のルナだ。

「…じゃあどうして、その…胸が大きい方が良いの?」

「どうしてって、やはりそちらの方が魅力的?ですし…。」

「なら大丈夫よ、今のままでもルナは十分魅力的だもの。」

のぼせたのか照れからなのかルナの顔が少し赤い。

「うぅ…、持つ者の余裕ですか?」

「べ、別にそんな訳じゃ…。」

「ずるいっ!ずるいずるいずるいっ!持たざる者の気持ちも理解して下さい!」

そんな事を訴えかけ、

ムニュッ!

「ひゃあっ!?」

突然ルナが胸を揉んできた。

「は、離してよー!」

「嫌ですー。お姉様はもっと人の気持ちを理解して下さい!」


などというキャッキャッウフフな展開を繰り広げていたら、風呂上がり、脱衣所でメル兄が鼻血で倒れているというコメディな惨状が繰り広げられていた。しかし無視して足蹴で退かした。

残念ながら俺は変態に掛ける情は持ち合わせていなかった。


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