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15-1招かれざる客人

月日が経つのは早い物だ。

今俺は十一歳だ。体つきもいくらか女性らしくなってきた。

ただいくら俺が元男と言ったって自分の体にその様な感情は芽生えない。

仮にも自分の体だし、俺にはナルシシズムも無い。一応姉妹揃って十人並み以上の美少女だとは思うけど。


そして学院入学まで残された時間は半年となった。

あれよあれよという間に時は過ぎ去っていく。

今までだってそうだったし、これからもそうだろう。

そして結局何が言いたいのかというと、


未だ何一つ事を成していない!


魔法はてんで駄目、武術は基本は何とか、しかし自信は無い。神力に至っては最早論外だ。

残された時間があまりにも少ないのだ。


そして唐突な話だが、今日はメル兄とアレス兄が帰って来る日となっていたりする。

アレス兄辺りに、武術を教えて貰おう。だいぶ強いらしいし。

別段ディラン先生に不満があるわけではない、単に多方面から教えて貰えば今まで見えなかった部分が見えるかなという気持ちからだ。


午後に差し掛かり、少し深窓の令嬢気取りで自室の窓より外を見ていると、遠くより公爵家の家紋の刻まれた馬車が向かってくるのが見えた。


来た!


出来る事なら窓から直接飛び降りて駆けて行きたいが、生憎ここは二階。

ケガとか云々は気にしないけど礼儀というかむしろ常識的な範囲でやっちゃいけない訳で。

とにかく飛び出したい気持ちを抑え、玄関へと向かう。

こんな時にドレスなんて物は非常に鬱陶しい。

走る事はおろか早歩きにさえもちょっかいをかけてくる。慣れない者は思い切り踏み付けて顔面強打も有り得る。これは服というより一種の拘束具といった方がしっくりくる。


俺が玄関に着くのとほぼ同時に馬車も屋敷の前に到着した。


「お帰りなさいませ、アレス兄様。」

「ただいま、アティ。背伸びたんじゃないか?」

笑顔で馬車より降りて来る。

「メル兄様もお帰りなさいませ。」

アレス兄に続き、メル兄が降りて来る。

しかし…。

「メル兄様?どうかなされましたか?」

いつもなら騒々しい例えるから台風の様な人というイメージがあるが何故かムスッとした様な感じでとにかく不機嫌だ。

「あぁ、それはだなアティ…。」

その言葉を遮る様に。

「久しぶりだな。」

自分でも顔が引き攣っていくのが分かる。

「こ、この度はどのような御用で?殿下?」

降り立ったのはアラン王子。何か色々間違った人。

「会うのに理由などいるのか?」

「いえ、しかし一国の王子とあろうお方がこのような辺境の地にお越しくださることありませんのに。」

まあ、要約するとこっち来んな。王都で大人しくしてろとなるのだが、そこは婉曲的にやんわりと。

仮にも国のトップだし。

「今日はアティ、お前に会いに来たのみじゃないぞ?」

呼び捨てで呼ばれると鳥肌がゾワッと立つ。

しかしこの発言はつまり…。

「ついにルナに気が向いたんですね!元々私には王妃という立場は重過ぎたんですよ。」

「いや、そういう訳ではない。少しディラン殿にな。」

チッと心のうちで舌打ちをし、首を傾げる。

何故ディラン先生?

「殿下、このような場所で立ち話も難です。中に入りましょう?」

アレス兄がここで話を断ち切る。

「うむ、それもそうだな。」

以前もだったがとりあえずメル兄がすごい嫌そうな顔をしていた。


はい、お久しぶりです。

ちょくちょく復帰していきたいと思います。

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