14-6天界での遭遇とここ最近
今朝は頭痛に悩まされての起床となった。
原因は明確。天使の愚痴だ。無理矢理断ち切ったのがほんの十数秒前の話。
面白おかしくもあったのだがそればっかり聞かされているとやはり飽きるし、疲れる。
実際は小一時間聞いたくらいなのだが後半は時間との戦いになったのも疲労の原因だ。
五倍速の時間経過は想像以上にプレッシャーとなる。
とりあえず…、腹減った…。
今日はいつもは重く感じる朝食もすんなり腹に収まる。
「朝食は残さず食べたようだけど大丈夫かしら?アティ。」
「はい、もう一晩寝たら大丈夫です。お母様。」
「それなら良いんだけど。はぁ、若いっていいわね…。」
とは言え実年齢明かさなければ二十代前半にだって見える母の台詞じゃあ無いと思う。
エルフの不老長寿とかホントずるい…。
「最近お姉様は心配かけすぎです。倒れたなんて聞いた時には気が気じゃなかったんですよ?」
「うん…、ゴメン…。」
「どうだ?アティ?武術を学ぶというのは大変だって分かったろう?」
「はい…。」
何故かこの言葉に微妙に嬉しそうな父。何だかんだ言って最後まで武術に反対していたのも父だった。
「ですけど、やめませんからね?」
何でそこで残念そうな顔をする、父よ。
「あまり無茶をするなよ?やめたくなったらいつでも良いからね?決してお前を責めたりなんかしないよ?」
今でも心の中では反対しているんだろう。頻りにやめることを推奨してくる。
絶対やめてたまるか。心配してくれるのは嬉しい事だがこの程度の苦労乗り越えられなきゃこっちは死亡フラグ乱立なんだっつーの!
中庭に待機していたがいつまで待ってもディラン先生は来ない。
当然か。倒れて寝て起きてだしな。
とりあえずディラン先生の元へと行くこととした。
ディラン先生居るかな?
ノックをするといくらか間を置いて扉が開かれる。
俺の姿を見て、少し驚いた様子だった。
とゆーか寝てないのか?酷い顔だ。
「昨日はご迷惑をおかけしました。」
まず謝罪。コレ大事。
「私は大丈夫ですから、今日の授業を始めましょう?」
倒れた次の日だってのに性急過ぎるだろうか?
そんな事を考えていたら、何とディラン先生が泣き出してしまった。
流石にこれは想定外である。
「え?えぇっ!?お願いですから泣かないで下さい!」
訳が分からない。いや分からなくも無いが何故このタイミング?
「すみません…。でも本当に自分不甲斐なくて…。」
「いえ、本当にこの通り私は元気ですから!大丈夫ですから!ねっ!?」
何で俺はこの人を慰めてんだろ…。
「私は貴女に謝らなければなりません。本当にすみませんでした!」
「えっと、はい…。」
そして何で謝られているんだろうか?
だんだん自分でも今何をすればいいのか分からなくなってきた。
とゆーか今のは何に謝られたんだ?管理責任…?
結局この場はうやむやとなり、一応その後授業はやったけどディラン先生も俺も微妙に上の空だった。
ただ今修学旅行中。
明日には帰るんですけどね。