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15-2招かれざる客人

兄達(+α)が帰って来た日の午後。

そんな日でも俺は欠かさずに武術の授業を受ける。

むしろアレス兄から教えて貰いたい事だってあるので滞在中の二週間はチャンスなのだ。


だというのに…!どうして、どうしてコイツがいるんだっ!?

そう、何故か隣ではバカ王子が一緒に剣の素振りをしている。

ちょっとそちらを向くとニコッと無駄に爽やかに微笑みかけてくるのが非常にイラッとくる。

無駄にイケメンだから何故か尚更イラッとくる。


遡ること数時間前。


いつだったかの如く突然押しかけてきたアイツは、今度は何をするかと思ったらディラン先生に武術の師事をしてもらいたいだとか勿論困惑しているのは当のディラン先生であり、そんな事も露知らず、下心見え見えのアラン王子であった。

しかしそこは仮にも王子クオリティーだ。我を通せば大抵の事は通ってしまう。

だから尚更質が悪い。

色んな意味で周りを見てもらいたい。

王都から出るとなると常に王子の近辺警護にあたっているらしい(というのも常に目に付かない様な所に隠れているとか)護衛も冷や冷やとしている事だろう。

後は俺なんかよりよっぽどマシなルナに目を向けて欲しい。というかさっさとくっつけお前ら。本人達には知る由も無かろうが、こっちは横取りしちゃった様な罪悪感と運命改変のイレギュラーに数年間思い悩まされているというのに。

とりあえず俺は馬に蹴られて死ぬのは御免だ。

…やっぱり元々はいなかった存在として家出なりして本人達の前より立ち去るのが手っ取り早いのか?

そんな事を考えていると稽古の手が緩む。

「お嬢様!手が休んでますよ!」

ハッとなり、気を引き締め直す。

「やっぱり本当は殿下の事がすk…。」

言い終わる前にラリアットで押し倒し、それ以上の言葉が続かない様に抑え込む。

「ん〜…?何かおっしゃいましたか?」

力の篭った笑顔で抑えながらに問い掛ける。

問い掛けるとは言っても正確には、ただの確認であり、もっと正確には脅しと言う。

「い、いえ何でもございません!」

首を全力で横に振り、俺の言いたい事を分かってくれたようなので解放する。

今のはほとんどただのじゃれ合いなので抑え込めたが、実際の所どこまで通用する物なのかは、分からない。

しかしとにかく粗削りではあるものの素手での戦い方の基礎一通りと一部応用、そして現在は剣の扱いを教えてもらっているので護身程度には十分な筈である、うん…多分…。

この半年と少しという期間の成果としては十分な物だとは思う。

まあ、俺の才能というよりはこの身体の類い稀なるセンスであろう事は重々承知だ。


とりあえずアホ王子が調子に乗りそうなので、絶対にあの後に続きそうな言葉を聞かせる訳にはいかない。


「では、殿下、お嬢様。模擬戦をしてみましょうか。」

ディラン先生が突然にそしてサラっと重大な事を述べた。

「「…え!?」」

俺とアラン王子の間にに緊張が走った。


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